見出し画像

倍速の生き方について

「なぜ今の若者たちは「映画を早送りで観る」のか ほめられたくない「いい子症候群」との共通項も」(https://news.yahoo.co.jp/articles/a2e940a1b2f91dfad126c02e49dd9bae4026679f?page=2

 この話をみて、そういえばと思った。私は2015年にこういうことを書いている。

ヒャクロクジュウイチ
 
しゃべるはやさが はやいホウが しごとがはかどっているといえないか。セツメイなんかも、しゃべるはやさが ニバイなら、ニブンのイチのジカンですみ、ほかのしごとができる。ながいといわれる カイギも サンバイのはやさのしゃべりなら、サンブンのイチのジカンでおわる。それなのに なぜ ガッコウに、ニバイソクコースとか サンバイソクコースがないか。おしえられるひとが いないのかもしれない。
 エイゾウ『アルクカラ カンガエル』

 これは、労働生産性を上げることを意識している。8時間の間に、16時間分の仕事をすれば、労働生産性が2倍になるということだ。もし、現在の労働生産性が倍になれば、世界一の労働生産性になるだろう。それなら、教育の段階から2倍の速さに慣れさせてしまえば良い。それが、この議論の言うところである。

 速読など昔からその手の方法は昔からあったが、若者の間でそれが実践されているというのが興味深い。ただ、残念ながら、大人にはうけていない。2倍速で授業をするという学校ができたとは聞かないからだ。ただ、それができれば、世界一の線が見えてくる。

 速さとは別に、仕事の多重化というものもある。これは、パソコンのcpuのような話だ。以下、また同じ著書からの引用である。

ニジュウヨン
 
サイキンのデンサンキ(モジをうったり、ブンショウを おくったり、インサツしたり、かいものをしたりする あれである)は ふたつのサギョウを ドウジシンコウさせるらしい。それがすごいのかというと、まぁ、しごとができる、はやい、ということなのだろう。
しかし、ジュウキュウセイキの エイコクでは、みっつの しごとができるひとが シツギョウしていたらしい。だから、タンジュンにいえば、ふたつの サギョウでも、みっつのしごとでも だめなんだろうと。だめ じゃないんだけど、それじゃ シツギョウシャのなかまいりと。
じゃあ よっつか なのだが そういうデンサンキもあるようだ。だから よっつのしごとは いまのキホンといえそうだ。ただ、いつのダンカイで、ふたつのサギョウをする デンサンキを、シツギョウさせるかはわからない。
 
ニジュウゴ
 
さきに、みっつのしごとができるじゃ あまいとかいた。ゲンザイは よっつのサギョウができる デンサンキがあり、また、ニンゲンも よっつのしごとをできるぐらいが ジュウキュウセイキの エイコクのキホンだったようだ。たしかに よっつのしごとはできなくない。しかし、よっつのサギョウができる デンサンキに、ぼううで(ロボットアーム)をつけたら、ニンゲンのロウドウシャが シツギョウしかねない。だって ユウシュウなんだから。ガッコウでまなぶジョウホウも ちいさいキロクブヒンに おさまってしまうし。
エイゾウ『アルクカラ カンガエル』(「アルクカラ カンガエル」というのは、デカルトを多少意識している。デカルトのは、「cogito ergo sum」である。)

 15年くらい前から、cpuに2つの仕事をさせたりするのが流行ってきた。パソコンは、そんなことをしなくても、いくつもの仕事ができるが、それだと、単線で、順番に処理するということになる。そうではなくて、並列処理するということだ。いまでは、8つの仕事ができるというのが普通になりつつある。これは、聖徳太子が、8人の話を同時に聞いたというのと同じ感じだろう。私は、まだそこまでできていない。

 19世紀のイギリスで4つの仕事ができたというのは、例えである。3つの、例えば、経理、営業、販売の3つの仕事ができる人が失業していたということである。だから、それなりに能力開発しないと、失業しかねないということである。

90年代、私が学生だった頃には、ラジオを聴きながら、勉強をするというのが流行っていた。つまり、2つの並列処理である(完全に並列とは限らない。)。当時私は、勉強をしなかったので、この並列処理を学び損ねた。しかし、大人になってからできるようになった。これは2つの仕事。10年前くらいから4つの仕事ができるcpuがでてきたから、これではまだ甘い。だから、4つの仕事ができるように、たまに練習している。

この倍速と並列処理を組み合わせると、2×2の労働生産性が見込めるようになる。つまり、4倍だから、ぶっちぎりの労働生産性である。ただ、世界の若者に倍速が取り入れられているなら、多重化の部分で勝負することになる。アメリカで、日本の労働生産性の1.6倍ある(やや古いデータ)。つまり、海外でも倍速で仕事をする人が多ければ、この1.6倍の差はうまらない。

3倍速にチャレンジする手もあるが、それは高度であろう。ところが、この並列処理をすると、1.6×2×1=3.2倍、1×2×2=4倍とその差をひっくり返せる。ただ、2つの仕事をどちらも倍速にするのは訓練が必要だろう。3.2倍を覆すのには、2倍(倍速)と、1.7倍が必要である。つまり、2個の仕事の1つを倍速で、もう一つを1.7倍にしてやる必要がある。または、1×2+1×2=4倍と、倍速の仕事1つと2つの普通の速度の仕事で(つまり、3つの並列処理)勝負するようだ。

 なぜ、私が労働生産性にこだわるかというと、これで、経済を測れるし(gdp÷総労働時間)、労働者の力も測れるからだ(つまり、売り上げが多くなる。売り上げが少なければ、賃金も少ない。)。これで、アメリカ人と対等以上に仕事すると良いと思っているからだ。国際競争というのは、あると言えばあるし、ないと言えばないが、能力で負けるのでは面白くない。そういうわけで、本の編集をしながら、会議をし、音楽を聴いていたりする(3つの仕事。これに、報告を受けるを加えようと思っている。それで4つの仕事。)。

 普通の日本人の大人は、食べられればいいと思っている。しかし、それでは面白くないから(国際競争に負けて)、国際競争にチャレンジしてほしいと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?