ラニエンドの考察
はい、こんにちは
考察界の”ラニは俺の嫁”、考える金仮面卿です
今回もエルデンリング考察、進めてまいります
前前回はレアルカリア魔術学院を通じてカーリア家を考察しました。その中でレナラは、しろがね人で、宵眼直系の王家女王、トロルの血を引き、その特性は三人の子らにも受け継がれている、という驚きの事実(たぶん)が明かされました。今回はラニの生い立ちから、ラニエンドまで、ラニ全般を考察します
1.ラニの生い立ち
主人公とラニは、漂着墓地から出て少し北にあるエレの教会で序盤に出会いますが、それまでのラニはどのような人生を辿ったのでしょうか
これまで考察で明らかにした部分を前提にしつつ、簡単にまとめます
①レナラとラダゴンの間の三番目の子(長女)としてカーリア王家に産まれる
↓
②彼女の特徴は
赤髪(遺体のモデルに残った毛髪の色から)、長身(トロルの子孫のため)、聡明(魔術に長けるため)の子として育つ。性格は勝ち気で高飛車だが、失礼なことを言っても2回までは殺さずに許す寛容さもある
<ラニはでかい>
神授塔で変わり果てたラニの遺体と共に、死の呪痕を発見
したとき、隣に寝そべってその大きさを測った方いますか
かなり大きかったことが分かります。しかもよく見ると、
遺体の足首は欠損していて、実際はもっと大きいはずです
恐らく主人公の1.5倍から2倍の間……
出会ったときはラニは人形に憑依し、タイニーな第一印象
ですが、実は大きいのはラニに限らずRの子ら三人の特徴
です
これもまた、レナラ一族トロルとしろがねの末裔説の根拠
です
あと、遺体だから欠損していても不自然ではない状況で、
さりげなく足首から下がない、というのも、ここでも
非歩行カムフラージュが徹底されていると思います
↓
(幼少期)
③父ラダゴンが母を棄てマリカの王配となったため、ローデイル王家の外戚としてデミゴッドになるも、そのせいで母は壊れ、血も涙もない父には疑念と恨みがある
↓
④生まれてすぐ二本指により神人としての資格を与えられる(自説はラニが産まれる前に王都に神託の使者のユキダルマが現れ新たな神の到来が預言されたため以降の3人が神人に指名されたと考えている)
↓
⑤4人のお付きの従者を得る。鍛冶師(軍師)イジー、獣人ブライヴ、輝石竜アデューラ、魔術教授セルブス(段階的かも)
↓
⑥暗月の魔術という、王家のそれとは別の系統の魔術に己の道を見出し、幼少時代から老いた雪魔女に師事する
<雪魔女と出会った「森の奥」>
個人的にはこの森とは、ウルドの王朝遺跡前の森であり、
その奥とは、ウルドの王朝遺跡だと思っています
理由は後述します
↓
(〜成人期)
⑦リエーニエの森の奥で、冷たい暗月の魔術を会得した後は、北東のスリーシスターズの地、ラニの魔術塔に移り住む(カーリア城館の幻影で、ラニが帰還して喜ぶ従者のような者がいる。カッコウの屍を築くとの剣碑もあることから、城館を源流派らに攻め込まれそうになったところをギリギリ帰還して危機を救ったラニ、といった逸話があったものと思われる)
↓
⑧カーリア当主の地位をレナラから譲り受ける
王女は単に王(女王)の娘という意味だが、なんとなく「当代の王女は唯一人、レナラの娘、ラニである」の一文は、レナラ隠居後カーリアの実権を任されているというような力強さを感じる。心を病み書庫に幽閉され産み直しを繰り返す母レナラ。ラニが雪魔女の師事を終えた頃からレナラはそうだっただろうから、ラニが王家を切り盛りするしかないだろう(ラダーンはケイリッドでフレイ推しの独自の勢力を築いているし、ライカードは火山館の執務で忙しい)
⑨ラニは自身の神人たる運命と二本指の束縛を嫌い、陰謀の夜に加担、手に入れた黒き刃で自刃。自身の肉体のみを葬る。肉体を滅ぼして運命を逃れるという方法は、種違いの姉レラーナの選択から着想したとも考えられる(前回考察)
この場合ノクスの運命ではなくエルデ神人の運命から逃れるため、原輝石化以外の肉体滅却方法によらねばならなかった
