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カヌーツアー自粛との葛藤

ネビラキでは今年の錦秋湖春の水没林カヌーツアーを自粛することにしました。

自粛の声明はこちら

岩手県では今日(2020/04/18)時点ではコロナウイルス感染者が出ていませんがツアーという性質上どうしても人々の移動を助長してしまうため、カヌーツアーを自粛することにしました。


多くの方が悩んだと思いますが、我々も小さいながら悩みました。3密に該当するかどうか微妙なんじゃないか、前向きで人を乗せて案内するツアーだから問題ないんじゃないか、、、。

また自粛することで、経済的な不安はもちろん、周の事業者の方への同調圧力にならないかどうか。やれることを精一杯してやることがwithコロナの生き方なんじゃないか・・・。

岩手県内の方限定でやることも検討しましたが、他県の隣接する市町村でもコロナウイルス感染者が出ていることもあり、岩手県内で出るもの時間の問題だと思います。高齢化率が高い西和賀でもし万が一感染者が出た場合、我々は死活問題です。もし、西和賀でたった一つしかないスーパーマーケットでクラスターが起こり休店した場合、隣町まで最低でも30分以上かかる山間に暮らす我々は食料の確保が大変になります。


自分がいかに依存した暮らしを送っているかを突きつけられている今回の一連の騒動。なんでもっと早く緊急事態宣言をしないんだ。どうしてマスク2枚なんだ。自粛要請と生活保障はセットでしょう。時期的なツアーを開催している我々がどうやってコロナウイルス以後の所得低下を証明すればいいんだ。等々色々思うことはたくさんありました。


一方希望に感じていることもあり、それはコロナ以前より人々が繋がりを求めているんじゃないかということ。SNSでの絡みが以前より多くなったり、近所の人が話を聞いてみたいと言ってきたり、都市と地方と同じくらい田舎も個人個人では分断されていたのが、少しづつ回復しているように思えるのです。(近所の中学生はカフェ作りに積極的に関わってくれている)


また、アフターコロナの世界は多分今まで以上にリアルの価値が高まると思います。これこそ私が言う『Feel The Real』の世界です。根開きを見て雪解けに向かう高揚感を体全体で感じたり、ヒグラシが鳴く夕暮れに冬が来る寂しさを感じる様、晩秋の冷たい雨を受けて鬱っぽくなる様、雪が80センチ積もった朝の絶望感、春の強い日差しに雪が無くなってしまう寂しさ、堅雪の上を歩くワクワク感。


人類の存続が脅かされているコロナ騒動の中でも、廻戸川ではミソサザイがさえずり、カワセミが飛び回り、シロヤナギの芽吹きが間もなく始まろうとしています。
圧倒的リアルが本当の価値になる。そうしたら西和賀や他の自然に近いところは圧倒的な彩度で輝きを放つと思います。
きれいにすきとおった風をたべ、桃ももいろのうつくしい朝の日光をのんでは暮らしていけないかもしれませんが、できる限り伝えることはやめないようにしようと思います。カヌーツアーの実施はしないかもしれませんが、何らかの形で配信することを検討中です。


命を大切にするための自粛はしますが、人々が元気になる活動は自粛しません。これから色々模索しながらにはなると思いますがお楽しみに。

zen

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