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二本指の考察

こんにちは考察界の原理主義者、考える金仮面卿です
今回もエルデンリング考察、進めてまいります

<考察の指針>

なお、本考察は体系に矛盾なく、テキストにも
則する範囲で、比較的自由に物語を膨らませて
います

そういう解釈も有りなのか、と楽しみながら
読んでいただけると幸いです☺️

今回は、みんな大好き二本指。火山館で逆らう時、びくびくしながらも、一種のカタルシスを感じた褪せ人の方も多いのではないでしょうか。そんな二本指を徹底的に考察します




みなさんの知る二本指


…貴方は、指の巫女様を知っている?
二本指に仕え、褪せ人を助け、導く存在…
けれど今、貴方には巫女様がいない
…私は、その代わりができる
私は、ルーンを貴方の力にすることができる
エルデンリングを求めるのなら、きっとそれは、貴方の役に立つ
…だから、私を連れていってほしい
あの黄金樹の麓に

メリナ談

初めて二本指の名を聞くのはこのメリナのセリフでしょう
謎ワード(太字)オンパレードで「は?」ですが
かわいいので連れて行くことにやぶさかではない

次により詳しく聞くのはエンヤの台詞です

大いなる意志の使い、指様の言葉を伝える婆さね
見てごらん、指様が震えている。大ルーンの主たる、あんたを歓迎しているのさ
…さあ、指様の言葉を聞くがいい
”偉大なるエルデンリングは、黄金の律”
”それは世界を律し、生命は祝福と幸福を謳歌する”
”だが、それは砕かれてしまった”
”律の砕けは、許されぬ大過。それは当然の報いをもたらし…”
”今や世界は、生命は、どうしようもなく壊れている”
”呪いと不幸が蔓延っているのだ”
”だが、大いなる意志は、世界と生命を見捨てない
”お主たち褪せ人に、祝福の導きをもたらし、使命を与えたのだ”
”褪せ人よ、お主の持つ大ルーンは、エルデンリングの大欠片”
”それを、もうひとつ手に入れよ”
”そしてエルデの王となり、黄金の律を修復するのだ”
…指様の言葉を、忘れるでないぞ

指読みのエンヤ談

大ルーンを一つ手に入れて、円卓に招かれたときの、二本指の初啓示です
未だにこれを読んでよく分からない褪せ人の方もいるかも知れませんので(私含む)、念のためにわかりやすく翻訳します


大いなる意志の使い、指様の言葉を伝える婆さね

大いなる意志は、エルデの勢力の大ボスです。宇宙のどこかにいるのでしょう。
指と呼ばれる代理人をこの地に送り込んで、指は大いなる意志の言葉を伝えるようです


見てごらん、指様が震えている。大ルーンの主たる、あんたを歓迎しているのさ

指は喜ぶと震えるそうです

…さあ、指様の言葉を聞くがいい
”偉大なるエルデンリングは、黄金の律”

エルデンリングは黄金律と同義です
ただし、それは律(法律、規則、命令)を作った人により形が違います


”それは世界を律し、生命は祝福と幸福を謳歌する”

世界中の民に命令を発し、いうことをきかせることができる。
また、二本指&マリカの律では永遠の生命を与えられ幸せである、と言っています
何が幸せかは人それぞれだと思いますが
勝手に決めつけるタイプのようです


”だが、それは砕かれてしまった”

今は明かしていませんが、後にマリカが砕いたことが分かります


”律の砕けは、許されぬ大過。それは当然の報いをもたらし…”

二本指は自分の律を実現することが一番の目的です
神マリカは二本指に選ばれた神
二本指に逆らえませんから、腹を刺され磔の刑に処されました


”今や世界は、生命は、どうしようもなく壊れている”

統治する神も王もなく
黄金樹のパワーも弱まり
王たるを巡る争いで世界が荒廃し
腐ったり胞子が飛び散ったりアンデッドが跋扈したり
亜人や罪人が謀反を起こしたり狂い火が流行ったり
狭間の地は今めちゃくちゃです


”呪いと不幸が蔓延っているのだ”

互いに殺し合い、呪い合い、皆生きる希望を失っています


”だが、大いなる意志は、世界と生命を見捨てない

大ボスの権威をかさにきてます
落としてから持ち上げる、怪しい新興宗教の手法ですね
しかし注意して下さい
DLCを進めると分かりますが
既にこのとき大いなる意志はいません
狭間の地を見捨てています
大いなる意志の言葉など受信していないのにそのように騙る
二本指は怪しいということが、初セリフから明らかになります

”お主たち褪せ人に、祝福の導きをもたらし、使命を与えたのだ”

「褪せ人」とは、不老不死の祝福を失い瞳の色が黄金から褪せた灰色になった戦士たちのこと
「祝福の導き」とは、そんな褪せ人に今一度不老不死(無限復活)の恩恵と、進むべき道の指し示しという冒険お役立ちセットのこと
「使命」とは、エルデの王になって、壊れたエルデンリングと世界を修復すること、です


”褪せ人よ、お主の持つ大ルーンは、エルデンリングの大欠片”

大ルーンは、ゴドリック、モーゴット、モーグ、
ラダーン、ライカード、マレニア、産まれなき者
の7人から奪えます


”それを、もうひとつ手に入れよ”

今1つありますから、もう一つですね


”そしてエルデの王となり、黄金の律を修復するのだ”

2つあれば、エルデの王になって、黄金律を修復できるようです


…指様の言葉を、忘れるでないぞ

わすれてました


振り返ると結構な情報量です

二本指に関し、ここまで分かったことをまとめます

・決めつけが激しく
・嘘をつく詐欺師
・おしゃべり
・律を修復し、世界を直して欲しい
・喜ぶと震える

この後、二本指は2回「大いなる意志」の言葉と称して自分の主張をします。いずれも、マリカの夫となってエルデンリングと世界を修復しろ、といった内容で、その後止まって沈黙してしまいます

ゲームを進めていくと、途中でなんとなくみんな二本指に逆らっていくような空気感、流れになります

火山館イベント、エンヤ婆も急に「よく分からないことが起こってるからあんたの好きなようにおやり」と言いますし、百智卿ギデオンも「あれはもともと壊れていたのだ」と言い出す始末

