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健康に生きるということ  細川 映三

以前に治療した前歯の具合が悪くなり歯医者を訪ねた。大変に親切な歯医者で(これまで僕が治療した医者に比べて)丁寧に診察をしてくれた。「どうも歯のかみ合わせがよろしくない」らしい。理由は左下奥に一本だけ残っていた親不知だった。僕は肩こりも激しいのであるがその原因の一つに、この親不知のためにおこる噛み合わせの悪さがあるかも知れないということだった。早速抜歯してもらった。抜かれた歯は僕の目の届かないところで虫歯に侵されていた。痛みがなかったのは浸食が神経まで届いていなかったからだそうである。毎朝毎晩比較的念入りに歯を磨いていたつもりだったが、思わぬところで虫歯は僕の口の中で活動していたものらしい。

 僕はあまり自分の健康を気遣う性質ではないが、普段特に異常も痛みも感じてはいなくても何者かによって健康であるべき肉体の細胞が侵されているということは充分に考えられる。それが顕在化した時には、もうどうにもならなくなって普段から健康管理を怠っていたことが悔やまれるということにもなりかねない。

健康に生きるということは大変難しいものだと思う。そして肉体の健康にも増して、精神的に健康に生きるということは更に難しいことなのかもしれない。

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