エレクトーンジョイントコンサート 小池花奈×岩間芽美(2023年7月22日(土)、@ムジカサロン・フォレスタ)

フライヤーより

2023年7月22日(土)、ムジカサロン・フォレスタ(東京・練馬)において『エレクトーンジョイントコンサート 小池花奈×岩間芽美』(主催=ベースオントップ)が開催。

本コンサートは、YouTubeやTikTokにエレクトーンの演奏動画を多数アップし、最近ではリアルのイベントにも多数出演され、高評価と人気を得ている小池花奈さん(以下Kanaさん)と、YouTubeにハイレベルな演奏動画をアップしている音大生の岩間芽美さん(以下Megumiさん)が出演される。

構成は、前半がMegumiさん、後半がKanaさんの約50分ずつのソロセッション。そしてお二人のアンサンブル演奏も実施されるとともに、会場の様子は「ツイキャス」でも配信(有料)される。

会場は石神井公園駅近くの閑静な住宅街の中にある「ムジカサロン・フォレスタ」。ヤマハ エレクトーン STAGEA ELS-02Cが何と2台常設という、知る人ぞ知る音楽スタジオ。ネット情報によれば、スタジオはかりんの木が使用され、音色を美しく響かせてくれる空間とのことだ。

(以下、配信アーカイブを視聴したレポート&感想となります。)


■ 前半の部・Megumiさんソロ

エレクトーン ジョイントコンサートは、ロールプレイングゲームのオープニング曲をイメージしたMegumiさんのオリジナル曲〈Prologueプロローグ〉で開演!壮大なRPGの風景が思い浮かび、まさに新たな旅の物語が始まろうとしている感じで、ゲームのピコピコ音やエスニックな雰囲気が混ざるとともに、後半のギターソロ部分に早くも感動!

挨拶の後は、2021年のエレフェスライブ オンラインでも演奏した、ドビュッシー作曲〈喜びの島〉。流れるような指使い、右足フットスイッチの頻繁な切り替えも見どころ。そして〈クープランの墓〉の演奏と続く。実はこの演奏、2019年の芸術祭で聴いて気になっていたのですが、再び聴けて嬉しかったです!

次はアンデルセンの童話「人魚姫」を題材とし、激動の生涯を音楽に刻んだオリジナル曲〈Spiritus aurae〉。

Megumiさんの演奏は、(個人的には)初めて聴く曲であってもスッと耳に入って来るのが不思議な特徴です。

続いてはスタジオジブリ 魔女の宅急便より〈海の見える街〉。YouTubeにアップされている「久石譲 2008 in 武道館」バージョンの演奏。続いて〈千と千尋の神隠し メドレー〉。どちらの曲も音色が豊かで、非常に聴き心地が良い演奏に感動!

ようやくMegumiさんの緊張が少しほぐれてきた中、①たくさんの曲のソロ演奏は今回初めてで、緊張しっぱなしであること、②憧れのKanaさんからお誘いを頂いて演奏の機会をいただけたことが、とても嬉しかったことなど、今回のコンサートに対する想いを、来場された方を見渡すように語ります。

そして、神様・魂が空を飛び回るという語源から「大空を駆け巡る龍の如く、私も将来に希望を抱いて今後も頑張ってゆきたい」という気持ちを込めて作曲したオリジナル曲〈天翔あまかける〉。優雅でファンタジスティックに大空を駆け巡る様子と希望に満ち溢れた感が伝わってきました!

きっと遠くに旅立ってしまった猫ちゃんも、今回のコンサート出演を喜んで大空を飛び回っていると思いますよ!

早いものでラストの演奏は〈バック・トゥ・ザ・フューチャー〉。映画のシーンが目に浮かぶような、ワクワク・ドキドキ・ハラハラ感の素晴らしい演奏でMegumiさんのソロセッションはあっという間に終了!(全8曲)


■ 後半の部・Kanaさんソロ

白色の衣装に纏って登場したKanaさん。童謡「海」(海は広いな大きいな)からの〈海猿〉テーマ曲の演奏で後半は開演。そして〈アフリカン・シンフォニー〉の演奏へと続く。

その後はあいさつ。夏に演奏したい曲ということで先ほどの選曲となったことや、アフリカン・シンフォニーの「テンポ」の件についてのエピソード(原曲はスロー、甲子園の高校野球応援曲では早めなど、人によって求めるテンポが異なるなど)を語ります。

次は、YouTubeにアップされている各演奏動画の最後に盛り込まれている、ファンタジスティック感溢れるオリジナル曲〈FANTASY〉。2014年にエレクトーン STAGEA ELS-02シリーズが発売された際、従来機種よりもピアノやサックスをはじめ劇的な音色の変化があったことから、それらの楽器の音色を際出せた曲を作りたかったとのことです。

そしてこちらも夏にちなんだ曲でサザンオールスターズより、ゆったりとした〈真夏の果実〉の演奏。演奏が終わると、なにやらエレクトーンを操作してから立ち上がり、会場に手拍子を促しながら、隣のエレクトーンに乗り移り、〈勝手にシンドバッド〉のノリノリの演奏を始めるではありませんか!