当時、え? 逆らっていいの? 導いて貰ってるのに?
と戸惑った褪せ人様も多かったでしょう

そのままボスを倒して
修復ルーンを選んで
あるいは、マリカじゃなくて、俺の嫁はラニ!
となって、二本指もなおざりのまま、ゲームを終えたあなた

多くの褪せ人様の認識は、そのようなものだと予想します

かつて考察を始める前の私はそうでした

ですが、考察を進めた今、私は二本指のバイオグラフィー
時系列的に採ってきた作戦の数々
ノクスの勢力との個々の攻撃防御方法

そこまで描出できるまでに詳しくなった……と思います

そこで、以下では二本指のバイオグラフィーと攻防の数々をご紹介します





1.二本指、誕生前夜


宵眼の女王と大いなる意志の攻防戦
その中で指の母メーテールが指殺しの刃で切りつけられた経緯は、「永遠の都滅亡の考察」回で前述しました

その後のメーテールを、大司教ユミルはこう評します

…真に壊れていたのは、狂っていたのは、母なのです
指たちは、その落とし子にすぎません。あれらもまた、哀れな被害者なのです
貴方は、母が必要だとは思いませんか?
壊れなど生まぬ、新しい、本当の母が

大司教、ユミル卿談

確かに壊れ、大いなる意志の言葉は受信不能になっています
しかし、私はある理由から、メーテール(五本指)が二本指と三本指を産み落とし、それぞれ相反した指令を与え続けるのは、合理的で切実な理由があったと考えています

それはいわば、ノクスの民に対する防衛プログラムだと思います

ノクスの民は、次のような戦略でエルデの民から、狭間の地の支配権を奪おうとしていることは角人の回で前述しました

それは

ノクスの戦略は、三層構造になっていると思います

①自由意志的階層 ラニが主人公を、レラーナがメスメルを好きになり口説いたように、通常の自由意志の意識階層で、ノクスの種を繁栄させてゆく。人との混血種(しろがね人)や、獣人や竜人、亜人や蛇人(神肌)などの混血種はこのレベル

②集団潜在的階層 ノクスの民としての潜在意識が、盲目的に王の創出を志向し、そのために種族を増やし、①の自由意志的階層がそれに逆らえないこと。二本指誕生前の時点で宵眼の女王がその志向でファルム・アズラの神人となっている

③植物的階層 もはや意思はなく、植物や物質として拡散され、土壌や作物を通じて取り込まれ、肉体を支配していくこと。角人や混種などの坩堝の諸相はこのレベルの肉体変異。もっと考えれば、例えばケイリッドのキノコ類の菌糸やカビなどのレベルでも、そのような侵略は行われているかも知れません

このような侵略が行われていることを大いなる意志やメーテールが知ったとき、エルデの勢力と宵眼の女王の間に亀裂が生まれ、大きな確執の中、宵眼の女王はメーテールを傷つけ、大いなる意志との交信を絶たせたのでした

これに対してはどのような対応策が取れるでしょうか?

一つに、このようなノクスの生物を根絶やしにして、黄金の民の純血を回復することです
具体的には

①宇宙より暗黒の破壊者を呼び寄せ、ノクスの民を破壊させる
②炎で焼き払い、坩堝の混種を根絶する
③黄金樹の聖なる生命力で、坩堝の病原体を根治する
④忌潰しなどの専門家を使い、残ったノクスの勢力を狩り尽くす
⑤交配に加え、還樹と永遠の生命でエルデの種族を保護する

<対ノクステラ戦略としての永遠の生命>

黄金の勢力が永遠の生を志向することは、単なる
ロマンに止まらない意味がある、と考えるのが自説
です

交配し種を増やし、生きて食べ、死んで、転生する

このプロセスのうち、ノクスは

・交配、異種交配を通じて種を増やし
・食を通じてノクスの細胞を摂取させ
・転生を通じて、坩堝の諸相として入り込む

あらゆる場面で自分たちの種を黄金の勢力に植え
付けようとしてきます

これに対して二本指の律たる黄金律は

永遠の生命と黄金樹を通じた再誕(還樹)、閉じた
生命のループを用います
そうすることで

・還樹のシステムを通じて、そのループからノクスを
  排除する
・強い生命力と病の治癒を通じて、ノクスの坩堝や
  病的因子を排除する
・転生ではなく再誕とすることで、ノクス特有の
坩堝の魂の混入を排除する

といったエルデ純血を担保します

永遠の生命だから幸せ、
確かにそれもありますが、それがメインではありません

永遠の生命は閉じた輪、だからノクスを排除できる

そういう戦略、それが永遠の生命の意味です

このうち①は、大いなる意志本体がこれを行いました。アステールの襲来がそれです。これにより、ノクスの民の都市は壊滅、彼らはしろがね人として地上の各地に散りました

これを受けて、宵眼の女王は返報として、メーテールを傷つけました

さらに、②〜④が必要です
これを、新しい国家を樹立して実行する必要があります
そのようなメーテールの計画と防衛プログラムを遂行する専門の指として産み落とされたのが「二本指」です

ここに、二本指の使命がはっきりしました
二本指とは、ノクスの民を根絶し、排除し、エルデの民の純血国家を回復する
それを使命とした指です
我々は、その使命を指して「黄金律原理主義」というのです

