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日本人は欧米と比べて豊かになれるか。

 戦後、日本は復興し、先進国の一員となりました。80年代には、経済的に、合衆国を追い越す勢いがありました。しかし、90年代以降、日本の経済成長はわずかになり、給料も上がっていないと言います。10年代以降は、各国の通貨高を抑えるために、金融緩和政策をとることが多くなりました。これは、通貨高を抑えて、輸出を有利にするためと説明できますが、各国が同じような政策をとったために、あまり効果は出ていません。また、日本では賃金が上がっていませんが、欧米では、物価の上昇もあって、賃金が上がっていると聞きます。また、個人金融資産も欧米では、増え方が大きいと言います。そんな中、今後、欧米並みの豊かな生活を日本人はおくれるのでしょうか。
 今のまま日本人が変わらなければ、欧米との差は開いていくでしょう。しかし、変われるポイントがあります。
 日本の住宅の平均使用年数は30年と言います(国土交通省「長持ち住宅の手引き」、https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/tebiki.pdf)。合衆国が55年。英国が77年です。その差は、合衆国で日本の1.83倍、英国では、2.56倍です。もし、このように、日本人が住宅を長く使わず立て替えていたら、日本人の住宅に関わるコストは、先の数字のように、合衆国の1.83倍、英国の2.56倍になります。ということは、その分個人金融資産が増えないということになります。その率では、合衆国の54%、英国の38%分となります(住宅の購入額が個人金融資産のすべてと仮定した場合。)。それでは、これら2国との豊かさの差は開いていくでしょう。
 以上から、日本人は、豊かに暮らすためには、住宅を長く使う必要があるでしょう。住宅ローンが終わらないうちに、また新しい住宅ローンを組むのは、冗談としか思えません。それができれば、欧米との差は縮まらないにしても、開いていきにくくなるでしょう。

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