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e.lab教育デザイン研修(第2回)

' 北欧の教育をベースにした '' e.lab教育デザイン研修第2回のレポートをまとめていきます。

第2回研修の目的は、大きく3つありました。

① 自分のコアを知る時間
② そもそも今、なぜ探究なのか?
③ 探究ってなんだろう?
(様々な教育メソッドから探究を紐解く、探究における大人の関わり方)

このe.lan教育デザイン研修のベースになっているのは「探究」です。

「探究」には、「これからを生きる子どもたちを育んでいく教育者に探究という視点を広げていくこと」ことに加えて「自己のキャリアを探究すること」も意味に込められています。

フィンランドで1年間教員として関わる中で、学校現場において、一人一人が自身のキャリアをデザインしていく力を身につけていくことが大切にされているのを感じました。

「あなたは何を学びたいのか?」
「あなたは何をしたいのか?」

フィンランドでは、一人一人に合わせた教育を受けられる機会は整っていますが、自分自身が何をどうやって学びたいのかを「自己決定する力」がより求められます。

そこで、フィンランドでは、小学校から探究的な学びが行われています。日本でいう、選択科目の授業のようなもので、子どもたちは自分が興味あることを選択して授業を受けていきます。また、学び方も、先生が0から全てを教えるのではなく、自立して学ぶ力を育むことを目的に、探究学習(プロジェクト学習、課題解決学習)が普段の授業で取り入れられています。また、キャリアを探究していくためには、キャリアガイダンスの授業も中学校から行われています。

では、研修のポイントをお伝えしていきます。

① 自分のコアを知る時間

コアトレをする目的は、「自分の持っている概念や、自分の根っこにある価値観を知ること」です。この研修では、哲学的な対話を通して、答えのない問いに対して「そもそも」を考えていきます。「そもそも」を考えていくには、思考する体力やお互いに思考を深めていく方法を知ることが必要になります。

今回の研修では、ウォーミングアップとして「あなたにとって印象に残っている授業」について研修生同士でコアトレをしていきました。

(研修生のレポートより...)

印象に残っている授業…先生の人柄(話し方、怒られた経験、字のクセなど)として残っていることは少しはあるが、「授業」としてどの単元がおもしろかった、という記憶はほとんどないんだなぁと不思議に思った。知識を伝達する機会として定着を図ることは間違いではないが、それだけでは子どもの「学びたい欲」を満たすことはできないし、知識を得るだけで終わってしまう。授業を通して「学び方」を身につけることがもっと大事だと思う。
印象に残っている授業を通して、これから教育に関わっていく大人が、子どもたちに何かを伝えるときに、何を大切にしたいのかをその人の価値観が垣間見える時間になりました。

② そもそも今、なぜ探究なのか?

e.lan教育デザイン研修のベースになっているのは「探究」ですが、そもそもなぜ「探究」をテーマにしているのを考える時間を作りました。私たちは「これからを生きる子どもたちを育んでいく教育現場に探究の視点をもった教育者を増やしていくこと」と考えていますが、そのためには、この研修を企画している私たちが、研修生に「なぜ探究なのか?」を「ジブンゴト」に捉えてもらう機会を作る必要があります。

この研修では、インプットとして伝えるだけでなく、ここに集まった一人一人の経験や価値観を引き出しながら研修を設計していくことを大切にしています。

そこで、まずは「そもそも今、なぜ探究学習なのか?」をグループで考えてもらいました。何かをインプットとして教える前に、自分自身の経験や価値観と向き合うことで、「ジブンゴト」として感じてもらえるように研修を設計していきたいと思っています。

(研修生のレポートより...)
・なぜ今探究学習なのか?…教育のトレンドとして探究的な学習、主体的・対話的で深い学びをしていこうとはなるが、じゃあそもそもなぜ必要なのかはちゃんと考えたことがなかった。話していく中で自分は「多様性」のところがハマるかなと感じた。高度経済成長期に必要とされていた、与えられたことを一通りできるような人はもう必要なく、個人でできること得意なことを生かして社会に貢献していくことが求められるようになったからこそ、自分の興味関心に応じて自ら行動できる人の育成に力を入れているのかと思った。共有の中であった、手段と目的についても、大人がしっかりとした提示をすることの重要さを感じた。

今、教育現場では、そもそもを考える前に「プログラミング教育」や「英語教育」「探究学習」というように言葉だけがおりてきている現状があります。この研修では、「そもそも」を考えることで、「何のために学ぶのか」を一緒に考えることを通して、「ジブンゴト」として考えられる教育者を増やしていきたいと思っています。

③ 探究ってなんだろう?
(様々な教育メソッドから探究を紐解く、探究における大人の関わり方)

「探究学習には正解はありません」

研修の最初に、必ずお伝えしていることです。今回の研修では、モンテッソーリ教育、シュタイナー教育、フレーベルの教育、レッジョエミリアの教育事例を通して、様々な教育メソッドに息づく探究の要素について考える時間を作りました。

(研修生のレポートより...)

この研修の後「5分考えても、答えが出ないときに、友達に聞いていたのですが、これは探究学習ですか?」と質問がありました。

「その時の感情はどうであったかによって変わってくるんじゃないかな?」と返しました。普通の学びと探究的な学びの違いとして、「人がそもそも持っている"知りたい"という感情を大切にできているのか?」「学んでいる時に、気持ちがワクワクしているのか?」が大切ではないかなと対話を通して深めていきました。

このe.lab教育デザイン研修(1期生)では、「探究」がベースになっています。

研修の中では、自己や他者との対話を通して、教育のリフレーミングの機会になればと思っています。

「あなたは探究していることはありますか?」
「あなたのキャリアの軸ってなんでしょうか?」

探究は人生をより豊かにしてくれるのではないかなと思っています。

一緒に考えていけたらと思っています。

ここまで読んでくださり、しったいみへでぃろど〜!


ちかちゃん

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