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「Sweet Jane」(The Velvet Underground)


Sweet Jane


スーツケースを持って
交差点に立っている
ジャックはコルセット、ジェーンはヴェストの格好で
まあ、俺もロックバンドの格好だけどね

昔はスポーツカーとか乗ったりしてさ
いやぁ、あの頃は今とはぜんぜん違った
詩人たちはみんな、韻のルールを知ってたし
女の子たちもみんな、瞳をクリクリさせてたし

大好きなジェーン!
大好きなジェーン!

さて、ジャックは銀行員になって
そしてジェーンの方は、と言えば
彼女は事務をやってる

ふたりで節約して貯金してるよ
仕事から帰ると、暖炉の前に座ってさ
ラジオからはクラシック音楽、おもちゃの兵隊
お前ら、抗議デモやってるガキども
ジャックの声が聞こえるだろう

「大好きなジェーン!」
「大好きなジェーン!」

踊りに出かけるのが好きな人たちもいれば
働かなきゃいけない人たちもいる、俺を見てみなよ
そして性根の腐った母親たちもいて
この世は全部ゴミだよね、とか言って来る
え、知らないの、女は失神なんてしないんだよ、とか
悪人だってまばたきしてるし、とか
顔を赤らめるとかそんなのコドモだけ、とか
人生なんて結局死ぬためにあるんだよ、とかな

でもな、いいか
一度でも真心を胸に抱いたことのある人間なら
振り向きざまにそれをぶち壊すようなことはしない
そして一度でも何かの役割を果たしたことのある人間なら
振り向きざまにそれを卑しめるようなことはしない

大好きなジェーン!
大好きなジェーン!
大好きなジェーン!
大好きなジェーン!

天国の葡萄酒と薔薇が
ささやきかけるように
彼は彼女に微笑むんだ

天国の葡萄酒と薔薇が
ささやきかけるように
彼女は彼女に微笑むんだ

ララララ ラララ
ララララ ラララ

大好きなジェーン!
大好きなジェーン!


(Lou Reed)