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平成24年度 理論科目 問1 電験3種過去問


問題

出典:平成24年度第三種電気主任技術者理論科目A問題問1

考え方

この問題は、どちらもコンデンサの並列接続である。そのため、各コンデンサの両端の電圧が等しくなるように電荷の移動が行われる。
問題文の図1は、同極性での接続、問題文の図2は、異極性での接続になる。

解答例

問題文の図1において、コンデンサ$${C_{1}}$$と$${C_{2}}$$のスイッチを閉じる前の電圧は、それぞれ、

$$
\begin{align}
V_{C1} &= \frac{2\times 10^{-6}}{4\times 10^{-6}} = 0.5\, {\rm{V}}\tag{1}\\
V_{C2} &= \frac{4\times 10^{-6}}{2\times 10^{-6}} = 2\, {\rm{V}}\tag{2}\\
\end{align}
$$

である。それぞれ電圧の差があるため、スイッチを閉じると電荷の移動が起こる。
スイッチを閉じた時の合成静電容量$${C_{0}}$$は、

$$
C_{0}=4\times 10^{-6}+2\times 10^{-6}=6\,{\rm{μF}}\tag{3}
$$

となる。電荷の総量$${Q_{0}}$$は、スイッチを閉じる前後で変化しないので、$${6\,{\rm{μC}}}$$である。よって、コンデンサの両端の電圧$${V_{1}}$$は、

$$
V_{1}=\frac{Q_{0}}{C_{0}}=\frac{6\times 10^{-6}}{6\times 10^{-6}}=1\,{\rm{V}}\tag{4}
$$

と求まる。
次に図2においても同様に計算するが、$${C_{2}}$$の電荷は、$${C_{1}}$$と極性が異なるので、マイナスとして扱う。
よって、電荷の総量は、

$$
{Q_{0}}^{\prime}=-4\times 10^{-6}+2\times 10^{-6}=-2\,{\rm{μC}}\tag{5}
$$

となる。コンデンサの両端電圧$${V_{2}}$$は、

$$
V_{2}=\frac{{Q_{0}}^{\prime}}{C_{0}}=\frac{-2\times 10^{-6}}{6\times 10^{-6}}=-\frac{1}{3}\,{\rm{V}}\tag{6}
$$

と求まる。
よって、電圧比は、

$$
\left|\frac{V_{1}}{V_{2}}\right|=\left|\frac{1}{-\frac{1}{3}}\right|=3\tag{7}
$$

と求まる。よって、答えは、(3)である。

サイト

https://sites.google.com/view/elemagscience/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

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