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【第53回】Dr.ヒロの学び直し!心電図塾X/Tiwtterまとめ

割引あり

皆さま,ご機嫌いかがですか?Dr.ヒロ(X/Twitter: @ekagemaster)です。

あれ,梅雨っていつなの?6月に入って暑い日が続いてますね。2週間もたてば上半期も終わりなんて,気を抜いているわけでなくても,本当に時の過ぎ去るスピードを日々実感します。

週刊日本医事新報にて連載3年目に突入している

『Dr.ヒロの学び直し!心電図塾』
https://www.jmedj.co.jp/premium/rlec/

ですが,今回は【第53回】となりました。いやぁ,今回も本当に楽しみな内容です!

【第53回】URL: https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=24495
【QRコード】

できるだけ多くの人に知ってもらえることを意図して,関連事項や取り上げた図表を中心にX/Twitterで紹介していきます。

もともとのポストの良さを生かすべく,できるだけ投稿した通りの内容を通しで見られる工夫をしています。


■興味深いケースから学ぶ

途中まであえて公表していませんでしたが(クイズなどの関係もあり・・・),今回のテーマは,Osborn波と低体温症なんです。単純な知識を問う2つの問題とは別に,火曜日(6/11)には症例問題を出題しました。

冒頭に掲げるサンプル心電図を用いた工夫です。実際のレクチャーでは,心電図所見や関連事項の解説に終始せざるをえませんが,1枚1枚の心電図にはすべて“ストーリー”があるのです。

多少の脚色は加えたものの,この心電図の生じた背景も読み取れる症例提示をどうぞ・・・やはり,基本的には心電図は実用ツールなんです。臨床に生かせてナンボだと思いますよ!


【症例提示】

82歳,男性。独居。数週間前からの体調不良を訴えていた。20XX年1月末の某日,訪問した友人がトイレで半裸の状態で倒れているのを発見し救急要請。
病着時:GCS E2V3M3,脈拍50/分,血圧:100/60mmHg,SpO2計測不能。来院時の心電図も示す【図53X-1】

【図53X-1】82歳,男性の心電図(救急外来)
〈URL〉https://x.com/ekagemaster/status/1800296183426089354

コメント:

 訪問してきた友人はビックリしたでしょう。その人が救急要請しています。Glasgow Coma Scaleはまぁまぁ低値で,徐拍・低血圧傾向,そして酸素飽和度(SpO2)は計測できないという状況です。当然,“第6のバイタルサイン”である心電図も記録しますが,意識障害の原因は何なのか考えましょう。


【問題】この時点での対応として適切なものを2つ選べ。

 (a) 緊急冠動脈造影を依頼する
 (b) 頭部CT検査を行う
 (c) グルコン酸カルシウムを急速投与する
 (d) 経皮的一時ペーシングを行う
 (e) 深部体温を測定する

〈URL〉https://x.com/ekagemaster/status/1800296473428676902

コメント:

 上記症例に関する問題ですが,X/Twitterの方々のアンケート結果も一緒にお示しします。結構バラけましたが,(b),(e)が約4割(41%)で最多となっています。・・・素晴らしい,正解です。

次問にも関係しますが,心電図【図53X-1】で最も目立つのは,Osborn波ですよね。この名称ですと,後述するように低体温症との関連性が高いように思えてしまいます。ただ,もう少し“総称的”な「J波」ということになりますと,考える幅が広がります。

意識障害のある患者さんで,これだけJ波がハッキリしていますと,ボクなら考えるべきは最低2つ――①高カルシウム血症②クモ膜下出血です。静脈ライン確保する際に採血はするでしょうから(救急セットには,たいがい血清Ca値が入っていますよね?),あとは頭部CTですね。
Osborn波≒低体温症のみの“一択”しか知らない人には難しいかもですが,きちんと心電図を学べている方には基本的な問題と言えるでしょう。

■J波に関連する病態

週の初めの段階では,あえてテーマ(Osborn波)を隠してクイズを出題しました。

〈URL〉https://x.com/ekagemaster/status/1799928206855664081

コメント:

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