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柳樂光隆の音楽評論

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柳樂光隆が書いた音楽に関する論考的なものを中心に。ここだけに公開するインタビューもあります。
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#JazzTheNewChapter

55 Recommended Non-Jazz songs of 2019 by "Jazz The New Chapter"(with Playlist) #JTNC

Jazz The New Chapter監修者 柳樂光隆が選んだ2019年ジャズ以外のおススメです。 新譜に関しては ①ジャズミュージシャンが参加した良い作品が例年通り多かった。 ②アフリカン、カリビアンの音楽の要素を取り入れた音楽に面白いものが多かった。 ③声の多重録音による面白い響きのコーラスを取り入れた作品が良かった。 ④インディークラシカル、ポストクラシカル、ミニマルミュージックに良作が多かった。 ⑤サイケデリックなサウンドを面白く使った作品に惹かれた。 ⑥アブス

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"50 Best Jazz Albums of 2019" by Jazz The New Chapter (with Playlist) #JTNC

Jazz The New Chapter監修者 柳樂光隆が選んだ2019年のジャズの年間ベストです。 1 . Christian Scott - Ancestral Recall 2 . Robert Glasper - F**K Yo Feelings 3 . Kendrick Scott - A Wall Becomes a Bridge 4 . Dan Tepfer - Natural Machine 5 . Brad Mehldau - Finding Gabrie

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21世紀のジャズ・チューバ入門:UKジャズとUS南部の新世代 || インタビュー:東方洸介

チューバ奏者が目立ち始めた21世紀のジャズシーン「最近チューバをよく見るなぁ」と思ったのはいつのことだったか。 僕はジャズと並行して、ニューオーリンズのブラスバンドをよく聴いていた。現代のニューオーリンズのブラスバンドはヒップホップとも融合したサウンドを奏でるソウル・レべルス、リヴァース・ブラス・バンドやホット8ブラスバンドが00年代に出てきていて、めちゃくちゃ面白いことになっていたからだ。 その延長と言ってもいいと思うが、生演奏ヒップホップバンドの先駆者ザ・ルーツは自身

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interview Moto Fukushima(House of Waters) ー USの音楽シーンでサバイブすることと、NYの南米ジャズ・コミュニティー

スナーキー・パピーのマイケル・リーグが運営するレーベルのGROUND UP MUSICからHouse of Watersというバンドがデビューしていた。ヨーロッパの弦楽器ダルシマーを配したトリオという不思議な編成だが、Groundupが実力があるライブバンドをリリースすることをレーベルのコンセプトとして掲げているだけあって、その内容は素晴らしいものだった。 その動画を見ているとアジア人ベーシストがいることに気付いた。名前はMoto Fukushima。 さっそくNYのジ

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10分でわかるジャズの名門ブルーノートの歴史 - Introduction for 『ALL GOD'S CHILDREN GOT PIANO』

僕が監修・選曲・解説を手掛けたブルーノート・レコーズのコンピレーション『ALL GOD'S CHILDREN GOT PIANO』がリリースされました。ブルーノートの来年80年を迎える永い歴史の中から現代ジャズを楽しんでいるリスナーのために、現代から1940年代までの音源を並べて、21世紀にふさわしいジャズピアノの聴き方を提案するものです。 そのリリースに合わせて、ブルーノートについてあれこれ書いてみようと思いました。まずはブルーノートの歴史を一気におさらいしてみましょう!

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フジロックで観たトロンボーン・ショーティーがすごかった

※新作はApple MusicやSpotifyで聴けます。  ➡ https://itun.es/jp/EByjib  ➡ https://open.spotify.com/album/37KlzjSTrsjai1w1hfzsdV 2017年のフジロックのベストアクトはトロンボーン・ショーティーでした。 いやー、ここまで楽しいとは思わなかった。世界中のフェスで引っ張りだこなのも納得。 トロンボーン・ショーティーは、ニューオーリンズ出身のトロンボーン奏者で、彼の音楽はニュ

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Lourenco Rebetez『O Corpo de Dentro』:Disc Review

ロウレンソ・ヘベッチス『O Corpo de Dentro』ロウレンソ・ヘベッチスの音楽を簡単に説明すると、マリア・シュナイダーがやっているようなクラシック~ギル・エヴァンス経由のホーンアンサンブルがありつつ、それと並行してディアンジェロ~ロバート・グラスパーが採用しているようなクエストラヴ~クリス・デイヴ経由のJ・ディラのビートを生演奏のドラムに置き換えたようなサウンド(ちなみに時折ホーンのアンサンブルにロイ・ハーグローヴ~黒田卓也的なネオソウルのフィーリングを仕込んでいる

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Interview Thundercat - サンダーキャット・オフィシャル・インタビュー Talks about 『Drunk』《Jazz The New Chapter for Web》

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Becca Stevens:ベッカ・スティーブンス『Regina』 - 声を重ねることで生み出した新たなテクスチャーと響き

僕がベッカ・スティーブンスという人の魅力に気付いたのは『Weightless』というアルバムがきっかけだった。 ベッカ・スティーブンスはロバート・グラスパーと同じNYのニュースクールでジャズを学んだボーカリスト/コンポーザーだが、(狭義の)ジャズに括れるようなアーティストではない。彼女はジャズから得たものを駆使し、ジャズとフォーク/カントリー/インディーロックの間にあるような新たなサウンドを生み出している。JTNCでは彼女の『Weightless』を”『Black Ra

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ジャズミュージシャンが奏でる新たなヒップホップ - コモン<Black America Again>とロバート・グラスパーのピアニズム

何度聴いてもグッとくる。 《政治的な強いメッセージがあるから》ではなくて《音楽がすごく強いし、切実でヒリヒリしていて、同時に非常に美しいから》だと思う。音自体がコンシャスなんだよ。そこでやっぱりロバート・グラスパーのピアノがすごいなと。 その場で最も適切なフィーリングを当たり前のように奏でるって実はとんでもなくスゲーことだよなと思うし、ここに(=今、2016年のアメリカに)必要なピアノは過去のレコードからは抜いてこれないよなとも思う。今の感情は、昔の公民権運動のころの

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挾間美帆 plus 十 “The Maiden Voyage Suite”を観てきた

挾間美帆 “The Maiden Voyage Suite”を観てきました。 挾間美帆はNYで活動しているジャズ作曲家で、近年僕が最も注目している音楽家の一人です。海外でも高い評価を受けている方です。挾間美帆については以下の2つの記事を参照ください。 ➡挾間美帆 ジャズ・オーケストラの最先端を切り拓く作曲家に柳樂光隆が迫るロング・インタヴュー ➡ 挾間美帆、米・ダウンビート誌「ジャズの未来を担う25人」に選出 USジャズの権威でもある『ダウンビート』でもこれまでの

「00年代以前のクラブジャズ」と「00年以降の現代ジャズ」の違い

※クラブジャズについては以下のリアルタイムの00年代に書かれた記事も参照してみください。 ※記事が面白かったら投げ銭もしくはサポートをお願いします。 あなたのドネーションがこのnoteの次の記事を作る予算になります。 ■クラブジャズは?現代ジャズとは?すごくざっくり説明すると、 ◎クラブジャズ…「踊らせること」「クラブでDJによってプレイされること」を目的として作られた《ダンスミュージック》 ◎現代ジャズ…「ヒップホップやテクノに影響を受けているけど、踊らせることや、

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バークリー音楽院という<場所>:リオネール・ルエケが言っていたこと

先日、リオネール・ルエケにインタビューした時に彼が言ってたこと。

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