学習到達度調査「PISA2022」の結果から考えること
先日、経済協力開発機構(OECD)が行っている学習到達度調査、いわゆるPISA調査の結果が公表されました。
3つの領域の全てにおいて、世界トップレベルという報道がされています。
■ 数学的リテラシ― 5位(前回 6位)
■科学的リテラシ― 2位(前回 5位)
■読解力 3位(前回15位)
この理由として、コロナ禍による休校期間が短かったということが挙げられています。もちろんそれもあるでしょうが、学校現場の先生方の努力があることは間違いないと思います。
成果:前回調査(PISA2018)での課題を解決した!
前回調査においての大きな課題は、「読解力」でした。
内容についてもそうでしが、それ以外の課題として、キーボード入力をはじめ、タブを切り替えたり、ドロップアンドドロップができなかったりという、コンピュータ使用型調査に戸惑ったという課題が挙げられていました。
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/01_point.pdf
この点を克服してきているからこそ、今回の結果になっているのだと思います。GIGAスクール構想が前倒しになって始まった中で、試行錯誤を繰り返しながら、子どもたちに力を付けてきた成果だと思いました。
私が考える今後の課題
大きく2つを考えています。
1つは、元・文部科学省の寺田拓真さんが指摘されているように、そもそもこの調査が、これから子どもたちに必要となる力を測定できているかを疑っておくということです。ただ単に「結果が良かった」では、今後の進展はないと考えるからです。問題も含めて分析し、何に力を入れていくかを判断していくことが大切だと考えます。
もう1つは、アンケート調査の中の、再び休校した場合の学習について、「自力で学校の勉強をこなす」ことについて、「とても自信がある」を選んだ生徒の割合が低かったことです。
■OECD平均 71.7%
■日本 41.6%
この点に関して、日本は自律的に学ぶ学習者を育てられていないのだろうと解釈することができると思います。
「より良く教えること」から、「よりよく学ぶことができるようにすること」への授業観のパラダイムシフトが必要ではないかと考えているところです。
では、そのために何ができるのか。
その1つに、指導主事の力量向上があるのではないかと、自分自身へのメッセージも込めて思っているところです。
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