連珠の上達方法について② 理論編前編

連珠が強い人は何ができているのか。連珠に限らず、この手のゲームでの思考プロセスは大体が「①現局面の状態を把握する②把握した状態に即した候補を探す③探した候補を比較して最適な手を選ぶ」となると思っている。(当り前の話ではあるが)連珠が強い人は①②③とも高い精度で行うことができる。強い人はどのようにして高い精度で行っているのか、一つずつ考えていこうと思う。

「①現局面の状態を把握する」
状態というのは「四」「三、ミセ手、フクミ手」「呼珠」「その他」を指す。例えば、自分が「四」の状態で自分の手番であれば「五」を作って勝ちであるし、自分が「三」の状態で相手に「四」のある状態で自分の手番であれば相手の「四」を防がなければならないので、自分と相手、双方の「状態を把握する」というのは連珠において必須だ。「四」や「三」であれば状態を把握することができるという人は多くとも、「ミセ手、フクミ手」を「三」と同じように把握できる人は少ない。連珠が強い人は「四」「三、ミセ手、フクミ手」を速やかに同じように認識し把握することができる。この認識能力を上げるためには四追い問題を解きまくるのが次善、四追い問題を作成するのが最善だと考えている。
さて、同じ理屈で「呼珠」(=相手が放置すれば次に自分に追い詰めが残る)と「その他」(=相手が放置しても次に自分に追い詰めが残らない)を区別することも必須なのだが、これは連珠高段者クラスであってもかなり難しい。連珠初心者に至ってはここの区別はほぼ不可能だろう。これを正確に区別するためには読みの深さと広さと精度が重要になるが、これはかなり地道な努力で追い詰め問題をたくさん解いて詰み形の感覚を掴んでいくしかない。連珠高段者でも正確に区別することは難しいので焦る必要は無い。五目クエストのような短い持ち時間の戦いでは、珠の配置パターンを見て、読みを使わずに自らの経験や感覚から推定して「(推定)呼珠」として判断することがままある。
この局面の把握ができていないと、いわゆる見落しで決着する連珠となってしまう。

「②把握した状態に即した候補を探す」
大前提として自分の状態が相手の状態と同等以上でかつ「呼珠」以上で自分の手番が来れば勝ちである。例えば自分が「四」で相手も「四」で自分の手番なら勝てるし、自分が「呼珠」で相手も「呼珠」で自分の手番でも勝ちである。当り前のことだがこれはとても大事なことである。つまり決着がわからない局面というのは常に自分の状態が相手の状態よりも悪くて自分に手番が来ているか、お互いに何も無い場面で自分に手番が来ているかということになる。
この続きは明日書きます。

 

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