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令和2年度 機械科目 問2 電験3種過去問


問題

出典:令和2年度第三種電気主任技術者機械科目A問題問2

考え方

この問題は、永久磁石を用いているため、直流他励発電機として考えることができる。回転軸を固定して測定しているのは、電機子巻線の抵抗である。回転軸が回転していないので、この時の誘導起電力は$${0\,{\rm{V}}}$$である。次に電機子回路を解放した状態は、通常の発電機動作である。
損失は電機子巻線の銅損のみを考慮しているため、電機子巻線の抵抗を求めていく必要がある。
基本的には、等価回路を書いて考えていく。

解答例

直流他励発電機の等価回路を図1に示す。永久磁石を用いている時は、界磁回路は一定であると考える。

図1 直流他励発電機の等価回路

回転軸を固定して測定している時の回路図は、図2のようになる。この時は、発電機ではなく、電動機として動作することになる。

図2 回転軸固定時の等価回路

図2より、電機子抵抗$${R_{a}}$$は、

$$
R_{a} =\frac{3}{1} = 3 \, {\rm{Ω}}\tag{1}
$$

となる。
次に電機子回路を解放して、定格回転数で運転した時の回路は、図3のようになる。

図3 他励発電機として動作した時の等価回路

定格電流$${I}$$は、問題文より$${1\,{\rm{A}}}$$である。
また、他励発電機なので、電機子電流$${I_{a}}$$と負荷電流$${I}$$は等しい。
よって、定格運転した時の等価回路は、図4のようになる。

図4 定格運転時の等価回路

問題文よりブラシの接触による電圧降下および電機子反作用は無視できるとしている。よって、図4より、端子電圧$${V}$$は、

$$
V = 15 - 3\times 1 = 12 \tag{2}
$$

と求まる。よって、効率$${\eta}$$は、

$$
\eta = \frac{12\times 1}{15\times 1}\times 100 = 80 {\rm{\%}}\tag{3}
$$

と求まる。なお効率の求め方は以下のように計算してもよい。

$$
\eta = \frac{12\times 1}{12\times 1+3\times 1^{2}}\times 100 = 80 {\rm{\%}}\tag{4}
$$

よって、答えは(3)となる。

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等価回路で見る直流電動機
https://note.com/elemag/n/n28872c3b3273?sub_rt=share_pw

サイト

https://sites.google.com/view/elemagscience/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

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