<神の依り代としての肉体>
本作では肉体は一貫して、魂や神性の器(依り代)として扱われている
・秘儀の巻物にはその旨明示されているし
・外なる神性の禁忌が宿っているのはマリカの肉体だから、ラダゴンの
肉体からは禁忌の子は生まれない
・レラーナは肉体を捨て原輝石化することでノクステラの神性の束縛
から逃れた
・ゴッドウィンは肉体だけ生きており、魂は嵐鷹の王の遺灰として
ノクスに回収されてしまっている
・ミケラは繭の中に血を注ぎ、別の肉体(幽鬼)に魂を載せ替え
再誕した。おそらく宵眼の女王が老いた雪魔女になったのも同様
そのような理解で考えると、ラニが肉体を失うことで二本指の干渉、
つまりエルデの神性の排除を成功させたのも合理性がある
↓
⑩魂は以後、老いた雪魔女を模した人形(ラニ人形)に憑依し話したり動いたりする
↓
⑪ある夜、リムグレイヴのエレの教会で、トレントを連れた主人公と出会う
→ 現在に至る
2.主人公との出会い〜星が動き出すまで
まず繰り返しますが、ラニの話にはミスリードがあるので注意すべき、というのが自説です。
第一印象が小さな魔女人形といった感じですが、実際、肉体があれば主人公の1.5倍以上は身長が大きい(神授塔の遺体は大きかった)。また、最初会ったときレナという偽名を使います、それもミスリードやフェイクです
<ラニが雪魔女の姿を模した人形を依代に選んだ理由>
なぜラニはそもそもこんな姿をしているのでしょうか
①老いた雪魔女の弟子であり彼女を慕っていたから
これは多くの考察者さんが採っている説です。もちろん
理由の一つにこれがあると私も思います
②老いた雪魔女が、四本腕の乗馬幽鬼だった
宵眼の女王は繭に血を注ぎ幽鬼の姿で再誕したのでは
ないかと考えています。幽鬼はみな年老いた亡者の
ような姿ですが、ミケラのように潤沢に血を注げば
若々しい姿のまま再誕できるのでは?
なお、手が四本で馬に乗るリエーニエの幽鬼は英語
では「wraith caller」という名があり「霊喚び」
それは後述のようにラニに霊喚びの鈴とトレントを
託した老いた雪魔女の役割そのままの名前です
③歩けないことを隠すため人形となった。人形で
あれば、ずっと座ったままでも不自然ではありません
(非歩行カムフラージュ)
④さらなる理由は、今回考察の最後に明かします
ラニ自身結構さばけているというか、企みに寛容です。それはラニ自身も使うからかも知れませんが
ラニは、主人公に「霊喚びの鈴」と「はぐれ狼の遺灰」をくれる前に言います
このセリフの意味「トレントの古い主」とは誰でしょうか
考察者さんの多くは、この「トレントの古い主」をミケラと解しています
その理由は、DLCのティザーイラストでトレントと思われる馬に、ミケラが乗っているからでしょう
しかしそう解すると不自然なことが多々あります
①ミケラは、光輪などの黄金樹原理主義の戦技を使いますが、遺灰のような死にまつわる攻撃アイテムを使うイメージがありません。はぐれ狼を持つ理由がないのです
②また、百歩譲って渡すにしても、メリナに一緒に託せばいいはずです。ミケラは少なくともトレントをメリナに託しているので、そのときに霊喚びの鈴とはぐれ狼をいっしょにメリナに託せばいいと思います
③渡される遺灰は、はぐれ狼の遺灰。これは、宵眼の女王の石像に描かれた三匹の狼からも分かるように、明らかにノクス勢力に縁のある遺灰です。狼紋章の盾のテキストには狼は「カーリア家の盟約の獣」と明記されているこれをミケラが持っているのはおかしい。もともとカーリアの王家関係者が持ち、管理していたと考えるのが自然です
③霊呼びの鈴も同様です。黄金律原理主義のミケラと、攻撃手段としての霊呼びは、イメージが合いません。操霊はむしろノクスの十八番の技術です。はぐれ狼の遺灰と共にこれもカーリア関係者が持っていたと考えるべきです
以上より、トレントの古い持ち主はミケラとは解しえません
