同期ワット
三相誘導電動機のトルク
三相誘導電動機のトルク$${T}$$は、機械的出力$${P_{m}}$$と角速度$${\omega}$$を用いて、
$$
T = \frac{P_{m}}{\omega}\tag{1}
$$
で表される。
この式(1)は、電気的エネルギーと機械的エネルギーの変換式となっている。
同期ワット
機械的出力$${P_{m}}$$と二次入力$${P_{2}}$$の関係はすべり$${s}$$を用いて、
$$
\begin{align}
P_{2}:P_{m}&=1:(1-s)\notag\\
P_{m}&=(1-s)P_{2}\tag{2}
\end{align}
$$
で表すことができる。
すべり$${s}$$は、同期速度$${N_{0}}$$と回転速度$${N}$$を用いて、
$$
s = \frac{N_{0}-N}{N_{0}}\tag{3}
$$
で定義されるので、式(3)より同期速度$${N_{0}}$$と回転速度$${N}$$の関係は、
$$
N = (1-s)N_{0}\tag{4}
$$
となる。角速度$${\omega}$$および同期角速度$${\omega_{0}}$$は、それぞれ
$$
\begin{align}
\omega &= 2\pi \frac{N}{60}\tag{5}\\
\omega_{0} &= 2\pi \frac{N_{0}}{60}\tag{6}\\
\end{align}
$$
で求まるので、式(5)と式(6)を式(4)に代入すれば、
$$
\begin{align}
&\notag\\
\frac{60\omega}{2 \pi} &= (1-s)\frac{60\omega_{0}}{2 \pi}\notag\\
\omega &= (1-s)\omega_{0}\tag{7}
\end{align}
$$
の関係が得られる。
式(2)と式(7)を式(1)に代入すると、
$$
\begin{align}
T &= \frac{P_{m}}{\omega}\notag\\
&= \frac{(1-s)P_{2}}{(1-s)\omega_{0}}\notag\\
&=\frac{P_{2}}{\omega_{0}}\tag{8}
\end{align}
$$
となる。
ここで、式(8)において、$${\omega_{0}}$$は、式(6)より、同期速度$${N_{0}}$$が変化しない場合、
一定となる。同期速度$${N_{0}}$$は、極数$${p}$$と周波数$${f}$$より、
$$
N_{0}=\frac{120f}{p}\tag{9}
$$
で求まる。極数は三相誘導電動機を製造した段階で決まり、極数切替の構造を有していないことがほとんどなので、定数扱いになる。
よって、三相誘導電動機に与えられる周波数が一定ならば、同期速度$${N_{0}}$$は一定であり、同期角速度$${\omega_{0}}$$も一定となる。
したがって、式(8)において、同期角速度$${\omega_{0}}$$が定数扱いになるため、二次入力$${P_{2}}$$によって、トルクを表現することができるようになる。この時の二次入力$${P_{2}}$$を同期ワットという。
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サイト
https://sites.google.com/view/elemagscience/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0
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