メーテールの戦略、緊急プログラムはこれだけではありません
もし上記の二本指の使命が、失敗したときはどうなるでしょう

ノクステラの月(おそらく母星)は数々の星を従えていました
狭間の地の征服を完了したら、またそこから別の星へ、侵略の旅に発つでしょう

<ラニエンドの先の未来、妄想>

ラニエンドは素敵なエンドであって欲しいのですが
最悪のシナリオとして、ラニが純粋にエルデの敵で
しかなかった場合には、次のような未来が妄想できま
す

狭間の地の征服を完了したら、また別の星へ、侵略
の旅に発つ

ラニエンドは、そのようなエンドだと解しています

ここからは完全に想像なので、人それぞれですが
私は最悪、次のような未来が主人公を待っている
と思っています

*************

”ラニは異形の生物が蔓延る星に主人公と共に降り
立つ 

ラニは言う

「素晴らしい土壌(soil)だろう。ちょっとあの
丘の上で待っていてくれ。見せたいものがある」
 
敵対してくる現地生物を屠りながら命からがら
丘の上に立つ

赤紫色の空を見上げると

何隻もの石棺型宇宙船が飛来してくる 

驚いてラニの元に駆け寄ると、ラニはもうただの
人形になっている。ピクリとも動かない 

石棺型宇宙船が次々と落下
地響きが鳴り、蓋が空き、泥濘が溢れる 
泥濘には雫の幼生が含まれ、原住民が作物を育て
る土壌を作り変える

原住民には次々と根のような混じり角が生え、
やがて全身が樹根化して、動かなくなっていく

主人公は祝福された永遠の命で、ただそれを
見ている

ここはどこの星か 
見上げても赤紫の空しかない

狭間の地に戻る術は、あなたにはない”

(完)

*************

いえ、もちろん、ラニとラブラブな未来もあり
うると思います
愛とは相手を信じることですからね
きっと、大丈夫です
大丈夫

そのような敵勢力の拡大を防ぐために、プランBを考えます

それは、

「原初混沌の火で全てを焼き溶かし、エルデの地を、この星が誕生した初期の、灼熱のマグマオーシャン時代まで巻き戻す」

です

いわば、ゾンビや最悪の伝染病に汚染された地域を核で焼き払う
そんな非常手段がプランBです

そのための請負指、それが「三本指」です
三本指は密かに勢力を維持しながら機を伺っています
二本指のプランAが失敗したときは、容赦なくエルデの地を焼き払うでしょう。しろがねのあらゆる生物もろとも。樹も金属も、霊すらも残らない、3,500℃の黄色い火で

二本指は熱狂的な原理主義
三本指は狂気のアナーキズム

そう思っていた時代もありました

しかし、ノクスの勢力の脅威を目の当たりにすると
それぞれが担うプランABは、あくまで黄金の勢力の立場に限っては、意味を持ちます
現状他に選び得ない、苦肉の策です

指の母メーテールは壊れながらも、最後に起死回生の選択を残していったのです

そしてこれから話すのはプランA

黄金律原理主義実現の任を受けた

「二本指」

その狭間の地でのバイオグラフィーなのです


2.マリカ誕生と、二本指

おそらく、各地に散らばるユビムシ
その中でも優秀な個体に、メーテールからのプランAが発令されました
二本指は数体いることが、作中のテキストから確認されています

デミゴッドの中で、ミケラとマレニア、そして私だけが
それぞれの二本指に見出され、女王マリカを継ぐ、次代の神の候補となったのだ

魔女レナ談

恐らく円卓にいる二本指もまた別の個体でしょう

ただ、個体性に意味はなく、それぞれの意識はシンクしている統一意識体でしょうから、まとめて二本指と呼ぶことにします

①宇宙より暗黒の破壊者を呼び寄せ、ノクスの民を破壊させる ←済
②炎で焼き払い、坩堝の混種を根絶する
③黄金樹の聖なる生命力で、坩堝の病原体を根治する
④忌潰しなどの専門家を使い、残ったノクスの勢力を狩り尽くす
⑤交配に加え、還樹と永遠のエルデの種族を保護する

これらが二本指の任務です

このうち急務はどれでしょう

永遠の生命と、黄金樹の生命力による治癒ですね

これを実現するには、黄金樹を立てて生命力を宿す神とその王配が必要です
つまり、宵眼の女王と古竜王(ファルム)に対抗できる国と黄金樹が必要になります

これをするために、二本指は何をしたでしょうか
ちょっとやそっとじゃ、神も王も手に入りません
なんせ今は、大いなる意志がいない
メーテールも壊れている
独立独歩で神を創出しなくてはいけないのです
大いなる意志に無許可で

後ろ盾はない
しかも、宵眼の女王の統治下です

いくらファルムが崩壊しかけていて、永遠の都と二人の娘を失って憔悴している宵眼でも、その実権は依然強大です。王プラキドサクスは、宵眼の計画のもと忠実に戦っています。エルデの実権は完全にノクスの宵眼に乗っ取られました。民も坩堝を信奉する土地神を信じている角人が多数派。黄金の教会もあるにはありますが、ほとんど信者はいません。大母というエルデ純血のシャーマンが土着の思想として一部で信じられています。祈祷で別け隔てなくボランティアで治療する。その活動資金は祝祭という儀式で、ルーンを得る祝祭脂で賄っているようです。しかしそれも坩堝思想に侵されています

これに対し、こちらは数体の二本指、あとは配下のユビムシたち
あとは指遺跡のヤツメ。これは遺跡とメーテールを守るための存在なので、攻めに使えません
多勢に無勢です

<指追い・ヤツメ>

私はユミル卿も、メーテールの秘密を探るうちに
指追いになって、指と同化してしまったのだと思います

ユミル卿の論法って、悲劇を語ってからあなたは大丈夫
私を信じて言う通りにすれば未来は明るいって安心させ
言いなり、支配するんですよね

これって最初にエンヤに会ったときの二本指の論法
そっくりなんです
最初に騙った二本指も、狭間は悲惨な状況だ、しかし大い
なる意志は生命を見捨てない、だから私に従ってデミゴッド
を倒せば素晴らしい未来が待っている、って論法ですから

大いなる意志はとっくに狭間を見捨てているんです
神の威を借りる讒言はそっくり

指擬きなどを使って指を追ううち、また指の産所の近くで
指の壊れた波動を浴びるうち、そのようなメンタルになって
しまうのでしょうね


どうしよう

そんなとき、二本指は見つけます

秘儀の巻物

白い樹皮の巻物
影に隠された塔にあるという
神の門の秘儀が記されている
だが、読み解けるのは、ごく一部だ
神の帰還は王により導かれ
王の魂には、依り代が求められる

