🥁自分なりの演奏流儀

★他があるから己がある


「それは違う気がする…」
「カッコイイと思わないんだけど」
「何の意味があるのかな？」
「なんでチヤホヤされてるかわからない」

他の人が好きなモノ、主張してるコンセプトや手法、演奏に違和感、疑問を抱く事は少なからずあると思います。
決して悪い事ではありません。むしろ自然な事です。

自分はSNS等でそれらを見かけても反論コメントや空リプはしません。

面倒くさい…というのもありますが(笑)

「色々な主張、手法があった方が面白い」

「どんな楽曲を誰と演奏するか？が重要」


そう思っているからなんです。

★普遍的なモノ、先人達が創りあげた遺産

ロック、R&B、ジャズ…
数々の名盤や名演に共通したフィールや手法があります。
これらは演奏に携わる者として避けては通れないものだと思います。

自分もまだまだ勉強中、知らない事だらけです。

これらは何故名盤、名演と言われるのか？

アーティストや演奏者が前述のフィールや手法を共有していたからだと思うんです。

同じ価値観を持つ者同士、また価値観をぶつけ合った同士が毎日のようにセッション、レコーディングを繰り返し、ツアーで世界を飛び回りながら何百回もライブを重ねる…

その過程の中で熟成されていったからこそ時代を超えて愛されているんだと思うんです。

次元の低い話で恐縮ですが自分が若い頃…

「俺はロックドラマーだ！」とツッパってた頃に共演者から「ウルサくてやってられない」と言われたり…

R&Bをカジり出すと「レイドバック命」
とわかったような顔で単純にモタったドラムを叩いていました。
すると共演者から
「俺らパンクやけん突っ込んだ感じで叩いて欲しいんやけど…」
と困惑された事もありました(笑)

いずれも自分の実力不足は勿論ですが

・楽曲にとって必要な音量、ビート感
・作曲者の意図
・他の演奏者の意図

それらと大きくかけ離れていたんですね

★1番偉いのは「曲」

自分はサポートドラマーです。
アーティストさんから演奏する曲を指定されます。その音源を聴きまくり、なるべく「音源に近い形」で再現するように心がけています。

アーティストさん本人は勿論ですが、ファンの皆さんは相当な回数音源を聴きまくってる訳です。「なんかドラムが違う…」なんて思われたら最悪です。

もちろんリハーサルを続けていく中でアレンジやニュアンスの変更を要求される事もあります。
こちらから提案もしますが、最終決断をする権限はアーティストさんやプロデューサーさんにあります。

「演奏でお金を頂く」から従う…
という側面も勿論ありますが、これはバンドであっても変わりません。

まずは
「作曲者がイメージしている曲想を再現する」
これに集中するようにしています。

恥を忍んで白状しますがアーティストさん、プロデューサーさん、またはオーケストラの指揮者のような
「曲の全体像を見渡せる能力」
はまだまだ自分に足らないと思っています。

そしてそれこそドラマーに1番重要な「視点」だと思っています。

★カッコイイ！が全て

他のプロドラマーや講師ドラマーの皆さんに比べると自分は主義主張や「必殺技」の無い半端なドラマーかも…
という不安が過ぎる事はあります(苦笑)

「カッコイイ！！」

いまだに行動のモチベーションがコレだけなんです。
しかもロックだったりジャズだったりファンクだったり…
都度その対象が変わるからタチが悪い(笑)

ドラマーとしての日々の努力も物凄くアナログでシンプルなんです。

聴きまくる、観まくる→真似してみる→録ったり撮ったりして比べてみる。

これの繰り返しです。

皆さんの演奏動画、手法やコンセプトや身体の使い方に関する意見…

賛成、反対は関係なく刺激を与えてくれています。
毎日のように小さな「気付き」に繋がっています。

年齢、性別、音楽や演奏に携わった年数、置かれている環境…
志向、嗜好、主張が違って当然だと思います。

相手を論破する気持だけでなく、相手の主張を理解する気持ちもあれば討論(闘論？)も大いにアリだと思います。

音楽界全体も、SNSも、あらゆる音楽コミュニティも色々なスタイルや考えが共存出来る事を願って止みません。

こういうブログを書きながら
「英太郎さんの考えに賛同します」
て言われたら、それはそれで嬉しいんですけど…(笑)

自分はドラマーです。

「自分がカッコイイと思っている事をどれだけ演奏にわかりやすい形で盛り込めるか？」

それこそが自分の1番やりたい事なんです。

英太郎