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185 僕よりも年上の先生だって、部活動など暇がなく十分な研修を受けて来れなかったはず

定期購読するようになって、もう何年経つだろうか。
世間知らずの僕に、社会の見えにくいあれこれを教えてくれる貴重な情報源がこの雑誌。

先日の朝読書で、石川晋さんの論考を読みました。

(引用開始)
若い担任は大変だ。めあてとまとめを授業で必ず示すことが求められ(ぼくはそれら全部を否定しているわけでもないが)、学力競争と落ち着きだけを求められる教室づくり競争に晒され……。彼らが授業作りに余裕を持って臨める機会などどこにもない。楽しい授業なんて作る余裕がない。授業を楽しくする方法を学ぶ余裕もない。そして何より彼らの窮状に感情にも誰かが寄り添う場面がほぼない、こんなに頑張っているのにケアされる場面が全くない……胸が痛くなる。
(引用終了)

僕がこれまで見てきた学校は、石川晋さんが言うような状態とほとんど変わらない。今もそう。こう言う現状を、少しでも変えたいのに変えられずにもどかしい日々を過ごしている。
たとえば、この石川晋さんの文章を記載して研修通信を発行しようとすると、黄色信号が灯され、みんなと共有できないのは、これまで何度も経験しているから分かっている。けれども、現状はこうなっているわけで、こうなっていることをちゃんと目を背けずに受け止めないとスタート地点には立てないはずなのに、いつもストップをかけられてしまう。こういう感情を、どうしたらもっと多くの人と共有できて、一緒に考える仲間になれるんだろうか。僕にとっては、みんなと共有することをずっと挑戦し続けてきた教員人生だったと思う。
こういう現状があるのに「校内研修はICTの使い方です」は、僕は賛成できない。若手教員だけじゃなく、僕よりも年上の先生だって、部活動など暇がなく十分な研修を受けて来れなかったはずだ。だから、若手じゃなくたって置かれている状況はそんなに変わらないはずだ、と僕は思う。
どうしたら、学校はこういう現状にある、ということをみんなと共有していけるんだろうか。これからも考えていきたい。