秘儀の巻物テキスト

影の地に古くから伝わる巻物のようです
それには、大いなる意志やメーテールの承認がなくとも、エルデの神を降臨させる術が書かれていました

①神
②王の魂
③王の依り代

この3つが必要のようです

①神、これは、もちろん黄金樹の純血から選ばなくてはなりません
また、二本指の意思を受信できる神性や精神力が必要です
更に、黄金樹に仇なす禁忌を全て払える強い力を持った祈祷師でなくてはなりません
そうでなくては宵眼の女王に対抗できないでしょう
であるなら、巫子村の巫子が素体として適切です
彼女らはみな乙女であり、しろがねの混血種を宿していることもないはずです

②王の依り代
これはなるべく強い肉体がいいでしょう
様々な感染症や呪いなどに対して免疫がある者がよいです
これは逆に、しろがね以外のたくさんの種族の血を受け継いだ肉体が望ましいでしょう。巨人の血が混ざっていてもよいです。巫子に炎の禁忌を取り除かせればいいので

③王の魂、
これは善き人がよいでしょう。二本指の黄金律原理主義を忠実に理解してくれる清らかな心の持ち主がよいです

ただ、これらの人材を鍛え上げたり、あちこちからスカウトするのはいただけません
宵眼の女王に見つかり、潰されてしまうおそれがある

こっそりカムフラージュして生み出す術はないものか

そのとき、二本指は思い出しました

かつて宵眼の女王は、指の母の尾指の「らせん」
あれは、大いなる意志の送信を降ろすためのアンテナなのですが
その螺旋の形を模して、様々な施設を立てました
そこに大いなる意志以外の外なる神や、自分たちノクスの霊である祖霊を降ろして、エルデの民を作り変えていきました
それを「坩堝の諸相」と呼び推奨したのです

あれはつまり、螺旋というメーテールの様式をハッキングして、自分たちの様式に作り変えたものでした

そのような欺瞞、ハッキングを、今度は二本指が仕掛ければ
よいのです

そこで二本指は、角人が神事として行う輪廻転生の儀式
壺漬け罪人の神事を利用することにしました

これは本来、罪を侵した角人たちを生きたまま他の罪人と共に大壺に漬け殺し、祈祷を行い、将来善人に生まれ変わらせる儀式です

ノクスの民が祖霊を生み出し、芽吹きを繰り返し魂のレベルを高めるという輪廻転生を行っていますから、その高位な魂を善人と呼ぶなら、一応根拠はある祈祷のようです

この儀式の見た目を借り、巫子と切り刻んだ罪人の肉を融合させる実験に作り変えます
罪人はこの場合罪人ではなく、後に建てる黄金樹や黄金律に禁忌や仇をなすもの……混じり角や、数々の状態異常の神性、巨人の炎や、蛇の冒涜の炎を宿す者たちです
具体的には、牢獄に囚われている呪剣士、炎の巨人、神肌の蛇、血鬼、死に生きる者、腐敗、誘惑、眠りの神性に侵された者たち
これらを片っ端から捕まえて、ボニ村という施設で切り刻み混ぜ、歯の鞭で傷つけた巫子と共に、中型の壺に漬け込みます
本来の壺漬けと異なり、殺すことはしません。生かして、生かし続け、その間巫子に壺の中で祈祷させます
これら罪人……特に罪は犯していないけれど、これから我が政権下で犯すであろう、忌み呪いたちの禁忌を滅し、封じ、祓い、清らかに拭い去る。
そうやって、様々な耐性や免疫を持つ、しかし禁忌が取り去られた人体が一体、巫子の他に誕生します。それを、王の依り代とします。呪剣士や巨人の肉なども混ざっているので、きっと強くなるはずです

二本指はそう考えました

大壺師の仕様も変更します
これまでは使わなかった罪人を切り刻む得物、ボニ包丁や、歯の鞭などを導入し、また、相手はあらゆる外なる神の神性に魅了されている人たちなので、それを跳ね返すために、毛蟲の仮面を付けさせます。これは、哀れな巫子に掛けそうになる情けも封じ込める効果も持つのでしょう

このような事業の仕様変更は、こっそり行わせる必要があります
壺の中に入れてしまえば、あとは牢獄に運んでも分からないので

幸い二本指は指なので、ルーンの発行はできるみたいです(おそらく)し、黄金の角貨なども作れます。砂金掘る手はたくさんあるので(おそらく)
これでベラルートの牢獄の祈祷師や、人買いたちを買収し、巫子村の巫女を攫わせます。現モースの廃墟は、巫子や罪人たちが高値で取引される悪徳の街として栄えました
そうして次々と、陰惨な罪人肉の壺は作られていきました

宵眼の女王は、見過ごしたのでしょうか
壺の中身が多少変わっても、エルデの民である巫子と、巨人と、外なる神に侵された民が減る程度。特に意味を見出してはいまい。二本指はそう考えたと思います

そして、ほとんど全ての巫子が失敗し、哀れな中身肉と化す中、ついに一人の巫子が、その実験に成功しました

それがマリカです。マリカは、罪人一人分を身体に取り込み、少し鞭の傷は残りましたが、ほぼ元通りの美しい姿で、壺から生還したのです。そして、マリカは一人の逞しい男性に姿を変えることができました。彼は赤髪でした。名を訊くと、ラダ……ゴン、と言いました。
どうやら、ラダゴンという王の魂が宿ったようです
話すと、その魂は、知性や神性や精神力は低いものの、二本指の語る黄金律原理主義をよく理解し、賛同する善き人のようです
どんな王の魂化よく分かりませんが、とりあえずヨシ!、いえ、善し、です

身体を調べても、ただ巨人の赤髪である他は、特に禁忌や邪なる神性を宿しているでもなく、混ざり角など坩堝の諸相も見られません。また、疫病にも耐性があり、免疫も高く、健康です