では誰が持っていたのでしょうか。
一番すっきり説明できるのは、ラニの師匠である「老いた雪魔女」が昔から持っていてラニに託した、と考えるのが自然です
では老いた雪魔女とはどのような人物か? が問題になりますが、これは最後に説明した方がわかりやすいので、後にとっておきます
次に、ここでラニの最終目的についてはっきりさせましょう
ラニの最終目標。それは暗月の律を掲げて、星の世紀エンドを実現させること。そのための連れ添いとなる、英雄たる王を見つけること。
もちろん出会った時点ではまだ、主人公はラニにとって、数多いる褪せ人の一人です。
しかし、メリナが直々にトレントを託すような褪せ人には、王配を見つけたいラニとしても、粉をかけておきたいはずです。過去に何度も道半ばで敗れた褪せ人はいたでしょう。その度に褪せ人の亡骸から、メリナはトレントと指笛を回収し、ラニははぐれ狼の遺灰と喚び鈴を回収したのでしょう
つまりこれは、ラニが王配を探す最初の事前段階の、いつもしている作業です。メリナからトレントを指笛を託された褪せ人に、自らもはぐれ狼の遺灰と、霊喚び笛を託す
ここでも、黄金と白銀の対比がされ、主人公たるプレーヤーに2つの道が提示されている、とだけ押さえておきます
引き続きラニルートをつぶさに見ていきましょう
次にラニに合うのは、ラニの魔術師塔です
そこで再会するためには少なくともブライヴと知り合い、猟犬騎士ダリウィルを倒し、ブライヴの信用を得、鍛冶師イジーに紹介して貰う必要があります
ここでラニは従者を経由して、主人公の値踏みをしている段階なのですね
そうしてやっと魔術師塔にラニがお目見えし、主人公は従者として仕えることが許されます
仕えるとそこで、ラニはある任務を主人公に託します
ノクローンへのお使いと、セルブスへの面通し
魔術教授セルブスの役割として最も大きいのは、セルブスの紹介状を書かせ、セレンを経由して、ラダーン祭り開催のフラグを立てる ことです
<セルブスの役割>
ラニイベントでのセルブスの役割が、今ひとつ不明な褪せ人
様もいるかも知れません
どうやらピディというしろがね人の使用人が本体で、その
傀儡がセルブスなの分かるけど、何がやりたかったのか
物語上、ラニを傀儡にしようとしたヘンタイ、くらいの
イメージしかない方も多いのでは
上述のようにセルブスの役割として最も大きいのは、セルブ
スの紹介状を貰い、セレンを経由してラダーン祭り開催のフ
ラグを立てることです
が、もう一つ物語上重要な役割があります
それは、セルブスの調合した秘薬をネフェリ・ルーに渡して
飲ませ、彼女がリムグレイブの別系統の黄金の王家を継ぐ、
その道を断つことです
この点、ここまで読まれた方ならもうご承知と思いますが、
ネフェリはゴッドフレイの遠い血族であり、ゴッドウィン
(リムグレイブでは嵐鷹の古王)の正当な後継者となるべ
き人物です
その芽を摘む陰謀に、ラニの従者が加担している
ここで一つ、ラニ(白銀)とネフェリ(黄金)の対立構造
があります
ただのエッチな傀儡愛好家(たるピディの傀儡)ではない、
ということです(いや、ただのエッチな傀儡愛好家かで、
結果的にゴッドウィンの王家復興を阻止しているだけか)
3.ラダーンの星砕き
ラダーンは、かつて白王から学んだ重力魔法で、サリアに降り注がんとする流星を砕き止めました
流星が降ってきた理由は、偶然降ってきたとも考えられますが、自説からは、ケイリッドは赤獅子城に古く伝わる「遺跡の大剣」に重力の神性が宿っていたため、それが干渉して呼んだのではないかと思っています
また、サリアの結晶坑道には「星降る獣」がいるため、それが隕石を呼んだとも考えられます
星降る獣はアステールの幼獣であり、アステールの眷属は黄金の勢力の助っ人であるところ、サリアの魔術街のボスはノクス僧や夜巫女であり、今なおこの街は大逆を狙っている、と母星に送信したのではないでしょうか
