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98歳の挑戦〜美味しいご飯がまだまだ食べたい!!〜         


マルチポテンシャライト 38の職業とボランティアからNo.37歯科クリニック勤務時代のお話です。


当時、私が受付をした歯科の患者さんの最高齢が、
なんと!!98歳の男性の方でした!!


現役の元気な98歳の方に、対面で直接お会いしたのが
初めてな私は、
娘さんに付き添われて来院したその方を、尊敬と感動の眼差しで、心からの敬意を払って対応させて頂きました。


両手に歩行補助のための杖をついているものの。
お耳も遠くなく、お口の滑舌も良く、お言葉がハッキリと聞き取れます。福の神のような穏やかな笑顔が素敵なおじいさまでした。


ご本人曰わく、
「入れ歯が合わなくなってしまった‥
バリバリ食べれなくなったので、
新しい入れ歯を作りたい。‥
お願いします。」


あまりにお元気なので、驚いてしまい。
「すごいですねー。お元気で。」と
話しかけたら、

隣の娘さんが
「私達よりも、元気なんですよ。お魚でもお野菜でも
まだまだバリバリ美味しく食べるんです。‥‥」と
98歳のお父様のこと、たくさん話して下さいました。


聞けば、娘さん家族は近くに住んでいるものの、

💖98歳おひとりで 暮らしているとのこと。


毎日、畑仕事に精を出し、掃除や炊事洗濯まで
やれる範囲で まだまだおひとりでやりながら
生活なさっているのだそう。


💖若い頃から好奇心旺盛で、興味が湧くと何でも挑戦して来たのだそう。
💖98歳の今でも「やりたいことがいっぱいある!!」が
口癖で、毎日、楽しくて仕方ないのだそう。


お金の計算までしっかり出来るそうで、
娘さんやお孫さん達が元気がないと
98歳のおじいちゃんから、いつも励ましてもらうんだとか。


すごい話しを たくさん聞いているうちに
順番になり
98歳の大先輩は 娘さんに支えられて
診察室へ 入っていきました。


「お気をつけて、頑張って下さい。」
と、私が声をかけると
「まだまだ、美味しいご飯を食べたいから、頑張るよ!!」


大先輩は 笑顔で診察室へ進んで行きました。



しばらくして、先生の問診や入れ歯の説明が終わり、
一旦、娘さんだけ待合室へ戻って来られました。


ちょうど予約の患者さんが帰られたばかりで
待合室には その娘さん以外誰もいません。


私は思い切って、
お声をかけさせて頂きました。


なんだかどうしても
お礼の言葉を伝えたくなったのです!!



「今日は元気な人生の大先輩にお会いできて、とても嬉しかったです。98歳の現役の方に人生で初めてお会いして、勇気を頂きました。ありがとうございます❣️」


「いえいえ、そう言って頂くと 父も励みになると思います。私たちも嬉しいです。ありがとうございます。」
娘さんは笑顔で答えて下さいました。


ここまで話して この後、私はいつもと違う行動を取りました。


いつもなら、笑顔で会釈して受付の仕事に戻るのに
なぜか、もう少し話したい気がしたのです。
後ろ髪ひかれました。



私は 娘さんへ 
いつもは 秘めて外部には決して出さない 
胸の中の思いを 静かに打ち明けました。


「私事で恐縮なんですが、
実は、中2の息子が体調を崩して、ずっと学校へ通えず、
通院や食事療法や色々取り組みながら、もう何ヶ月も
自宅療養をしているんです。


バスケットが大好きな元気だった息子は
体調不良が長引いてしまい、 すごく苦しんで。
おまけに学校になかなか行けず、落ち込むこともあるのですが。


今日 お父様が 98歳でひとり暮らしや畑仕事をしていて、まだまだ美味しいご飯が食べたいからと 新しい入れ歯を作りに来た話を
帰宅して伝えます。大きな勇気になりました。
息子や家族にも勇気になります。



息子は13歳なんですが、85歳も上の大大先輩が
新しいことにまだまだ挑戦するのです。
息子にも 希望を持って頑張ろうと話します。」



そこまで伝えた私を 98歳の大先輩の娘さんは
優しく 受け入れて下さいました。
そして、また、たくさん話して下さったのです。



「うちの父は、98歳まで生きてこれましたが。
大変な病気や怪我をいっぱいしていて、
何回も何回も死にかけているんですよー。
もちろん、戦争も経験しています。



苦しいことも、つらいことも たくさんたくさんありました。でも、その度に希望を捨てず、乗り越えてきて
今の98歳の姿なのです。



何度も何度も もうダメだろうと
すごく悪い状況になっても 復活して生きてきました。

人間の底力は とてもすごいてす!!


人生 必ず挽回できます!!


焦らず 希望を捨てないで 下さい。


息子さんに ゆっくり焦らないで
必ず 挽回できるからと 伝えて下さい。」





「ありがとうございます‥‥‥。」


受付の業務中に 泣いてはいけないと
私は涙をこらえるのに必至でした。


けれど 心は正直ですね😉


心からの 力強い温かい励ましの言葉が
胸に響き 優しく染み入り
私の大きな瞳から 熱い感謝が流れ落ちました。


マスクをしていて良かった。
待合室に 他の患者さんがいなくてよかった。

この98歳の父と娘の患者さん親子が
落ち込んでいた 我が家の 温かい希望の光になりました。


人生は 必ず 必要な時に 必要な人や機会に
出会えるようになっていますねー


宇宙は優しいです。

読んで下さってありがとう。
Blue moon


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