マガジンのカバー画像

短編小説

27
短編小説をまとめて。
運営しているクリエイター

#ミステリ

ニッポンてところは なかなかステキ (1)

『うちの敷地内で、怪獣が死んでいるんですけど』 【概要】  父親の唐突な思いつきで、アイ…

お別れの会を終えて (1)

『その探偵は、対象をひとめ見ただけで、犯人であるか否かを言いあてる』 【概要】  ロック…

お別れの会を終えて (3)

          *  頭をあげて。  お願いだから、そんなことしないでよ。  みっとも…

古書堂の殺人 (1)

〝魂〟と呼ぶのが相応しいか。  それとも〝心〟であろうか。  かたちも、色も、質量すら有し…

古書堂の殺人 (2)

 出入り口の扉を開けると黄ばんだ背表紙の本の列に圧倒され、遅れて下腹あたりを刺激する心地…

汚れた血 (4)

          * 「逃げろ、バケモ……バケモノが大量に……」ノーマンは床に手をつい…

ねないこだれだ (1)

『わたしはきっとなにかを見落としている』 【概要】 調停の話しあいが終わるまでは会わないと約束していた夫・有村遼から自宅に押しかけられて、金の無心をされた〝わたし〟は、有村遼の殺害を決意する——。 【 1 】 「――わたしです」ほかに選択肢などあろうはずもない。「わたしが殺しました」  思慮を巡らせて、完璧に遂行したつもりでいた。賞レースに毎回ノミネートされる有名女優にも劣らない演技で、偽りを真実に変えることができたと思っていた。 「……殺した? いま、殺したとおっしゃ

ねないこだれだ (3)

【 5 】  一階までの移動は非常階段を使用し、カメラが設置されたエントランスを避けて駐輪…

ねないこだれだ (5)

【 8 】  受け答えで気をつけなければならない点が、いくつかある。  遼の死を知らされる前…

ねないこだれだ (6)

【 10 】  翌日の正午少し前に、久慈がマンションを再び訪ねてきた。  玄関の扉を開けて招…