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review is a diary

新譜のディスク・レビューのような感じで音楽に関するテキストを書きます。最低週1本くらいのペースで更新していけたらと思っています。noteにインタビューを沢山公開した月は更新少ない…
ディスク・レビューのような感じで音楽に関するテキストを書いてます。更新は最低週一回。長いものはほぼ…
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#インタビュー

Jazz The New Chapterオススメ来日公演リスト 2024 - 2025年

Jazz The New Chapter読者にお勧めの来日公演です。 好きなアーティストの来日がある方、気になる来日を見つけた方、ぜひSNSでシェアしていただけると嬉しいです。 ■2024年11月◉ジュリアン・ラージ  10/30 クラブクアトロ大阪  11/1 ブルーノート東京  11/2 高崎芸術劇場  11/3 墨田トリフォニーホール ◉エスペランサ・スポルディング  10/30 ビルボード大阪  11/1 ビルボード横浜  11/3 ビルボード東京 ◉FE

Interview - 挾間美帆が語るセロニアス・モンクと『THE MONK : LIVE AT BIMHUIS』

2017年はセロニアス・モンクの生誕100年の年だった。挾間美帆はその記念すべき年にオランダが誇る世界屈指のオーケストラ メトロポール・オーケストラとともにモンクをトリビュートするライブを行った。その模様は『ザ・モンク:ライヴ・アット・ビムハウス』に収録されている。ビッグバンドによるセロニアス・モンク作品集としては、新たな傑作が生まれたと思う。 このプロジェクトの話を知ってから、タイミングが合ったら挾間美帆にモンクの話を聞きたいなとずっと思っていた。たまたま僕も『100年の

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interview Ambrose Akinmusire:自分自身のブルース、2020年代のブルース

2010年代後半に入ってから、アンブローズ・アキンムシーレの影響力を徐々に感じるようになっていた。数多くのインタビューを行う中で実際に名前を出されることも少なくなかったし、若手の作品を聴いたときにそのサウンドから感じることも何度もあった。日本のジャズミュージシャンと話していても彼の名前が出ることがあった。いつしか確信に変わった。 そもそもアンブローズがリリースする作品がいちいちすごかった。2011年の『When the Heart Emerges Glistening』以降

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interview Kurt Rosenwinkel & Shun Ishiwaka 2016:カート・ローゼンウィンケルと石若駿の対話

00年代以降に書かれたジャズ史に関して言えば、21世紀の最重要人物の中にカート・ローゼンウィンケルの名前があるのは当たり前だろう。むしろその名前がなければ、そのジャズ史は疑わしいと思っていい。 ブラッド・メルドーやマーク・ターナー、ジョシュア・レッドマン、ブライアン・ブレイドらと90~00年代に彼らがもたらした革新の大きさは現在のシーンを見てみれば誰の目にも明らかだ。同世代のイーサン・アイヴァーソンや、その下の世代のロバート・グラスパーなど、スモールズやヴァンガードで彼らの

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column is a diary:about Tomeka Reid

今回、トミーカ・リードはいろんなことを話してくれた

interview Tomeka Reid:チェロでジャズを弾くこと、作曲/キュレーション論、AACMについて(1,5000字)

僕がトミーカ・リードに注目し始めたのは彼女が自身のカルテットを結成して作品をリリースし始めたころだった。トミーカのチェロとメアリー・ハルヴァーソンのギターをフロントに、ジェイソン・レブキのベースとトマ・フジワラのドラムがリズムセクションを担うこのグループはそれぞれの演奏者の演奏は言うまでもないが、同時に楽曲の素晴らしさがこのグループを特別なものにしていた。 個々の演奏を最大限に反映する作りになっていて、それぞれの演奏のキャラクターがそのまま楽曲の個性に繋がっているのだが、特

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interview KEYON HARROLD"Foreverland":シンプルなものを作ろうとすればプロセスは複雑になる(7,500字)

ネオソウルが好きな人なら、ディアンジェロの来日公演でロイ・ハーグローヴの後任として演奏していたトランペット奏者を覚えている人も少なくないだろう。そのポジションはキーヨン・ハロルドの立ち位置をわかりやすく示している。ディアンジェロのみならずマックスウェルやビヨンセ、PJモートン、コモンなど、多くのアーティストがキーヨンを起用してきたからだ。彼はロバート・グラスパー世代のトップ・トランペット奏者として、R&Bやヒップホップを彩るホーンセクションの一角を担ってきた。 また彼はロイ

