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今日の新聞[2021.6.17]

新聞を整理していたら、以前の日付の記事が目に留まった。「遅効性」という言葉に引っ掛かったのだ。

朝日新聞2021年6月13日付の文化欄の記事「時評の難しさ 問われる私」のなかで、鴻巣友季子さんが文学の基本的特性は「遅効性」であると説いていた。にもかかわらず、時流と絡めて文学を語らなければならいない「文芸時評」を執筆することは難しいと語っていた。

私にはなじみのない「遅効性」という言葉を見た時、新聞紙面での報道は、デジタル配信と対比させると「遅効性」があるといえるかもしれないけれど、それは長所だと思ったのです。即効性や速報性を尊ばれる世の中だけど、それでは事実を知ることに終始して、事実を咀嚼する、つまり分析するヒマはない。でも分析するという思考作業をしないと、私は人間ではなくロボットにになった気分になるので、「遅効性」って良い言葉のようなきがしたのです。

「遅効性」も尊ばれる社会であってほしいと思いました。

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