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110624 所有物を手放す

なんだかロンドンはとても寒くて、こういう6月は確か過去にもあったとはおもうんだが、暖かく青い空の数日後にがつんと気温が下がって空が灰色になると冬がすきなわたしでもぐぬぬとなる。

朝、🍂の家をふたりで出る。
🍂は仕事に、わたしは南の家に帰る。
みんなが乗る朝の電車で、仕事に行かずのんきなのはわたしぐらいかもしれない。
朝は気づかなかったけど、いまおもえば、すごくしあわせなことだ。

帰る自分だけの家があるのもしあわせなことだ。
自分の家がすきなんだが、もうすぐ自分だけの家はなくなる。
あんなに誰かと家族のようになって同居したかったのに、いまはその自分の夢は夢ではなくて、ふつうの現実だ。

処分したかった家具のほとんどはなんとか行き先が決まり、決まっていない子ども用のウォードローブと、ファイリングキャビネットが宙に浮いている。
処分するのにもお金がかかる。
まだ新しいのに。
LoveJunkというマーケットプレイスがあって、そこに投稿するとあっという間に数件の業者が値段を投げかけてきて、£60から£150の範囲で「引き受けます」とメッセージがきた。
B&Qがパートナーでもあるらしいのと、レヴューが高評価なのと、業者は全て認可されたところのみであるのがいい。
でも、売れるであろう物をこっちがお金を払って引き取ってもらうということに、現実を知る。

時間をかけてebayとかgumtree、或いは地域の売買をしているfacebookのグループなんかに売りたいものをアップすれば、数ヶ月あれば売れるだろうとはおもう。
運がよければすぐ売れるかもしれない。
格安で売るつもりだったので、貧困化が進んでいるロンドンだったらすぐ売れるだろう。
でも、自分、今回は短期間でコトを終わらせたかったので、日本人以外とは取引きしたくないというレイシストに豹変、金銭や受け渡しのトラブルを回避したかった、というのが正直なところ。
日本人だっていろんなひとがいるわけだけど、日本語話者で文化が同じだと混乱が少ないような気がする。でも日本人同士だからといってトラブルがないわけではないし、トラブルがないと思い込むのも失礼かもしれない。みんなトラブルぐらいあるだろ、などとおもっているくらいが丁度よい。

そんなこんなで、先ほど引っ越し業者とビデオ通話をして、部屋を見せて見積もりを作ってもらった。
この業者は以前もお願いしたところで、前に引っ越し先としてここの住所を伝えたら電話の向こうから「え、あなたのフラットの隣に住んでいるのはわたしの兄(弟)だよー!」と声の主が驚いた偶然があった。1年住んだけど、そのお兄さんだか弟さんだかには会ったかもしれないけど、話したことはない。

部屋の中のあれこれを見てもらって、ついでに「家具の引き取り手を探しているんだけど」と話したら、彼らが引き取ってくれることになった。とにょさんのtwitterかnoteでそんな事を読んでチラッと思い出したからいってみたんだった。
お金はかかるけど、もうそれでいいことにした。

それで、なんだかモノを巡るシステムについての不思議さが残った。
所有したものはいつか絶対に処分することになる。
労働して買ったものやもらったもの、拾ったものなど。
手放すにあたり、どうするのが一番いいかといえば、やはり誰かに使ってもらうことだろう。
気に入っていたベッドは某日本人女性の元に行くことになった。留学生かな、ワーキングホリデーのひとかな、とおもっていたら、「息子の学校が終わったらふたりで取りに行きます」とのことで、このベッドは息子さんのものになるんだな、よかった、役に立った気がする。

モノを手放すのは買うより大変だと知ったので、買ってモノを溢れ出させてごみを生産するよりも、モノを回すことがいいかもしれないな、というのが今回の発見。

でも、これで、わたし所有の家具はこれだけになった。
なんと身軽なことか!

古いお裁縫道具入れ


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