神、王の魂、その依り代
素体として、それらは申し分ありません

マリカが祈祷により、罪人肉から完全に禁忌や坩堝を取り除いた
二本指はそう判断しました

マリカは逸材の祈祷師です。神人たるを任せるに相応しい
二本指はマリカに嘯きました
・自分がマリカを助けたこと
・マリカを神にして王国の長にしてやること
・そのかわり二本指の指示に従うこと
・お前の望む優しい世界は、力がないと実現できないこと
・お前が神にならないと、この先も巫子たちが永劫壺漬けになること
・神の力があれば、お前とお前の仲間たちに酷い仕打ちをした角人にも復讐できること
・承諾するなら、この神の門で律を掲げよ。今後その誓約がお前を神とし、お前を縛る

マリカは躊躇しましたが、暫く考え、何かを悟ったように、脱げた着衣の中から自分の髪の一房を取り出し、神の門で高々と掲げました

この瞬間、神マリカと、王配ラダゴンが誕生しました

<ラダゴンの意識>

おそらくこのときラダゴンの魂もまた
転生していて転生前の記憶は失っていたと
思われます

というのも、ラダゴンは前の記憶を保持し
つつ、それを見破られないまま演技し続け
られるほど器用ではないからです

ただ、巨人としろがね人の間の初めての子で、
宵眼の血を引く王としての風格と、真っ直ぐな
生前の性格だけは受け継いだようです

あと、生前のラダ、というおぼろげな名の
記憶も


やりました

ファルム・アズラ政権下で発達した儀式をハッキングして、首尾よくエルデの勢力の手駒となる神を誕生させることができました

これから二本指は、反撃に転じる
彼女はそう思ったでしょう

ですが、それは宵眼の仕掛けた巧妙な罠でした

宵眼の仕掛けた罠、エニル・イニム

秘儀の巻物

それは白い樹皮で作られていました

白い樹皮で思い出すのは、しろがね第0世代
その樹木化した亡骸で作られた墓標です


白い樹木

おそらく、この秘儀の巻物は、宵眼の仕掛けた罠です
宵眼は、ファルムの神になったのち、大いなる意志の承諾のもと、次の神人の即位手続きを定めたと思います
そこには三位一体を要件としました
この三位一体事体、個を混ぜる坩堝的発想です
宵眼は予め、王権を簒奪されそうになったときのために、神人即位に坩堝的要素を盛り込むことで、ノクス勢力の混入できる隙、余地を残しました

今回でいえば、王の魂として、自己の息子のラダの魂を紛れ込ませることに成功しました
宵眼は、神授塔などを開発し、魂の行き先を操る術をもっています
死んだ息子の魂(あるいはこのためにあえて殺した?)を誘導して、マリカの神降ろしの儀式に潜り込ませる

その儀式を行わせるための、エニル・イニムでもあります
予め、大量の角人や巫子の贄がエニル・イニムには捧げられています
あれは一体、誰が用意したのでしょうか
二本指はあれだけの亡骸、あの時点では用意できません(粛清の聖戦のずっと前から、角人の死屍累々、それもフレッシュな、はそこにあったのです)

それは宵眼の女王が準備したものでした
ファルムアズラ政権下では、獣人の殉死霊廟のように、個は全体性の中で希薄でした。それが坩堝思想という、実に権力者にとって都合のよい思想です。その坩堝思想のもと、角人たちも自らが贄になることに何の躊躇もなかったでしょう
螺旋の頂上は、神に通じる

スピラ

塔の神官たちの高位魔術
それを螺旋の祈祷として振るうもの
捩り結んだ両手を天に掲げ
対象の足元から、螺旋の光柱を生じる
長押している間、光柱は生じ続ける
螺旋とは坩堝の整流であり
いつか神へと至る柱なのだ

スピラテキスト

至高の螺旋、螺旋塔。その頂きで贄になる
これほどの名誉はない
そう洗脳され、角人たちは螺旋塔を崇めました

実際、尾指の螺旋でメーテールは神たる大いなる意志の波動を受信してますし(母の杖テキスト参照)、こうして神の門にもエルデの神の神性は降臨するので、嘘ではないのですが

これらは全て、宵眼の女王の「あえて」のお膳立てなくしては実現できません

宵眼の女王は、永遠の都と子らを失い、憔悴していますが、決してエルデに王座を譲り渡すなど、考えてもいません
宵眼は信じたのでしょう

星見

宵眼の女王は星見の元祖です
星の動き、つまり、王権に関わる男女の恋愛の行方の先に、覇権の星も動くことを知り尽くしています

宵眼の女王は新たに仕込みました

二本指が健気に挑む、新たな王国建国、その王たちの中に、自分の息子の魂を

それがどう動くか

興味深い星見の始まりです

そして二本指は、そんな宵眼の企みに、全く気づいていません

二本指と、その子飼い、マリカとラダゴンの反撃が始まりました




3.マリカ影の地時代の、二本指


この時代のことは、影樹考察回で詳しく述べていますので、詳細はそちらに譲ります

以下では二本指視点で簡単に箇条書きします

・マリカとラダゴンに黄金樹を立てさせるが、歪んだ双樹になり上手くいかない。何度やってもラダゴンの幹が一体化せず、螺旋を描こうとするので、ラダゴンに対する二本指の印象が悪くなる

・マリカもまだひよっこで、いくら血を注いでも潤沢な黄金の雫を確保
できない

・また、角人の土地神信仰、神降ろしは黄金樹信仰と相性が悪い

神鳥の面を象った、混じり角の兜
角の戦士の始祖たる、神鳥の戦士の装備
それを被る者に神を降ろす
(中略)
雫の聖杯瓶の、回復量が減少する

神鳥の兜テキスト

雫の聖杯瓶の回復量が減少するなど、角人に対しては、黄金樹の恵みは効果が少ないため、布教活動が難航する

・やがて赤髪のメスメルがマリカとラダゴンの単為生殖の末産まれる。これに二本指は激怒する。メスメルは、巨人の炎と冒涜の蛇の炎、両方の禁忌を宿していた。これは見た目からも、ラダゴンの血の責任であると決めつけた。ラダゴンは弁解するが、曲がった樹の一件もあり、もはや受け付けてもらえない
マリカもラダゴンとは反りが悪く、全てをラダゴンのせいにして、早々に見切りをつける(本当はマリカの中に残った罪人たちの禁忌が発現したものなのだが)

