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平成28年度 機械科目 問1 電験3種過去問


問題

出典:平成28年度第三種電気主任技術者機械科目A問題問1

考え方

この問題は、分巻電動機の等価回路を書いて、各条件を整理する。回転速度は誘導起電力(逆起電力)との関係から求める。
誘導起電力$${E}$$は、

$$
E=K_{g}\Phi N\tag{1}
$$

$${K_{g}}$$:比例係数、$${\Phi}$$:磁束、$${N}$$:回転速度
で求まる。
または、端子電圧$${V}$$、電機子電流$${I_{a}}$$、電機子抵抗$${R_{a}}$$を用いると、問題文で電機子反作用およびブラシによる電圧降下は無視するとしているので、

$$
E = V-R_{a}I_{a}\tag{2}
$$

で求まる。

解答例

図1に初期条件における等価回路を示す。

図1 初期条件の等価回路

図1より誘導起電力(逆起電力)$${E}$$は、式(2)より、

$$
E = 100-50\times 0.2 = 90\,{\rm{V}}\tag{3}
$$

と求まる。
次に、端子電圧を変化させた後、一定値になった時の等価回路を図2に示す。

図2 端子電圧変化後の等価回路

問題文より、電機子電流の最終値は、図1と同じであるため、$${I_{a}=50\,{\rm{A}}}$$となる。
図2における誘導起電力(逆起電力)$${E^{\prime}}$$は、式(2)より、

$$
E^{\prime} = 115-50\times 0.2 = 105\,{\rm{V}}\tag{4}
$$

と求まる。
今、問題文より界磁電流は端子電圧が$${100\,{\rm{V}}}$$の時と同じなので、式(1)より、回転速度$${N^{\prime}}$$は、誘導起電力 (逆起電力)に比例する。よって、

$$
\begin{align}
N:N^{\prime} &= E:E^{\prime}\notag\\
N^{\prime} &= \frac{E^{\prime}}{E}N\notag\\
&= \frac{105}{90}\times 1500\notag\\
&= 1750 \,{\rm{min^{-1}}}\tag{5}
\end{align}
$$

と求まる。
答えは(4)となる。

サイト

https://sites.google.com/view/elemagscience/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

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