詰まるオープンカラムの対処法

タンパク質精製の時、ヒスタグ精製でもハロタグ精製でもなんでもいい、
ビーズと十分に攪拌した細胞破砕液、
いざオープンカラムに詰めて、コックを開けてフロースルーを回収!

う。。。うううう?

そうです。詰まりました。よくある話ですね。

ポタ・・・ポタ・・・ポタ・・・ポタ・・・

いつまで続くのか分からない上、放置し過ぎてビーズが乾くのも禁忌。
しかもこのフロースルーの後に大量のバッファーによるWashとElutionという
一連の作業があり、料理と言うとまだ前菜。。。
とにかく、フロースルーで詰まると、その後の操作が全部遅くなり、
計画が大幅に崩れます。

出来れば、避けたい話ですね。


カラムが詰まる原因は、お察しの通り、流した上清にある汚い何か、ですね。

(ビーズが小さくてカラムの網目が詰まることもたまにはありますが、
 そんなのはごく稀、
 ま、普段使うビーズと異なるものを使う時には一応留意を。)


可溶性タンパク質を精製する時はあまり気にならないかもしれない。
大腸菌からタンパク質を精製する時にも、
哺乳類培養細胞から精製する時にも、そこまで遅くはなりません。


だけど、昆虫細胞、お前はダメだ。


タンパク質の発現用によく使われる昆虫細胞と言えばSf9があげられますが、
何故かは分からないが、

これの細胞破砕液から調整すると、フロースルーの時点でとにかく詰まる。

これを解決するには、とにかく詰まりの原因を取り除くのが大切。


方法は至極簡単です。

細胞破砕液とビーズの混合液を、50 mlチューブに入れて
4000 rpmぐらいで遠心します。ビーズが落ちればいいので5分とかで良い。

次に急いでいるなら上清をデカントでフロースルー画分とする
(ビーズはもちろん捨てちゃダメよ)。
まぁ、ビーズ基本ゆるふわだから、
慣れてないならピペッターとかで吸った方が無難かな。。。

次に大体ビーズ上の液面が5mlぐらいになったら(多分ビーズを吸わないでいられるのはこれぐらいが限界、ビーズ捨てれば捨てるほどタンパクの収量減るからね)

Wash用のバッファーを20mlぐらい入れて転倒混合して、
もっかい遠心。

同じように上清を捨てて、更にバッファー20 ml入れて同じことをする。

で、遠心して、上清を捨てたら、

今度はデカントでカラムにドロドロのビーズを流し込む。
どうせ壁面にごまんとビーズがつくので、
更にバッファーを入れて、洗い出してあげる。

とにかくビーズ全量をカラムに移せればOK。


そうすると、あら不思議!

全くカラムが詰まりませーん!!

今日も定時で帰りマッス!!良かったね❤️


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