・二本指はラダゴンから王配たる地位を取り上げ、マリカの中に封印する

・マリカは数ある王候補の中から、ホーラ・ルーという高地の戦士を見つける。試しに二人で黄金樹を作ったら、立派な太い一本の樹になった
高地の山奥で狩猟をして暮らしており、そこには泥濘は届いてないのか、坩堝の諸相もない
二本指も気に入り、マリカとホーラ・ルー、改めゴッドフレイは成婚する


4.狭間の地〜破砕戦争における二本指


・古い黄金樹に見切りをつけ、狭間の地、アルター高原に新しい黄金樹を建てさせる。ここはエインセル・シーフラ河の源流で、水質がよい。この頃は、名もなき永遠の都も滅ぼされ、しろがね人がいないので、水質の汚染も仕掛けられていない(ただちょっと今でも白濁液は残ってる)

・①炎の巨人から巨人の大釜の火を奪う
②宵眼の持つ死のルーンを封印する
③エルデの獣を奪い、黄金樹を強化し、エルデンリングを作る

この3つが急務です

マリカとゴッドフレイの国獲りが始まります。
その様子の詳細は → こちらを御覧ください。ここでは省きます

結果として、マリフレイの二人はファルムの王権にも勝利し、全土平定を果たします

裸一貫から始まった二本指の黄金律原理主義計画は、宵眼の女王から王権支配を奪い取るまでに進みました

さて、ここで、二本指が任されたプランAの進捗状況を確認します

①宇宙より暗黒の破壊者を呼び寄せ、ノクスの民を破壊させる ←済
②炎で焼き払い、坩堝の混種を根絶する
③黄金樹の聖なる生命力で、坩堝の病原体を根治する
④忌潰しなどの専門家を使い、残ったノクスの勢力を狩り尽くす
⑤交配に加え、還樹と永遠のエルデの種族を保護する

これが二本指の任務でしたこのうち①は

宇宙より暗黒の破壊者を呼び寄せ、ノクスの民を破壊させる
→ カーリア王家に源流派とカッコウをぶつけ、魔術技術を掌握する
あるいは、カーリア女王レナラに投降させ、太陽が前提の満月の魔術に変えさせ、服従を誓わせる
に変わっています。
なお、例によって二本指はカーリアをしろがねの子孫と気づいていません

そして

②メスメル聖戦はまだです
③これは達成しました。エルデの獣を奪って、生命が一番花開いている時代です。エルデの民は黄金の祝福を受け健康そのものです
④これも調香師や責問官、カッコウの騎士などを雇い、続けています
⑤しろがね人などを一定の地域に隔離して、黄金の民には積極的に還樹を励行して、黄金の血の純化を図っています

<ノクスにとっての死・霊魂の意味>

様々な意味がありますが、一つに、彼らにとって
の死とは、霊魂というエネルギー源を確保する手段
ということです

例えば宿り矢という祖霊の民が使う矢がありますが、
それは小動物の祖霊を矢に込める霊術です

このように彼らにとっては、霊、つまり生き物の死は
「電力」「発電」のようなものなのです

神の門の無数の遺骸。あの贄は、霊力、つまり神の門
を起動させる電力を集めていると例えられます。
かなり冷酷な(個の命を何とも思っていない。王政維
持のために役立てるべきだと思っている)種族です

これが、二本指・マリカの政権下だと、霊はなかなか
生まれません。死なないので。動物の血でさえ腐らず
生き続ける。しかも、死んでも還樹で黄金樹に再生
エネルギーとして戻されます

現黄金樹政権が安定してた頃には、ノクスが利用でき
るような霊的エネルギーが全く流れてこないのです

実はこれが一番ノクスにとって痛いことでした。

逆に、後に破砕戦争で荒廃して、死が蔓延する世界です
と、ノクスが盛り返します
神授塔を通じて、死が影の地や、ウル爺の聖樹に集まって
きます

鎮めの塔といいつつ、その実は、霊的エネルギーを集め
て霊術(カーリアの青白いエフェクトの魔術もそうです)
に使ってやろうという集電装置なのです

人の死を何だと思っているのでしょう。坩堝というのも
そうですね。祖霊もそう。そのようなエネルギーの貯水槽
のようなものなので、だから宵眼は奨励したわけです

この点は、個々の命を大事にして転生させる(搾取しない)
二本指の黄金律の方が偉いです

以上より進捗状況はこうなります

①カーリア王家をローデイル王家に服従させる ←済
②炎で焼き払い、坩堝の混種を根絶する
③黄金樹の聖なる生命力で、坩堝の病原体を根治する ←済
④忌潰しなどの専門家を使い、残ったノクスの勢力を狩り尽くす ←推進中
⑤交配に加え、還樹と永遠のエルデの種族を保護する ←済

え、凄くないですか
二本指、裸一貫からここまで盛り返しましたよ

独善的でいけ好かない詐欺師ですけど、信念を曲げずに貫き通すとここまでことは成せるんですね
ちょと見直したかも、二本指

いえいえ、だからといってしろがね人や亜人を虐待していいことにはなりません
しろがね人にもちゃんと、個としての純粋で誠実な気持ちがあるのは、レラーナの考察回で学んだことです

何が正しいのかよく分からなくなりますね

いずれにせよ、プランAは順調に見えました

しかし、順風満帆とはいきません。この先もゴッドフレイ回で詳述してますので、駆け足で箇条書きします

・マリカ、ゴッドフレイの間に忌み角の双子が産まれる。二本指は坩堝思想を共有する二人の責任と判断し、マリカには影の地での角人と坩堝の粛清と、ゴッドフレイへの何らかの処分を命じる

・マリカはこれを受け、メスメルに粛清の聖戦を実行させる。また夫ゴッドフレイとその配下の戦士から祝福を奪い、蛮地へ左遷する


(プランA進捗状況)