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short interview Mary Halvorson:about Tomeka Reid for Tomeka Reid Japan Tour 2024

AACMに所属し、シカゴを拠点に活動するチェロ奏者トミーカ・リードが遂に来日し、ツアーを行います。 しかも、現代ジャズギターの奇才メアリー・ハルヴォーソンを含む、彼女のカルテットでの来日です。 今回、来日に際してメアリー・ハルヴォーソンとトミーカ・リードにそれぞれインタビューを行いました。インタビューの公開に先立って、メアリー・ハルヴォーソンからトミーカ・リードについていくつかの質問に答えてもらいました。ツアーへの期待が膨らむ皆様に向けて、そちらを先に公開します。 取材

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interview Jun Iida - Evergreen:日系アメリカ人トランぺッターとNujabesとの出会い(2,900字)

新譜をチェックしていたら、このアートワークが目に飛び込んできた。 和服の若者がトランペットを持っている写真なのだが、なんとなく写真の感じも含めて日本で作ったアートワークじゃない予感がした。そこで、はっと思い出した。「あ、この人、会ったことあるな…」 僕はイイダ・ジュンさんと東京で会っていた。オーブリー・ジョンソンというジャズ・ヴォーカリストが日本に来た時に彼女たちと食事をしたのだが、その時に彼女の友人のひとりとしてその場にいたのがイイダさんだった。 普通に「はじめまして

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interview Taylor Eigsti:『Daylight At Midnight』からグラミー受賞、『Plot Armor』まで

21世紀以降のジャズを振り返って、特に印象的なアルバムをリストアップしていくとしたらテイラー・アイグスティ『Daylight At Midnight』は必ず入るだろう。 ルーファス・ウェインライト、ニック・ドレイク、エリオット・スミス、イモジェン・ヒープ、コールドプレイ、ミュートマスのカヴァーを含むこのアルバムにはジャズがより自由になり、どんどんハイブリッドになっていった2010年代のムードが完ぺきに収められている。ブラッド・メルドーがレディオヘッドやニック・ドレイクをピア

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interview AMARO FREITAS"Y'Y":先住民族について話し、それをポリリズムを使って表現することは私の使命

2023年のFESTIVAL FRUEZINHOでの来日公演で多くのリスナーを驚かせたアマーロ・フレイタス。あの日のパフォーマンスはこれまでアマーロのアルバムを聴いてきた人にとってはそれなりに驚きのあるものだったのではなかろうか。いくつかの曲で彼はプリペアドピアノを駆使して、自身の音をループさせ、時にピアノを打楽器のように使いビートを組み立て、時にピアノから神秘的な響きを鳴らし、不思議な世界を作り上げていた。今思えばあれは2024年の新作『Y’Y』のサウンドを先出ししたような

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《インタビューを受ける側のためのインタビュー講座》を始める理由:柳樂光隆

今、大学で音楽を学ぶみなさんは将来、ライブをするようになったり、作品をリリースするようになることがあるかもしれません。その時にプロモーションが必要になることがあると思います。 自分のInstagramやTikTok、TwitterなどのSNSアカウント、もしくは他の誰かのSNSでプロモーションをすることもあるでしょう。メディアが持っているWebサイトやメディアのYouTube、もしくは雑誌や新聞、ラジオを使うこともあるかもしれません。その際は誰かと対談をしたり、インタビュー

interview säje:今のジャズに必要な4人の女性作編曲家による"声"の音楽

サラ・ガザレクを中心に4人の実力派のヴォーカリストにより結成されたセージュは2023年のグラミー賞「Best Arrangement, Instruments and Vocals」にノミネートされた。対象になった「In The Wee Small Hours of the Morning (feat. Jacob Collier)」はゲストとして参加したジェイコブ・コリア―も含めて、5人全員がアレンジにクレジットされている。 サラ・ガザレク、エリン・ベントレイジ、アマンダ

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interview EDITION records DAVE STAPLETON:USグラミー賞、UKマーキュリー・プライズに食い込む新興レーベルの全貌

2010年代以降、最も成長したジャズ・レーベルのひとつにUKのEdition recordsをあげることに異論はないだろう。 2023年のグラミー賞のジャズ部門ではEditionからカート・エリング、グレッチェン・パーラト&リオネル・ルエケ、ベン・ウェンデルがノミネートさていた。USのトップ・プレイヤーたちがこぞって契約をしはじめているEditionは今やグラミー賞のジャズ部門の主要部門の受賞も時間の問題になっている。 日本では挾間美帆の2作品『Imaginary Vis

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