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review is a diary

新譜のディスク・レビューのような感じで音楽に関するテキストを書きます。最低週1本くらいのペースで更新していけたらと思っています。noteにインタビューを沢山公開した月は更新少ない… もっと読む
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#ブラジル

Jazz The New Chapterオススメ来日公演リスト 2024 - 2025年

Jazz The New Chapter読者にお勧めの来日公演です。 好きなアーティストの来日がある方、気になる来日を見つけた方、ぜひSNSでシェアしていただけると嬉しいです。 ■2024年11月◉FESTIVAL de FRUE 2024  11/2 - 11/3 つま恋リゾート 彩の郷 ◉トム・ヨーク  11/12 - 11/13 グランキューブ大阪 メインホール  11/18 福岡サンパレス  11/19 広島文化学園HBGホール  11/21 愛知 名古屋国

interview Jasmin Godoy:クルビ・ダ・エスキーナと現代ジャズが融合した傑作『Show Me The Way』(8,000字)

2023年、ジャスミン・ゴドイというアーティストの音源が送られてきた。それは聴いた瞬間引き込まれるような素晴らしい内容だった。ブラジルの音楽、特にミナスの音楽の要素はある。だが、それだけでなく、2010年代以降、グローバルに同時進行で進化し、流布していった現代のジャズとその周辺の要素もある。2010年代以降、ミナスのコミュニティからはアントニオ・ロウレイロらが出てきて、2010年代末、ブラジル北東部のペルナンブーコからアマーロ・フレイタスが出てきた。ブラジル人たちがどんどんオ

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interview AMARO FREITAS"Y'Y":先住民族について話し、それをポリリズムを使って表現することは私の使命(12,000字)※2024/06/13 追記

2023年のFESTIVAL FRUEZINHOでの来日公演で多くのリスナーを驚かせたアマーロ・フレイタス。あの日のパフォーマンスはこれまでアマーロのアルバムを聴いてきた人にとってはそれなりに驚きのあるものだったのではなかろうか。いくつかの曲で彼はプリペアドピアノを駆使して、自身の音をループさせ、時にピアノを打楽器のように使いビートを組み立て、時にピアノから神秘的な響きを鳴らし、不思議な世界を作り上げていた。今思えばあれは2024年の新作『Y’Y』のサウンドを先出ししたような

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interview Lourenco Rebetez:レチエレスの音楽ではオーケストラの中でリズムが爆発するように多くの音と交わる

僕がブラジルの音楽の中でもアフロブラジレイロの音楽へ関心を強く持ったきっかけは、2016年にロウレンソ・ヘベッチスという作曲家でギタリストが発表したアルバム『O Corpo de Dentro』だった。 ギタリストとしてはカート・ローゼンウィンケル以降の現代ジャズのスタイルもあれば、アイザイア・シャーキー的なネオソウルのギターも聴こえていた。つまり、2010年代におけるギタリストの必修科目と言えるスタイルを兼ね備えていると感じられた。また作曲の面ではギター・カルテットを核に

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2023 023:アマーロ・フレイタスを観た(3,600字)

立川ステージガーデンと渋谷WWWで行われたFruezinhoで観たアマーロ・フレイタスが素晴らしかった。

Interview Xenia França:アフロブラジレイロとしての誇り、ステレオタイプからの超克を込めたスピリチュアルな傑作を語る

シェニア・フランサの1作目『Xenia』は鮮烈だった。ロバート・グラスパーやホセ・ジェイムズに端を発し、そこに追随するかのようにハイエイタス・カイヨーテやジ・インターネット、ムーンチャイルドらがジャズ×ネオソウルの再解釈を行っていた2010年代。ブラジルの北東部、アフリカ系ブラジル人=アフロブラジレイロの人口がブラジルで最も多く、その文化の中にもアフリカ系の影響が色濃く残っているバイーア州に生まれたシェニア・フランサは、そんなジャズ×ネオソウルの流れにアフロブラジレイロの音楽

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interview SYLVIO FRAGA:現代アフロブラジレイロ・ジャズの気鋭レーベルを率いる奇才が語るホシナンチとレチエレス

これまで歴史は欧米の白人中心の視点や価値観で書かれてきた。それをアフリカ系やアジア系も含めたあらゆる人々の視点も考慮した上で、再び編み直そうという試みが世界中で増えていることは多くの人が感じていることだろう。それは音楽においてもかなり顕著で、過小評価されてきたり、失われていたヘリテージ(文化遺産)の価値を引き上げ、ふさわしい評価を与えようとする流れは年を追うごとに強まっている。アメリカの状況を追っていると、アフリカ系アメリカ人によるヘリテージの価値を見直す動きは日々行われてい

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interview JOSE ARIMATEA - Brejo Das Almas:バイーア×モーダルの新たなアフロブラジレイロ・ジャズ

ブラジルのリオデジャネイロにあるホシナンチは今、最も面白いレーベルのひとつだと思う。 ホシナンチはシンガー・ソングライターでギタリスト、詩人で作家でもあるシルヴィオ・フラーガが2010年代に設立し、運営している新しいレーベルだ。リオに構えた自身のスタジオを拠点に、レーベル独自のサウンドを追求している。様々な作品をリリースしているが、レーベルのイメージを大きく高めたのは2019年から始まったレチエレス・レイチ関連作のリリースだろう。シルヴィオとレチエレス・レイチのコラボによる

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2022 39:オーブリー・ジョンソン & ランディ・イングラム - Play Standards

Aubrey Johnson & Randy Ingram – Play Favoritesが素晴らしい。 オーブリー・ジョンソンに関してはインタビューも面白いので、ぜひそれを合わせて読んでもらいのだが、ここでは来日公演を観た後に改めてアルバムを聴いて思ったことを書いてみたい。

2022 032:マルセロ・ガルテル - Bacia do Cobre

マルセロ・ガルテルのデビュー作は近年のブラジルのジャズの面白さが詰まっているアルバムでした。 以下、インタビューもぜひ参照してください。 個人的に面白いと思ったポイントは二つ。

2022 013:レチエレス・レイチ & オルケストラ・フンピレズ - Moacir de Todos os Santos

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2022 008:フローラ・プリム - If You Will

フローラ・プリムと言えば、ブラジル出身のヴォーカリストで、チック・コリアとのリターン・トゥ・フォエバーのメンバー。カモメのジャケでお馴染みの1972年の名盤に収録された「La Fiesta」が名曲になったのはフローラのヴォーカルがあったからに違いありません。 そのフローラが2022年に新作『If You Will』をリリースしました。 タイトルトラックはジョージ・デュークが2000年にリリースした『Cool』に収録されていた曲で、フローラは客演で歌っていました。 これが

2022 007:ライアン・ケバリー - Sonhos da Esquina

ライアン・ケバリーと言えば、マリア・シュナイダー・オーケストラのメンバーとしてお馴染みのトロンボーン奏者。 他にはカミラ・メザとやっているハイブリッドなサウンドのプロジェクトの“Catharsis”だったり、 ピアニストのフランク・ヴェステとのクラシック音楽をジャズミュージシャン2人×チェロで演奏する”Reverso” など、興味深い作品を発表し続けていて、ダウンビート誌の批評家投票では常に上位だったりと、大ヒットするような作品はないもののきちんと高い評価をされている。