教科担任制のメリットと留意点

教科担任制の事例集が発表されました。
メリットは、以下の4つが示されています。

①授業の質の向上
②小・中学校間の円滑な接続
③多面的な児童理解
④教師の負担軽減

私も現場で勤務している時は、授業交換を行っていました。それにより、その教科の教材研究が進むとともに、「同じ授業が複数回できる」ことにより、自分の授業力が少しずつでも高まると実感していました。
学級担任制だけでは、同じ年度内に同じ授業をすることは基本的にないからです。
また、この事例集には、デメリットに対する留意事項が書かれていることがありがたいです。よくある事例集は、キラキラした取組だけが並べられ、実際にやろうとするとうまくいかない場合があるからです。ちなみに、留意事項は次のように示されています。

● 学級担任が原則として全ての教科を教えることにより、教科横断的なカリキュラム・マネジメントが効果的に行われてきたという利点が損なわれないようにすること、
● 専科教員が担当する教科も含めて、小学校の教師が小学校で指導される全ての教科等について当事者意識を持って幅広く理解し、その連関を踏まえながら指導力を向上させ、広い視野で指導が行われるようにすること、

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私の経験からは、下段の「連関を踏まえながら指導力を向上させ、拾い視野で指導が行われるようにする」ことが大切だと思っています。
専科の先生がいると、お任せにしてしまうことがよくあります。もちろん、教科指導の面からはそれで良いと思います。ただ、学び手である児童の視点から見たとき、教え方やサポートの仕方が全く違えば戸惑うこともあるかもしれません。そうならないように、先生たちが「どのような子供を育てたいか」というイメージを共通理解しておくことだと思います。そのうえで教科担任制を取り入れることで、先生方の個性を生かしつつ、学年や学校全体で子供の力を伸ばしていけるように思います。

指導主事の方々には、学校の効果的なカリキュラム・マネジメントを推進するためにも、一読することをお勧めします。

https://www.mext.go.jp/content/20230310-mext_zaimu-000027939_1.pdf


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