ただ、ラダーンとしては、シンプルにケイリッドやサリアの民たちを守ろうとして流星を止めただけなのだと思うので、隕石が降ってきたその原因は特に重要でない気がします
いずれにせよ、ラダーンが星を止めたことでカーリア家に大事が起こりました
ノクローンはかつて大いなる意志に滅ぼされた都で、そこには指殺しの刃がいまも眠っています
ラニは大願を果たす前に、ぜひともやっておきたいことがあって、それが指殺しの刃で二本指を斬りつけることなのですね
そのために肉体を捨てて指の干渉を逃れたといっても過言ではない
なぜここまでラニは二本指を目の敵にするか、については一つ考察の余地があります
このあたりは、ラニが宵眼の女王直系の王女であるという知識を前提にすれば、とても良く理解できる話です
ノクローンを滅ぼされた恨みを世代を超えて晴らす話です
かつて宵眼がメーテールに対しそうしたように、ラニもまたカーリア王女として同じように二本指に斬りつける。同じ得物で
孤独な暗月として狭間の地を発つ前に、一族としてのケジメをつける
だからこそノクローンへ行く必要がある、ということです
ただ、そこへの道を開くには、星を止めているラダーンが障害で、それを倒す必要がある
そのために開催させるのが、ラダーン祭り、という流れです
<カーリア王家を動かす星とは>
ここでの「星」は、単なる流星という意味にとどまらず、
「運命」と同義と捉えられています
ノクスの民はもともと、星見という技術が発達していま
した
天体に「運命」を見る、という意味で占星術に近いもの
と思われますが、ノクスの民が、交配を通じて王位を
獲得することを目指す種族(王を志向する盲目の集合的
意志→前述)であることから、特に「運命」は
「王族たる男女の恋愛関係」
を意味する、と解するのが自説です
「カーリア王家の運命を動かす星」というとちょっと何
を言ってるかさっぱり、ですが、「カーリア王家の運命
を左右する恋愛が動く!」と考えると、すごくトゥンク
で分かるやすくなります
そう考えると、このように状況を単純化できます
ラニが夫選びをしている
ラニのお兄ちゃんは、ラニの結婚相手の前に立ちはだかる
そう簡単に結婚させんぞ、と
お前は妹を守れるほど強いのか
だったら俺の屍を乗り越えてみせろ、と
ラニの恋愛に待ったをかけているのですね、兄として
そして主人公は実力でラダーンを倒した
お兄ちゃんも納得、これなら妹を任せられる、と
通ってよし、となるわけです
そうしてようやく、指殺しの刃も、ラニの遺体の残る
神授塔へ至るカーリアの逆さ像も貰えるわけです
災の影もそうですね。ブライヴのメタファーNPC(前述)
ですが、これも(義)弟として、ラニへの求婚相手に立ち
はだかります
倒すことによって、結婚指輪たる暗月の指輪に至る鍵を
渡してくれる
このように、「星が動き出す」=「運命の恋愛が動き出す」
と考えると分かりやすいし、そう考えて差し支えないです
4.ラニエンドへ
このあたりの段階になると、レナの魔術師塔の封印が解かれて、中にある雪魔女セットも手に入ります
エインセル河本流にて「小さなラニ」人形を入手
ラニ本人は、返り血を浴びながら、マヌスセリスの地下で二本指への復讐を果たしたことを主人公に告げます
もうこの頃には完全に、主人公を信頼して心を開いています
さらに、リエーニエの神授塔でラニの遺体を発見、死の呪痕、星見少女の伝説のタリスマンの入手、更に、ラニへのプロポーズに必要な暗月の指輪など、大事なアイテムが次々と手に入ります
美しい星が2つ浮かぶ月光の祭壇で、ラニに暗月の指輪をはめ、愛を誓います。これでラニエンドへのフラグが立ちます
一方で、大逆を果たしたラニへの返報として、二本指の放った刺客(黒き刃)が次々とラニの従者を襲います。従者たちの死に関しても考察の余地はあるのですが、それは多くの考察者さんに譲り、私はラニに関してのみ考察を進めます
最終戦でラダゴン、及びエルデの獣を倒し、ラニを召喚すると、専用エンディング、「星の世紀」に到達します
