マガジンのカバー画像

review is a diary

新譜のディスク・レビューのような感じで音楽に関するテキストを書きます。最低週1本くらいのペースで更新していけたらと思っています。noteにインタビューを沢山公開した月は更新少ない… もっと読む
ディスク・レビューのような感じで音楽に関するテキストを書いてます。更新は最低週一回。長いものはほぼ… もっと詳しく
¥300 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

2022年9月の記事一覧

2022 036:ベス・オートン - Weather Alive

イギリスのシンガー・ソング・ライターのベス・オートンと言えば、我々の世代にとっても特別な存在だ。1999年のこれなんて大学生の時にさんざん聴いたし ポストロックやら音響派やらが好きだったころの2006年のこれはジム・オルークがプロデュースしていて、レコ屋で働いていた頃によく店でかけていた。 そのベス・オートンの新作が出たのだが、これがあまりに素晴らしい。今年の作品の中でも特に印象に残るアルバムになりそうだ。 このアルバムに至るまでの話のほとんどをベス・オートンはUKのガ

2022 035:マイルス・デイヴィス - The Bootleg Series 7 : That's What Happened 1982-1985

「マイルスは常に再発見され続けている」みたいなことは度々語られる。新しい音楽が出てきたときに、新しいジャズが出てきたときにマイルスが引き合いに出されることは今でもメディアで見かける光景だ。アコースティック・ジャズにおいてはかのセカンド・クインテットが参照され続けている。ラージ・アンサンブルとなればギル・エヴァンスとの一連のコラボレーションがそのルーツとして語られる。エレクトリックなサウンドやポストプロダクションの話になれば、テオ・マセロとの共同作業がインスピレーションになるこ

2022 034:ティグラン・ハマシアン - StandArt

アルメニアの奇才ティグラン・ハマシアンがスタンダードに取り組んだ異色作です。これまでティグランはいわゆるジャズスタンダードをこれまでのキャリアの中でほぼやってこなかったので、とても珍しいんですよね。おそらく過去に録音していたのは『Fable』でやっていた「Someday My Prince Will Come」くらいじゃないでしょうか。 そして、そのためにいつものメンバーではなく、ベースにマット・ブリュワー、ドラムにジャズティン・ブラウンを起用して、完全にコンテンポラリージ

2022 033:秩父英里ラージアンサンブルを観た

ラージアンサンブル好きなもので、秩父英里さんという作曲家・ピアニストのライブを観に行きました。 アルバムを聴いてみたら興味深かったのでライブにも足を運んでみました。 1992年生まれとのことなので、石若駿あたりと同世代ってことですね。

2022 032:マルセロ・ガルテル - Bacia do Cobre

マルセロ・ガルテルのデビュー作は近年のブラジルのジャズの面白さが詰まっているアルバムでした。 以下、インタビューもぜひ参照してください。 個人的に面白いと思ったポイントは二つ。

2022 031:ジェラルド・クレイトン - Bells On Sand

ジェラルド・クレイトンは現代のジャズ・シーンで最も美しいピアノを弾く人。ピアノのポテンシャルを限りなく引き出す人で、そのタッチのバリエーションと表現力の豊かさが圧倒的。『Bells On Sand』はそれを味わうための究極系みたいなアルバムだと思う。演奏される曲のスタイルは様々だが、全編メロディアスでピアノの魅力が全開ですね。