また曲の最後の方ではセカンドエクスプレッションペダルをグイグイと踏み込むという、Kanaさんにしては珍しい演奏で会場を盛り上げます。

演奏後に「エレクトーンを2台用意したが、ソロステージでは1台しか使わないので、ドラムパートのみを片方のエレクトーンで自動演奏し、もう片方のエレクトーンで演奏をチャレンジしてみた」と今回の演奏のカラクリをお話しされました。

でも、ドラムパートもレジストデータ頻繁に切り替わっていたのと、演奏側でもカウンターは動いていたので、ちょっとのタイミングミスで演奏は全く成立しないのでは?と思ったのですが、無事成功!凄い!

続いてはいろいろな効果音が混じり、ホリゾンタルタッチも多用するYMOの〈RYDEEN〉。そして4月に亡くなられた坂本龍一さん作曲の〈Aqua〉の演奏に、当方感涙。

そして、Kanaさんの演奏では人気の、誰でも知っている恐怖のメロディーから、静かで流れるように変化してゆく〈オペラ座の怪人 メドレー〉。良く観ると、Angel of Musicの演奏ではフットスイッチが頻繁に切り替わってゆく様子も確認できました。

ここで、今回のコンサート開催の経緯をKanaさんが話されました。「ピアノのコンサートでお世話になっている主催者さんより、エレクトーンのジョイントコンサートも開催したいとのお声がけがあり、東京で活動しているエレクトーン奏者を紹介して欲しいとのことで、お会いしたことはなかったのですが、今回はネットより、音楽のルーツが似ていていると感じたMegumiさんを推薦させていただいた。」とのことです。

(個人的にはSNSを拝見する限り、誕生日以外にも、①YouTube動画ではエレクトーンの左側に座っている人、②アート嗜好、③統一感を大切にする、④視聴者目線、などの共通点があるような気がしています。)

また「自らの様々な音楽活動によって、エレクトーンの魅力を広めていきたい」など、今後の抱負も語りました。

ラストの演奏は、炎を吐くドラゴンをイメージしたオリジナル曲で、テレビドラマの主題曲かのような〈赤龍の舞せきりゅうのまい〉。また、この曲で使われている二胡・アジアの楽器や、今回の衣装に少し触れながら、今後のコンサート開催の可能性を匂わすコメントも頂けました。

ということでKanaさんのソロセッションも終了(全8曲)。


■ アンサンブル・アンコール

そして、最後はKanaさんとMegumiさんのアンサンブル。Kanaさんは配信でよく演奏し、MegumiさんのYouTubeでは人気の〈ジュビレーション!〉。まるでお二人が東京ディズニーランドの上空をワイワイしながら演奏するような感じでした!

お約束のアンコールも、アンサンブルで〈OMENS OF LOVE〉(吹奏楽Ver.エレクトーン編曲)。会場からは手拍子が湧き、盛り上がりつつも楽しかったコンサートはあっという間に終了!



【あとがき】

このコンサートの案内が目に入ったのは今年3月。以前からYouTubeのエレクトーン演奏動画で注目してきたお二人の至極の共演がついに実現するのか!と、来場チケットも爆速で購入し、とても楽しみにしていたのですが、都合により会場入りできず。😭😭😭

ということで配信アーカイブを視聴させていただきましたが、あっという間の2時間15分。私にとって夢のようなコンサートでした。そして、お二人を応援してきて良かった、そして今後も応援し続けたいという気持ちになりました。

またMegumiさん。今回のコンサートでは初めての経験となる、多数の曲のソロ演奏は大変だったと思いますが、私にとっては聴きたかった曲ばかりで、オリジナル曲も素晴らしく、また曲目や構成等とても良かったです。

そして今後、Kanaさん、Megumiさんのお二人が、エレクトーンの新しい楽しみ方や、エレクトーンの世界に新しい風を吹かせてくれるのではないかと、ワクワクしています。本当に素晴らしいコンサート、どうもありがとうございました。次回も是非開催お願いします!


【補足】

本コンサートですが、アーカイブの様子は2023年8月5日(土) 23:59まで視聴可能で、視聴チケットも上記期限まで購入可能と思われます。

https://twitcasting.tv/c:hazeatbot/shopcart/222868


※曲名は正しくない可能性があります。
(文/Electone演奏動画大好き)

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