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失踪当時の服装は/ヒラリー・ウォー

1950年3月。アメリカのマサチューセッツ州にあるパーカー・カレッジの一年生、ローウェル・ミッチェルが失踪した。彼女は美しく成績優秀な学生で、男性とのうわついた噂もなかった。地元の警察署長フォードが、部下とともに捜索にあたるが、姿を消さねばならない理由も、彼女の行方もまったくつかめない。事故か? 他殺か? 自殺か? 雲をつかむような事件を、地道な聞き込みと鋭い推理・尋問で見事に解き明かしていく。
アメリカ・ミステリ界を代表する巨匠が、捜査の実態をこの上なくリアルに描いた警察小説の里程標的傑作、新訳決定版!

相関図

【感想】
 発行は1950年,警察捜査小説という分野を切り開いた1作だそう。女子学生の失踪事件,わずかな手掛かりを元に証人,証拠をあたっていく。地味な展開にならざるを得ないが,58才のたたき上げ署長と,大学出の若い中堅刑事との冗談ぽいやり取りが入るので退屈はしない。むしろ,このあとはどうなるのか?という興味で引きずられる。特に古さも感じない。基本的な捜査の仕方は変わってはいないのだろう。
 英国,アメリカ推理作家協会『史上最高のミステリー小説100冊』の両方に選出されている。おもしろいと思う。

まぁ,相関図に見られるように片っ端から人にあたり,証拠を地道に追っていくという。作者も手抜きせずにていねいに書いている。やっぱり古典はいいなぁ。


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