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平成26年度 機械科目 問1 電験3種過去問


問題

出典:平成26年度第三種電気主任技術者機械科目A問題問1

考え方

この問題は、直流電動機の分巻と直巻に関する問題である。それぞれ等価回路から、導くことができる。関連記事の等価回路でみる直流電動機で詳しく解説している。

解答例

(ア)、(イ)、(ウ)
直流分巻電動機の回転速度$${N}$$は、関連記事の等価回路でみる直流電動機で見たように、

$$
\begin{align}
N &= \frac{V - R_{a}I_{a}}{K_{g} \Phi} \tag{1}
\end{align}
$$

$${V}$$:端子電圧、$${R_{a}}$$:電機子抵抗、$${I _{a}}$$:電機子電流、
$${K_{g}}$$:比例係数、$${\Phi}$$:1極あたりの磁束
で求めることができる。
電動機の機械的な負荷が増加すると、電動機の出力が増加しないといけないため、負荷電流が大きくなる。分巻の場合は、界磁電流は一定のため、負荷電流の増加分は、電機子電流の増加になる。
これにより、式(1)で電機子電流$${I_{a}}$$が増加すると、回転速度$${N}$$は、低下することが分かる。通常は電機子抵抗$${R_{a}}$$が小さいため、回転速度$${N}$$の低下は小さい。そのため、ほぼ一定になる。
逆の方に考えることもできる。
電動機の機械的な負荷が減少すると、電動機の出力が減少しないといけないため、負荷電流が小さくなる。分巻の場合は、界磁電流は一定のため、負荷電流の減少分は、電機子電流の減少になる。
これにより、式(1)で電機子電流$${I_{a}}$$が減少すると、回転速度$${N}$$は、増加することが分かる。通常は電機子抵抗$${R_{a}}$$が小さいため、回転速度$${N}$$の増加は小さい。そのため、ほぼ一定になる。

(エ)
直流機のトルク$${T}$$は、

$$
T= K_{T} \Phi I_{a}\tag{2}
$$

$${K_{T}}$$:比例係数
で求まる。
分巻の場合は、界磁電流が一定なので、磁束$${\Phi}$$が一定となる。
よって、式(2)より、トルクは電機子電流に比例する。

また、直巻の場合は、界磁電流、負荷電流および電機子電流は同じであるため、界磁磁束は、負荷電流に比例する。

(オ)
直巻の場合は、界磁電流$${I_{f}}$$、負荷電流$${I}$$および電機子電流$${I_{a}}$$は同じであるため、

$$
I = I_{a}=I_{f}\tag{3}
$$

となる。よって、式(2)より、

$$
T= K_{T} \Phi I_{a} \propto I_{f}I_{a} \propto I^{2}\tag{4}
$$

となり、トルクが負荷電流の2乗に比例することが分かる。

まとめると、全てを満たすのは、(4)である。

関連記事

等価回路でみる直流電動機
https://note.com/elemag/n/n28872c3b3273?sub_rt=share_pw

サイト

https://sites.google.com/view/elemagscience/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

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