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ワンショットにこだわった男は、たった一人の友に杯を捧げた

名画には、名曲の映画音楽がつきものである。映画「ディアハンター」もその一つ、スタンリー・マイヤーズが奏でる「カヴァティーナ」を聞くと、映画のワンシーンが蘇ってくる。

1960年代。ペンシルバニアの製鋼所で働く男たちは、休みの日に鹿狩りをして楽しんでいた。中でもマイケルは、ワンショット。たった1発で鹿をしとめることにこだわりを持っていた。
やがてベトナムに出征した彼らは戦場で再会を果たすが、過激なベトコンに捕らわれてしまい、残酷なゲーム。ロシアンルーレットを強要される。そして、極限まで精神を追い詰められながらも脱走を果たしたマイケルは、再び友と離ればなれになってしまう。命かながら帰国したマイケルだが、帰って来ない友を探し、再び混乱を極めるサイゴンの土を踏む。そこで彼が見たものは、精神に異常きたし、ロシアンルーレットに没頭する、友、ニックの姿だった。

なんのための戦争だったのか?

たった一人の友を失う意味があったのか?

回想するマイケルのもとに再び、あの仲間が集まる。

ワンショットにこだわった男は、帰らぬ友に杯を捧げた。

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