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118 校内研修のときに本当は話したかったけど、時間がなくて話せたのは1割くらいだった。

2014年11月
道外研修のお金を使って、1日授業参観をさせてもらいました。クラス会議という円になってみんなで会議をし、自治的集団に育ててていくメソッドを学びに。
そのときに、小学校6年生は修学旅行の話し合いをしていました。子どもたちが修学旅行の自主研修班をどうやって決めるか、について決め方を決める会議をしていました。話し合いが進むにつれて、少しずつ雲行きが怪しくなり、とある女の子が泣き出してしまったんです。きっと自分の希望が通らなかったんだと思います。
そのとき、僕はこう思いました。
失敗があっていいんだなって。この日を境にして、まだまだ未熟な僕はたくさん失敗しながら進んでいこう、と思えました。逡巡や葛藤、悩みや苦しみ、残念な出来事は、書籍の原稿には載りません。けれど、そういう泥臭い奮闘にこそ、学びがあるのではないでしょうか。

2009年3月
初任校2年目の話です。
校長面談で、僕がはじめて研修部になることが決まり、次年度のことでどうしたら良いのか何にも分からなくて、勇気を出して面識もない校内研修に詳しい先生に突然電話しました。
電話をしたのは9時頃でした。校内研修に詳しい先生の第一声は「今日は10時から高校入試の合格発表があルカら暇ではないけれど」と言いました。自分のことでいっぱいいっぱいだった僕は、そんな大事な日だったとは知らず、とても焦りましたが、5秒くらいの沈黙の後に「合格発表までは少し時間があるから、それまでなら話を聞くよ」と言ってくれて、面識のない僕の話を切々と聞いてくれました。
僕が置かれている状況、僕の今抱いている感情を拾ってくれた、そのことに対する恩返しというか、その恩を大事にしたいと思ったからこそ、そこから校内研修をはじめたくさんのことを学ぼうと思う原動力になりました。

皆さんには、こういう成長するためのきっかけ、変わろうと思うきっかけになったことはありますか??それはどんな時でしたか?

(ペアトークTIME)

僕はそれを自然発生的に偶然出会うのではなく、校内研修の時間で、そういう変わるきっかけや何かの原動力をもらえたらいいのにな、と考えています。

そういう気持ちを、みなさんにお配りした校内研修の進め方に込めました。職員室と教室はつながっています。僕は校長先生はたくさん話を聞いてくれている。関心を向けてもらえている、と感じています。しかも、僕だけではなく、職員みんなにも同じように。一人一人の話をめちゃくちゃ丁寧に話を聞いている、と感じています。そういう環境に自分が置かれているからこそ、「今日は子どもたちの声をちゃんと聴こう」と思えた、その日は変われたと思おうんです。そうじゃない時代もありましたよね。笑  皆さんはどうですか?

3月、校長先生と面談したときに「4年目で異動する選択肢もあったのに、どうして残ったの?」と聞かれ、その理由を忘れていて、その時はすぐに答えられなかったのですが、よくよく考えるとA先生のそばで、その仕事ぶりを見たい。僕にはない気遣いと優しさがある。マネジメント能力がある。そういうのをかじりつきたい、と思ったからでした。またB先生との出会いも、僕にとっては衝撃でした。ICTに長けていて、僕は知らない世界を知っていて、今から僕が勉強しても追いつけないくらいのものを持っている。ちゃんと20代で一芸を身につけた人間は、すごいなとリスペクトしています。僕が最近うまく距離感が取れない生徒と一番仲良くできているのを見るたびに、自分自身はどうすればいいのだろうか、と反省させられます。
C先生もD先生も「子どもとの距離感」の縮め方、子どもとのストロークを稼ぎ方が上手で、35歳〜40歳は子どもとの距離感が難しくなる、と言われる時期に突入した僕にとって、いろいろな生徒との接し方がとても参考になっています。

E先生が「できない」って職員室の真ん中で言って、それをサポートする皆さんのお話を、僕は席が近くだから聞いているのが、昨年度はとても勉強になりました。E先生の悩みを解決するには、どうしてあげたらいいんだろう、と考えること自体がそのまま僕の成長へとつながっていました。


現行の学習指導要領のキーワードに「社会に開かれた教育課程」がありますが、上智大学の澤田稔さんにお話を聞いたところ「社会に開かれた」というのは「その授業は、ウェルビーイングにつながっているのか」というを考えようぜ、ということらしいです。
子どもの学習についてと同じように、僕ら教師の学びについてもそろそろ自分たちの学び方に関心を向ける時期に差し掛かっているのではないでしょうか。どう学べば、成長しようと思うのか、変わろうと思えるのか。それは、研修担当者が何か難しいことを切々と語る校内研修なのでしょうか。毎日嫌味を言われたり、お説教を言われたりする校内研修なのでしょうか。
そう考えていったときに、皆さんと今年度取り組んでいきたいことが、これらになります。