星の世紀エンドの意味
多くの褪せ人様は、このラニエンドを真のハッピーエンドだと言います
確かに、ラニは俺の嫁ですしとにかく他のエンドに比べて美しいので、幸せで、良いエンドだと思います
ただし、ラニを、しろがね人としてのラニ、と考えた場合はどうでしょう
このとき黄金の勢力はどうなるの? という話です
・デミゴッドたちは、ほとんど褪せ人に倒されている
・マリカ、ラダゴンともに黄金樹の封印の中で壊れて自律復活は困難
・二本指もエルデの獣も倒されたため、修復することができるのはプレーヤー褪せ人のみ
・しかしプレーヤーはラニと共に狭間を離れる
・唯一の希望だったネフェリも、セルブスによって傀儡化されている
黄金の勢力は壊滅状態。回復不能な無秩序状態で、狭間の地を次に支配するのは何でしょう
そう、しろがねの血の、交配に任せた大繁殖です
亜人や獣人や竜人兵
混種や混じり角
これらはすべてノクスの細胞と混種の神性のなせる技です
これらが爆発的に増えます
一方の黄金の民は永遠に亡者のように生きながらえるだけで、新たな子を産みません
ラニは、狭間の地に不干渉を唱えて星を後にしました
しかしそれは、無秩序の放置を意味します
その先にあるのは、しろがねによる征服
エルデの地はノクスの地となって、征服完了
すでにそのことを見越して、星の世紀とノクス僧のフードに書いてある。
ノクス僧のフードに書いてある以上、ノクスと星の世紀を実現するラニの関係は疑いようのない事実なのです
星の世紀エンド、それは、白銀の勢力によるチェックメイト宣言を意味するのだと思います
5.老いた雪魔女の正体
最後に一つ、おそらく世界でまだ誰も解明していない、老いた雪魔女の正体を考察して、裏エルデンリングの考察を終わります
雪魔女装備ですが、気になることが2点
①使われているのは、どうやら狼の毛皮である
②それとは別に、ローブから、編み癖毛のツインテールのような飾りが下がっている
狼、ツインテール
「宵眼の女王」
老いた雪魔女とは、宵眼の女王、その転生体なのではないでしょうか
だとしたら、様々なことがいっぺんに説明できます
①雪魔女という名
カーリアの魔術は、星見が発祥であることは繰り返し見てきました
星見は、聖別雪原の高地で発達しました
星見がその後発達して、冷たい暗月の魔術になります
暗月の魔術は、霊力をその原動力とする
青白いエフェクトを放つ、祖霊魔術。それは寒冷地で冷たい魔術となりました
それが全ての魔術の元祖となる、「冷たい暗月の魔術」です
また、霊を戦闘に活かすという発想は「遺灰」とも共通しています
恐らく遺灰も、宵眼の女王の開発した技術です
冷たい暗月の魔術は、アステールの襲来を経て、輝石魔術に塗り替えられました
星見も廃れ、冷たい魔術は現在異端とされています
ラニは、そんな異端の冷たい魔術を、老いた雪魔女から直接教わっています
これは、老いた雪魔女が、宵眼の女王本人の転生体であることを示しているのではないでしょうか
繭から幽鬼の肉体を借りて再誕し、幽鬼には馬に乗り手が四本の個体がいることも前述しました
宵眼の女王が、老いた雪魔女として再誕していると考えることは設定上十分可能なのです
②ラニは、幼い頃、森の奥で雪魔女に出会った
リエーニエ北東の森の奥には、ウルドの王朝遺跡がありました。それは、宵眼の故郷です
幼いラニが雪原に行くのは無理ですから、宵眼の女王の転生体が自らの生まれ故郷、ゆかりの地に降りてきてくれたのでしょう
その地でラニが魔術を学ぶのも、老いた雪魔女を宵眼の女王と解すると自然なことなのです
③ラニは、出会った時、トレントの古い主からはぐれ狼の遺灰を託された、との趣旨のセリフを言いました
ですが、そもそも、ミケラはどうやってトレントを得たのでしょうか?
ミケラは本来、遺灰を持つようなキャラクターではないことは前述しました
でもトレントは一時、ミケラと共にあった
入手経路は?
