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柳樂光隆の音楽評論

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柳樂光隆が書いた音楽に関する論考的なものを中心に。ここだけに公開するインタビューもあります。
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2020年8月の記事一覧

NYのジャズ・シーンで愛されている川上浩平という日本人とオフィス・ズーのこと

僕は『Jazz The New Chapter』という本を2014年からだいたい年に一冊ペースで出している。2020年に『Jazz The New Chapter 6』を発売したので、現在6冊。今は7冊目を制作中だ。 内容はというと21世紀以降のジャズをまとめたもの。2000年代にジャズの世界から出てきて、ジャズの枠を超えて活躍しているロバート・グラスパーをはじめ、カマシ・ワシントン、サンダーキャット、ホセ・ジェイムスなどなど、2000年以降に出てきたジャズ・ミュージシャン

¥250

"連載:平成とジャズ"まとめ - 1989年以降のジャズ/クラブジャズ/ジャムバンドなど

otocotoの連載の中で続けてたシリーズです。 クラブジャズやレアグルーヴなどのDJ経由でのジャズが席巻していたのが1990~2000年代の状況で、それらはもちろんヒップホップやクラブ系の媒体が主に取り上げていて、ヒップホップやクラブ系のライターがヒップホップやクラブ系の文脈でテキストを書いていました。 それらを改めてジャズの視点で捉え直して、整理し直しながら、ジャズ評論の文脈でテキストを書いてみようと思って始めた実験的な連載でした。 アシッドジャズやフューチャージャ

PLAYLIST:Chilly Jazz for Summer Days - 真夏のためのジャズ

クソ暑い夏の日に聴きたくなる"流れてるとひんやりしてくる気がするジャズ"を集めたプレイリストを作りました。 何もする気がしない日にクーラーの効いた部屋でゴロゴロしながら聴いてください。 トップ画像はカフェ・ミヤマで食ったラムネのクリーム・ソーダです。 ちなみにこのプレイリストはTOKYO FMの番組THE TRADの選曲用のリストです。映画「真夏の夜のジャズ」について話すためのものでした。 ここからは少し雑感。 最も紹介したかったのはジミー・ジェフリーのこれでした。

¥100

いーぐるオンライントークセッション(1) 「2020年代前半のジャズ・シーンを振り返る〜コロナの世界のジャズは今」

東京四谷のジャズ喫茶「いーぐる」で開催されたイベントの動画、音声、かかった曲のプレイリストなどを紹介する「いーぐるオンライントークセッション」第一回です。 今回は2020年7月18日(土)午後3時30分から開催された、後藤雅洋(いーぐる店主・ジャズ評論家)〜柳樂光隆(ジャズ評論家)〜村井康司(ジャズ評論家)によるトーク「2020年代前半のジャズ・シーンを振り返る〜コロナの世界のジャズは今」の動画と、そのときに3人が選んだ曲のプレイリストを紹介します。 なお、このページは有

¥500

Interview 黒田卓也『Fly Moon Die Soon』:デモしか作れないと思っていたけど、ついにメイン・プロダクションもそこまでのレベルにきた。その答えになっている。

黒田卓也は2014年の『Rising Son』の時に作曲のプロセスについて、まずデモ音源を作って、それを元にバンドに演奏してもらうと語っていた。2016年の『ZIGZAGGER』ではデモの精度が上がったことがアルバムのクオリティに貢献していると語ってくれた。 この2020年の『Fly Moon Die Soon』ではデモではなく、その自らがプログラミングで作ったビートを音源に採用し、バンドでの録音にこだわらず、自身のビートを軸にアルバムを作り込んだ。すべての楽曲にバンドメン

¥250