臨機応変に大腸菌にトラフォしよう

生物系博士のえじです。出来が悪いです。
本業なはずですが基本手抜きしか考えてません。
でも皆さん、手抜きはお好きでしょう?

本日は如何に臨機応変に大腸菌にトラフォ出来るか、
実験始めたばかりの君に教えちゃうゾ!

ではまず基本のおさらいから。

そもそも大腸菌のトランスフォーメンションとはどういうことでしょう。
トランスフォーメンション=形質転換は、
大腸菌で増やしたいプラスミドがある、
大腸菌で発現させたいタンパク質がある、などの時に行います。

基本的なヒートショック法のステップはすごく簡単。
時間にして2時間ほど。

1、-80℃からコンピテントセルを取り出して氷上へ
2、20分ほど放置して溶けたら適量プラスミドを添加
3、15分〜30分氷上で静置
4、42℃のヒートブロックで45~90秒ヒートショック
5、2分間氷上に戻して静置
6、抗生物質の入っていないLBかSOCを添加し、
  15分〜60分ほど37℃で振盪して回復培養
7、プレートに塗布して37℃、O/N
8、翌朝プレート回収してコロニーチェック

まぁざっとこんな感じでしょう。
*ラボや大腸菌、プラスミド、目的によって、
細かい時間や液量は変化します。

でも、金曜日にこれやって、翌日デートって時、どうします?
誰かに頼んで回収してもらう?
それも良いでしょう。

でも、土日お休みしたい技官さんがよく使うテクがあります。

それは、

室温25℃で遮光して2 O/N、です。

金曜日にTFしたら、土日はしっかり休んで、月曜日にコロニーチェック。
何も特別なことしなくていいからみんな幸せでしょう?

まぁこの技、新作プラスミドの初めてのトラフォの時はオススメしませんけどね。
統計とった訳ではありませんが、コロニーが出来にくい気がします。

すでに出来ているプラスミドを増やすだけ、
タンパク質を作らせたい、そういう時だけご利用下さい。

ちなみに、すでに出来ているプラスミドをトラフォする時は、
デフォからここまで改変出来ます。

1、-80℃からコンピテントセルを取り出して氷上へ
2、溶けるのを待たずにすぐに適量プラスミドを添加。
3、15分〜30分氷上で静置
4、ヒートショックのステップを飛ばす。
(私は時間も短いので飛ばしませんが)
5、抗生物質の入っていないLBかSOCを添加し、
  プレートに塗布して37℃、O/N
6、翌朝プレート回収してコロニーチェック

これで、デフォの2時間から30分まで短縮出来ました。

なおこの時短レシピ、
抗生物質がアンピシリンだとかなり有効な手立てですが、
カナマイシンやそれ以外だと著しく効率悪かったりするので、
貴重なサンプルではやらないように。

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