Vtuber「金美館通りの藤村さん」の個人的推せるポイントを語っていく


 2020年4月の頭にはチャンネル登録者数500人記念動画をアップしていた彼女が、今現在その登録者数を2万人というラインが手に届くところにまで伸ばしている。

チャンネル概要欄を見ればわかる通り、いわゆる『夜の蝶』系Vtuberのお姉さんである藤村さんだがこの表層の情報だけで彼女を見るかどうか・推すかどうかを判断するのは非常に勿体ない。もっと評価されるべき藤村さんのその魅力を1個人のいち考察としてここで掘り下げていきたいと思う。


・ちょっと違った視点から語る『夜』の業界話

 『夜の蝶』であるからしてそのコンテンツ内容にセンシティブな部分があるのは事実。が、藤村さんの動画で語られる話はその傾向だけではなく、夜の世界のあるある話や夜の世界で遊ぶお客さんが活かせるライフハックとしての面も持ち合わせているのはハッキリとした強みとして結果に出ているのではないだろうか。 

こういうのとか、

こういうの。

 そして何より特異であるのが、同じ夜の世界でサービスを提供するホストへ、お金を支払うお客さんとしての立場から語る知識・経験・ネタを動画にした点である。

いかにもなトリビアネタなこの動画とか。

特にこの動画は秀逸。こんな…こんなシチュエーションボイスあるんだ…!夜の世界こんな戦いが水面下であるんだ…!!という衝撃は視聴者の心を掴むには十分ではないだろうか。単純にこちらを喜ばせるような甘い言葉をささやくシチュエーションボイスではないからこそ覚えてもらいやすく、忘れにくい。人の心に存在を残すそのテクニックは流石その道のおねえさんと言ったところだろう。


・今の時代のバーチャルアバターの傾向にキャラ属性が合っている

 こちらはちょっと技術的な話。Vtuberのいわゆるガワ、電脳体には実はとある傾向があるのをご存知だろうか。

特に3Dの電脳体の女の子は高頻度でそうなのだが、【ノースリーブで腋(わき)が出ている】のである。これは技術的な問題で、現実では当たり前に存在する『脇部分の服のシワ』がプログラミング的表現だととても難しいからという説をどこかで耳にした覚えがある。なので多くの女の子はノースリーブで冬場寒そうな恰好だったり、袖があるのに脇部分の布地だけなくて冬場寒そうな恰好だったり、余裕の無いぴったりとした布地で薄さを感じて冬場寒そうな恰好だったりしている。

この点は特に問題が無いと言えば無いのだが……だが、である。腋が出てる子と出てない子だったら出てない子の方が『清楚』という言葉は似合いませんか?という話である。その子の性質、属性的に清楚だったり少女趣味の布地たっぷりのフリフリの服が大好きだったりする場合の表現は3D電脳体でやろうとすると大変だ。大変っていうか下手すると無理だ。技術班とかなんか裏方の様々な事情から、Vtuberの子たち、露出高くなりがちである。場合によってはその姿を「可哀想」とすら言われるほどきわどい服装になるのは10代・20代の女の子にさせて憚られる……という感性もVtuberファン層の一部にあるっちゃあるのだ。

 この点に関して、「金美館通りの藤村さん」というキャラ属性であれば何の問題も無く・抵抗無く見ていられるのは実はひとつ大きなアドバンテージなのではないか?と個人的には感じている。上記で挙げた動画のサムネを見ればわかるが、メインのお衣装がどんなのかと言うと上は胸に穴の開いたセーター?ニット?的な服で、下のスカートは左側に深ーくスリットが入っていかにもセクシーなお姉さんの出で立ちである藤村さんだが―――Vtuber界においてこの服装は健全である。へそ出しじゃないし、胸囲的に言っても、あざと過ぎないいやらし過ぎない域の、健全なセクシーなんである。イエローが基調の別のお衣装もあるが、見せブラのストラップであるとかレース地でちょっとシックさを出しつつやっぱりちょっと胸部分の生地が開いてたりしていて、見てわかるセクシーだが直視できないほどのキツさはない、現実にその服装で外へ出られるラインのセクシーさ、なんである。あくまで個人の感想です。

かように電脳体の衣装ひとつ取っても、藤村さんは自身を魅力的に見せるのが上手な、かしこいお姉さんなのが汲み取れるだろう。後述するVRゲームプレイ動画の際には身体を動かすにふさわしい恰好ということで、お部屋着的なTシャツと2つ結びの髪型でサムネに映っているわけだがこれがまぁド健全でカワイイ。カワイすぎる。

