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「日米同盟」だけで日本を守れるか。


 80年くらい前の戦争後、「冷戦」が始まったとされる。イデオロギーで言えば、自由主義と社会主義だろうが、もので言えば、「合衆国型」原爆と、その他のタイプの原爆である。これを前者は、合衆国人が持ち、後者をソ連や中国が持った。特に、合衆国とソ連は、これについて競り合った。これをそう呼ぶのだろう。
 しかし、もう1つ「冷戦」があると思う。それは、通常の軍事力を使ったものである。朝鮮戦争などだ。これは、合衆国と中国が戦った。つまり、合衆国は2つの「冷戦」を戦う必要があった。ソ連と中国は1つずつである。ゆえに、合衆国は、スーパーパワーになる必要があった。
 しかしながら、これは難しかったようである。70年代に、合衆国は中国と和平をした。これによって、合衆国は、1つの「冷戦」を戦うだけで済むようになった。やがて、ソ連との「冷戦」も緩和した。
 しかしながら、今、合衆国が2つの「冷戦」を戦うように求める声が出てきている。残念ながら、これは難しいだろう。まだ、ソ連の後を継いだロシアと中国のGDPは、合衆国にかなわないかもしれないが、これが逆転する可能性がある。つまり、2つの「冷戦」を戦う場合、合衆国が負ける可能性が少なくなくなるということだ。だから、合衆国人は、どちらかの「冷戦」に絞る可能性がある。特に、原爆を開発したのだから、それを重視するのではないか。
 つまり、極東には、合衆国軍は回ってこない可能性がある。これは、戦略的問題である。日米安保条約があるが、合衆国軍は、「無料で」日本を防衛するとは書かれていない。つまり、戦費の負担は日本がするということだ。それなら、自衛隊にやらせてもかわらない。そういうわけで、今後の日本の軍事費負担は増加するだろう。無駄に戦っても財布が痛むだけだから、外交をきちんとやる必要があるだろう。

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