①カーリア王家をローデイル王家に服従させる
 ←済
②炎で焼き払い、坩堝の混種を根絶する ←済
③黄金樹の聖なる生命力で、坩堝の病原体を根治する ←済
④忌潰しなどの専門家を使い、残ったノクスの勢力を狩り尽くす ←推進中
⑤交配に加え、還樹と永遠のエルデの種族を保護する ←済

この時点で全部達成してるんですね
あの状況から完全にひっくり返しました
ほぼ勝確です

ただ、この時点で二本指は、マリカという不安要素を抱えています
確かにここまでプランAを進められたのは、ひとえにマリカの優秀さ
があるからです
しかし同時に、マリカからは面従腹背的な何かを感じます
従順さならラダゴンの方が上
ラダゴンは巨人戦争でも見事な働きを見せています

二本指はここでラダゴンを再登板させます
ラダゴンにリエーニエ戦役を仕掛けさせます
表向きは、カーリア家というもう一つの不安要素を摘むためです
そしてそれはラダゴンの復権テストでもあります

・リエーニエ戦役を戦えるか
・レナラを落とし、宿痾や禁忌のない子を作れるか
・ラダゴンに魔術を学ばせ、知力や精神力を向上させる

そしてこれらをクリアし、更にマリカの祈祷を学ばせれば、ラダゴンは神人たるを任せるに相応しい存在となる

レナラ・カーリアのカリスマと卓越した魔術も、ローデイルの后として迎えたい

この二人が新たな王となれば、マリカを更迭しても、民の求心力は衰えないだろう

神人のすげ替え

二本指はこれをやろうとしたんですね

常に反抗的なマリカを神から降ろして、既に達成したプランAの進捗を盤石とする

これはある意味、二本指らしい判断だと思います。過去メーテールが神人宵眼の謀反に合っているから、慎重になっているんですね

結果、ラダゴンはリエーニエ戦役を負けずに終え、レナラを落とし(落とされてもいますが)、3人の優秀な子を成し(ラダーン、ライカード、ラニ。赤髪ですが、それ以外に問題はない。実はしろがねの歩行できない宿痾は、子供の頃には出ない、というのが自説です。ラダゴンは子らが幼いときに、ローデイルに召喚されています)、テストに合格した。汚名返上です

二本指は以後、マリカの顕現をほぼ許さず、ラダゴン一人にローデイルの実権を握らせます

古竜戦役で活躍したゴッドウィンが王都にいましたが、彼は竜餐をしたためか、古竜と過度に親しくなり、王都に古竜信仰の跋扈まで許しました
しろがねではないものの、二本指の推進するプランAは、黄金の純血ですから、古竜が混ざり込むのもあまりうれしくないのですね

それからラダゴンは単為生殖(マリカと行いますが、マリカはラダゴンの人格に埋もれて意識がないでしょう)で、ミケラとマレニアを産みます
ミケラには永遠に幼い、マレニアには腐敗の宿痾がありました。

マリカの関わった子は禁忌を宿すことが改めて証明されました

ここで二本指は、次の三人に神人たる資格を与えます

ラニ、ミケラ、マレニア

このメンツはこれまで不思議とされてきましたが、王家の実権をマリカからラダゴンに移し、そこにレナラを王女として迎えるという二本指の企図を前提とすると分かります

この顔ぶれに既にマリカ降ろしが予告されているのですね
さらに同じ理由でゴッドウィンへは何の約束も、二本指はしなかったでしょう

マレニアと、ミケラに懐かれる
ゴッドウィンおじさんの像
マリカに見間違いますが、マリカはこの頃ラダゴンに
肉体の主導権を奪われ、子らにはほとんど
会えてないと思います

上の像は、唯一残されたゴッドウィンの姿が分かる像とされています
一件マリカのようですが、髪型が違いますし、体型も男性のものです
マレニアの隻腕を隠すようにして、優しさが滲んでいるのが分かります
自説では、ゴッドウィンは王都からリムグレイブのストームヴィル城に都落ちします。ストームヴィルには嵐王の子孫、親友のフォルサクスがいます。彼の元に身を寄せて、以後ゴッドウィンは嵐鷹の王を名乗ります。この像はおそらく、大好きなゴッドウィンが、王都を離れる夜、マレニアとミケラが別れを惜しんで泣きついている様子を残したものでしょう

しろがね人を抱く男の像

また、リムグレイブにはしろがね人を抱く男性の像も残っています
顔が消されてしまっていますが、これもゴッドウィンだと自説は考えています
彼は亜人にもしろがね人にも優しい領主だったでしょう。王都ローデイルで失われてしまった黄金の精神は、別の王家になりながら、辺境のローデイルで生き続けました

こんなしろがねにも優しいゴッドウィンだから、二本指は追い出したのですね

二本指のプロジェクトAを考えると、頭では理解できますが、流石に酷い

さらに二本指は酷いことを思いつきます

マリカを失脚させ、ゴッドウィンを亡き者にする計画

それが陰謀の夜です

未だに民の人気は、マリカであり、ぽっと出のラダゴンは受けが悪かった

ローデイルというアッパータウンではマリカ
辺境の地ではゴッドウィンの人気が高まっています
彼は優しく、ミケラやマレニアとの抱擁像からも分かるようにイケメンです
黄金の辺境貴族の御婦人からもモテまくり、彼女たちとの間に非常に多くの子孫を残しています
どれくらい多いかというと、歩く霊廟の数くらい多いです
それらはみな、ゴッドウィン系譜の子孫なのです

