筑波大学 ふたつのジャージ。

つぎつぎと選手たちがゴールに駆け込んでくるなか、
「筑波大がどうやら予選会を突破しそうですね」
と、話しかけてきたのは、
スポーツメーカーA社のTさん。
筑波大といえば、A社のイメージがありましたから
「おお！それは良かったじゃないですか！」
と切り返すと、
「いや、今回、筑波はD社なんです。」と。

結果発表を待つ選手の後ろにまわって気づいた。

A社のジャージを着た選手と。

D社のジャージを着た選手がいることに。

そこにD社のYさんが現れた。
「D社やったじゃないですか！」と声をかけると
なぜか、苦笑いをするYさん。

「実は会社にいわずに、自分の気持ちだけで
　チームをサポートすることにしたんです。
　だから、すべての選手にはウェアをそろえられなくて
　トップチームの選手だけになっちゃった。それが申し訳なくて。」

だからA社とD社、ふたつのジャージの陸上部員がいるんですね。

「これだけ話題になってしまったら、
　会社の人たちも絶対知ることになります。
　会社にいわずに、サポートを決めちゃったから、
　月曜日、会社にいったら、大目玉を食らっちゃうかもなあ（涙）」

いやいや、Yさん。大金星だよ。
次は会社にかけあって、
部員全員のジャージとシューズを提供してあげてね（笑）