野生の霊馬を見つけて捕まえたのでしょうか
そうではなく
もしトレントもまた、もともとラニの持っていた遺灰の一つなのだとしたら
そしてトレントも、はぐれ狼も、それらの遺灰はラニが、修行時代に老いた雪魔女から託されたものだとしたら
この古い主とは、ミケラではなく、老いた雪魔女、すなわち宵眼の女王なのではないでしょうか
確かに、ミケラから託されたのであれば、古い主、ではなく、前の主、とか言うでしょう。古いというからには、かなり昔の持ち主と解するのが自然です
はぐれ狼の遺灰、霊喚びの鈴、霊馬トレント
これらの所有移転は次のような関係になります
まず宵眼の女王が開発して所有
↓
宵眼がマリケスに倒され、聖樹(またはかつての血の祭壇。あれも今はモーグが借りて使っているだけでもともとはウル爺の像が並ぶノクスの施設)で繭になり、老いた雪魔女(四本腕)として再誕、再び所有
↓
ラニに森で稽古をつけ、そのときラニにはぐれ狼の遺灰、霊喚びの鈴、霊馬トレントを信託する
↓
ラニはある目的(詳しくは約束の王エンドの考察で述べます)で、トレントだけミケラに貸与。ミケラはそれに乗り影の地を偵察する
↓
ミケラは自分で黄金の指笛を作り、ラニに返すのではなく、メリナに託す
なぜこのように迂回したのかも約束の王エンドの考察で述べます
↓
メリナは指笛と共に主人公にトレントを託す
↓
ついでラニが現れ、残りの霊喚びの鈴とはぐれ狼の遺灰を託す
「トレントの古い主」を老いた雪魔女、すなわち宵眼の女王と解しても、問題なく現状のやりとりを説明できます
これが自説が「古い主はミケラではない」と主張する根拠です
ミケラがカーリアの遺灰の主であるという不自然を回避するには、この説明しかないと考えます
④ラニ人形のモデルが、雪魔女である理由
しろがねの血を引く各キャラクターには、個別の表層意識があります
しかし、深層意識では個は意味を持たず、盲目の集団的意識が支配して王を排出する、という性質があるのは前述しました
その場合、このラニ人形の魂の深層意識は、ラニである必要がありません
ラニの心を支配するのは、集団的意識の長、宵眼の女王でもありうるのです
最初の王としての、宵眼の女王の姿
それがラニ人形の老いた雪魔女だとしたら
ラニが雪魔女をモデルにした、のではなく、宵眼の女王がラニを乗っ取った
それがノクスの血族を見たときの、正しい王の理解なのかも知れません
老いた雪魔女が、宵眼の女王の再誕である根拠を続けます
ラニは出会ったとき、偽名を使いました
しかし、ラニの深層意識を支配していた主を考えるとき、それは偽名ではなかったのかも知れません
”ラニの言葉には、ミスリードがある”と前に言いました
思えば不自然です
・なぜラニの魔術師塔よりもずっと後に、さも、より重要な塔であるかのように、「レナの魔術師塔」が開放されるのか
・なぜ「そこ」に、老いた雪魔女装備一式があるのか
・そもそも、名はシンプルなものから、世代を超えて複雑になってゆくものです
レナ → レナラ → レラーナ
お分かりでしょうか
「レナ・カーリア」
それが宵眼の女王の本名です
ラニは最初に会ったとき、偽名を使ったのではないのかも知れません
心はすでに宵眼の女王たる老いた雪魔女に支配されていた
だからうっかり、深層意識の本名を名乗ってしまった
そう考えると、否定しても否定してもトレントを”喚んでいるのだらう?”と食い下がってきたレナの気持ちも分かります
自分の愛馬なのですから、愛着があって当然です
(メリナは、ああ……それと、というついでの感じ、いっけね忘れるところだった、という感じでトレントを渡してきます)
まだめくろうと思えばラニの闇はめくれます
例えば英語翻訳版のラニのセリフにはすごい爆弾が仕掛けられ、あまりの影響の大きさに「これは誤訳」と信じる層が一定数いるほどです
しかし、単なるテキストの誤訳にとどまらず、演技をつけてセリフを吹き込んでの英語文なので間違いようがない。残念ながら誤訳ではありません
ラニは俺の嫁ではない、さらなる闇をめくる覚悟がある、と思う方のみ、こちらの「禁域の考察」の後半をお読み下さい
英語翻訳を交えて初めて分かるラニエンドでのラニの本心が見えてきます
今回はラニエンドを考察しました
これで裏エルデンリングの考察は終わりです
次回は「約束の王ラダーン」の考察です
他の考察はこちら↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?