レッサーパンダの話。(レトロニムの話。)

どうも奴です。

レッサーパンダを見るととても申し訳なくなるわけですね。


まあレッサーパンダ側からしたら申し訳なくなってくれなんて思ってないだろうけども。
レッサーパンダを見ると申し訳ないなと思うに至ったきっかけが2つあります。


きっかけ.1 : 意外と2本足で立てる個体がいる。


僕が小さな頃にどこかの動物園で"風太くん"って名前のレッサーパンダがいて、2本足で立つ姿が愛くるしいって連日ワイドショーで取り上げられてたんですね。

んで少し経って僕は「レッサーパンダは意外と2本足で立てる個体がいる」ということを知ったわけです。

それはそれは申し訳なくて、例えば、宇宙人が人間の個体を展示する人間園があったとして、そこに展示されてる1個体の僕がよく口笛を吹く癖があったとして、それが宇宙人のテレビ局のディレクターの目に止まったとして、連日ワイドショーの人たちが取材しに来たとしたら、きっと僕は「いや、確かに僕はよく口笛吹くけども、意外と他の人間も吹けるんよ…僕だけの特技ではないんよ…なんなら僕よりうまい人もいるんよ…」って思うだろうなと思いました。

きっかけ.2 : 元々"パンダ"とは"レッサーパンダ"のことを指す。

これは高校生くらいのときに何かで知ったことなんだけども、元々"パンダ"というのは"レッサーパンダ"のことを指していたらしいんですね。

そのあとに"ジャイアントパンダ"(白黒のおっきい奴)が見つかって、ならこっちは"レッサー"(小さい)パンダだなって、なったらしいです。

これも例えるのならば、元々僕は"奴"って名前でこれまでやってきたのに、同じ"奴"っていう凄い有名な芸能人が誕生しちゃったら、"小奴"って呼ばれるようになった。的な話でそれはそれは悲しいなと。

んで、面白いなと思ったのは、この"レッサーパンダ"みたいな単語は世の中に沢山あって、しかも

"レトロニム"

っていう名称まで着いているということ。

レトロニムの例をあげるとキリがないけども

・無声映画
(元々"映画"といえば"無声映画"だったのに、"トーキー"みたいな音ありの映画ができて、そちらが"映画"と呼ばれるようになったので"無声"とつけられた)
・アコースティックギター
(元々"ギター"といえば"アコースティックギター"だったのに、"エレキギター"ができて、そちらが"ギター"と呼ばれるようになったので"アコースティック"とつけられた)
・固定電話
(元々"電話と"といえば"固定電話"だったのに、以下略)

とにもかくにもレッサーパンダには大変申し訳ないなと思うわけですね。名前を剥奪されて「小パンダ」とか言われた上に、他者に特技を勘違いされて囃し立てられるという。
まあレッサーパンダ側からしたら申し訳なくなってくれなんて思ってないだろうし、そもそも種別名を設けてくれなんて思っていないだろうけども。

以上です。文責:奴

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