マリカ、そして嵐鷹の王を新しく名のるゴッドウィンと彼の血筋
これはものすごく邪魔な存在です
早くレナラを迎え、ラダゴンとの間に子をなしたい

しかし、いきなりそれはできません
ラダゴンは既に、レナラを棄てていると民に知れ渡っている
この上マリカを棄てたら、もう民は黙っていないでしょう

マリカをなんとか上手く失脚させる方法はないものか
できれば、新興のゴッドウィンの王国も亡きものにしたい

そこで二本指は企てます

・ラニとライカードを使い、マリカの影従マリケスから、死のルーンを盗み出す。ラニは獣人を手懐けるのが上手い。影従獣人の意識に二本指は干渉できます。死のルーンの一部は難なく盗み取れました。ライカードはゲルミアで古い魔術を復活させています。蛇の魔術。それは死のルーンを刃に宿らせ、運命の死を神に与える神殺しの刃にすることができます(神肌のおくるみテキスト参照)
・そのようにして作った黒き刃は、ラダゴンの指揮のもと、彼の懐刀のザミェル一族にやらせます(詳しくは陰謀の夜の回参照)。マリカの手下の黒き刃の刺客の衣装を着せ(黒き刃の刺客部隊は二本指も持っています。ラニイベント終盤参照)、実行させる。巨人戦争を勝ち残ったザミェル一族くらいでないと、古竜戦争の勝者ゴッドウィンは屠れません。魔術を会得したラダゴンにストームヴィル城の横穴を開けさせ(下図参照。穴にラダゴンの拒絶の刺が残ってます)、見張りに悟られる前に一気にゴッドウィンの閨へ。暗殺を果たしました


ストームヴィル、奥まで目的をもって空けた
一直線の穴と、残された拒絶の刺
証拠隠滅下手か


あとはマリカに罪を着せるだけです
いつも女王の閨を警護する、黒き刃の長アレクトーに濡れ衣を着せ始末する。アレクトーを守って娘のティシーが命を落としました。アレクトーは封牢送り。これで口止め完了です

そして国中にマリカの配下の仕業であること、マリカが乱心し黄金の王子とその子孫らを暗殺したと言いふらす。

これでマリカの信頼は失墜し、後はラダゴンがローデイルを名実ともに背負って立つ。そこに美しいレナラを迎えれば、ラダゴンの一途さが際立つ。王家の人気も復活する

二本指のシナリオです。やばくないですか?
やばいですよね、この悪魔め

だが二本指は侮ってました

マリカの本気を

後妻なんかに私とフレイの作った王都を乗っ取られてなるものか
このままでは、モーグとモーゴットも、いつかは助けるつもりだったメスメルも暗殺されてしまう

エルデンリング破壊の経緯と理由とその夜起こった出来事については、→こちらで詳述しています

このマリカの乱心は計算外でした

二本指はラダゴンにエルデンリングの修復を命じました

しかしラダゴンは失敗しました

そのままエルデンリングは散り散りになり、大ルーンとして7人のデミゴッドに宿りました

そこでマリカは破砕戦争の狼煙を上げる言霊を響かせます


5.破砕戦争〜現在の二本指


破砕戦争の結果、勝者は誰もいませんでした

狭間の地が、ただ無惨に荒廃しただけでした

”今や世界は、生命は、どうしようもなく壊れている”

二本指談
統治する神も王もなく
黄金樹のパワーも弱まり
王座を奪い合う戦争で世界が荒廃し
腐ったり胞子が飛び散ったりアンデッドが跋扈したり
亜人や罪人が謀反を起こしたり狂い火が流行ったり
狭間の地は今めちゃくちゃです

二本指は、デミゴッドたちに見切りをつけます
この時点でラダゴンはもはや役に立ちません
黄金律原理主義者に育て上げても、守るべき黄金律が壊れているのではどうしようもないのです

現時点でのプランAの進捗をまた見ましょう

マリカを失脚させる前は、ここまで進んでました

①カーリア王家をローデイル王家に服従させる ←済
②炎で焼き払い、坩堝の混種を根絶する ←済
③黄金樹の聖なる生命力で、坩堝の病原体を根治する ←済
④忌潰しなどの専門家を使い、残ったノクスの勢力を狩り尽くす ←推進中
⑤交配に加え、還樹と永遠のエルデの種族を保護する ←済


マリカを失脚させたら、こうなりました

①ラニが二本指の支配から逃れ、カーリアの独立を取り戻し反旗
②炎の蛇ライカードが褪せ人を狩り、ラニと共に背律を企てる
③黄金樹の聖なる生命力が衰え、坩堝の病原や腐毒が蔓延している
④モーグが王朝を建国し、しろがね人たちを保護する
⑤ゴッドウィンが業瘡となり、死に生きる者たちが増え続ける


なんということでしょう


達成していた進捗が、全部なくなってしまいました

これが宵眼の得意とする「星見」です

男女の仲一つで、金銀の勢力の星は引っくり返るのです

マリカを大事にさえしていれば……今頃エルデの黄金は安泰だったでしょう

二本指の、これが愚かなところです

彼は母の偉大さを知らなかった

産まれたときから壊れてましたからね

可哀想ではあるんですけど

でも同情はできません

プランAの修復

もう新たに神を作っている余裕はありません

現状、新たな王を迎え、エルデンリングを修復する他ないのです

そしてそれは、マリカがかつて逃がした、戦士褪せ人

彼らを黄金律修復請負人として蛮地から予備戻す以外にない

幸い彼らは、蛮地で戦い続け鍛え上げ、強い

このままノクスの勢力にねじ込まれるよりも

ゴッドフレイの子や弟子たちにこの地を任せる方がずっとましです

ここではじめてマリカと二本指の思惑が一致します

今はとにかく一人でも多くの褪せ人を狭間の地に送り、玉座獲りにチャレンジさせたい

故にマリカにも祝福の導きを与える権限を認めました

二本指はマリカに従ったのです

そうしてマリカは、ゴッドフレイらと共に、あなたを呼びました

冒頭のメリナのセリフに戻ります

いかがでしたでしょうか

これまで全く知らなかった、二本指のバイオグラフィー

彼はこんなに苦労して、ノクスの勢力と戦っていたのです

しかし彼自身もまた、ノクスの潜在的意識同様、個人の自由意志を認めませんでした

故に、マリカの自由意志に敗北したのです

各エンドがどのような意味を持つかは、別に詳述しています
各エンド考察
ラニエンドの考察
ミケモラダーンエンドの考察

この中のどれかは、おそらく二本指のプランAが回復してうまくいくエンドです

二本指のプランが成功するか

これもまたあなたの自由意志に掛かっています




以上、今回は「二本指」を考察しました
次回は「エルデンリングと黄金律」を考察します







他の考察はこちら↓






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