タンクトップではなくTシャツという選択が藤村さんの衣装チョイスのバランス感覚の良さだと思いますもうだめ健全カワイイ。大好き。皆見て。


・『横軸のコンテンツ』には藤村さんの強みと可能性が光っている

 夜の世界のお仕事ネタが主軸の藤村さんだが、そればっかりでは取りこめるファン層は限られ、登録者数を増やすにもすぐに頭打ちが来てしまう。ゆえにネタの幅を増やす、いわゆる『横軸』の手札があるのが望ましく、どの分野を手札にしていくかもVtuberに限らない演者・クリエイターのセンスとウデの見せ所となってくる。で、実際に藤村さんがどんな分野に手を伸ばしたかというと、VRゲームとMMDの2つで幅を出してきた、というわけである。

まずはVRゲームの方のお話。21世紀に突入してそれなりの年数が経った中で様々な技術の進歩はめざましく、結果VR……『バーチャルリアリティ』という存在は一般の人間にもまあまあ身近なものとなり、VRを体感し遊べるゲームというのはご家庭でもプレイできるところまで近づいてきており、ひいてはバーチャルユーチューバー……Vtuberという存在も数多く輩出される世の中となった。

なったのだが、実は意外とVtuberとVRゲーム、という取り合わせはあんまりメジャーではなかったりする。そう遠くない……どころか関わりが深そうな2つでありながら結構実際のコンテンツとして重なって出てくることは多くない。Vtuberとゲームは今や密接に関係しているがこの「ゲーム」というのは現実の私達が遊んでいるSteamやら各種コンシューマゲーム機やらの「私達もすぐに同じように遊べるゲーム」で繋がっているに過ぎない。それが悪いというわけではないが。

藤村さんのVRゲーム紹介は『コロンブスの卵』的示唆を含むコンテンツであると個人的には感じている。思いつけば誰でもでき得る内容であり、機材さえ揃えば遊んでみてその模様を動画にし公開するだけで、スキルや技術が必ずしも要るものではないだろう(どのゲームタイトルを選ぶかのゲーマーとしてのセンスは若干要るかもしれないが)。だが現実として、数字を持っているVtuberがこのVRゲームを体感して遊ぶ、という話が目立った覚えが少なくとも私が見聞きしている範囲では覚えが無い。メインコンテンツの夜の世界とは畑の違うこの分野、実は彼女の後追いをせず自分なりに考え練り上げたという開拓者スピリッツがその内に込められている、そんなコンテンツだったりするのだ。つまりはもっと評価されるべきである。

動画を見ていて思ったが、バーチャル存在がバーチャルのゲームを遊ぶ姿はいっそ自然だ。現実の人間がVRゲームを遊ぶ様子よりもするりとした視聴の心地がある。単純にゲームの魅力というものに主眼を置いて観ていられる。VtuberとVRという分野ではVRチャットやVR世界でのマーケットといった方向が目立つが、【VR】というものの良さを一般ピープルのファン側へより伝えるには、興味を惹き楽しいと思わせ層を広げたいならば、演者とファンのファン側から脱却し切らないそれらのコンテンツより、【プレイヤー】として同じ目線での体感ができるゲーム分野を取り上げて、VtuberがVRゲームと現実の人間との橋渡しを行うのが良い方法なのかもしれない。藤村さんのVRゲーム紹介を見ているとそんな気がしている。

 そして後回しにして話の最後に取っておきたいほどに私個人の最推しポイントであるのが、藤村さんはMMD動画を作れる、という点だ。

この動画の藤村さんも超カワイイので全人類1回ずつ再生した方が良い。

「MMDってなーに?」という人向けに説明すると、正式名称は「MikuMikuDance」という、かの有名な電子の歌姫・初音ミクを歌って踊らせる目的に端を発した3DCGを用いて動画製作ができるソフトウェアである。素晴らしくも恐ろしいことに無料で使えていじくれる。

単純に自分でアーティストのPVみたいな動画を作れる技術家肌なところが見えるという点がカワイイ上にカッコイイ!というのもあるが、この推しポイントの核心はそこではない。

「MMDが使える」という事は、「金美館通りの藤村さん」は理論上【ありとあらゆる魅せ方でセルフプロデュースが可能である】、という事なのだ。

MMDは数多の有志が人物・背景・小物といった様々な3Dモデルを公開し、共有し、その可能性を広げていった。その結果MMDの中ではやろうと思えば、現実の世界に近い日常的な風景を歩くこともできるし、漫画やアニメのキャラクター達と同等に渡り合う戦闘アクションも演じられる。ニコニコ動画界においてこのソフトウェアは大いに活用され、それこそその時代時代に流行ったアニメやゲームのキャラクターや楽曲などをごった煮で混ぜ合わせたやりたい放題のクロスオーバー作品に視聴者が喝采に湧くような事も幾度もある程だ。

それはつまり、人々が持ち寄った膨大なデータで自由なバーチャルを自由に謳歌できるスキルが藤村さんにはある。あるという事なのだ。彼女は行こうと思えば何処へだって行けるし、着たいものを着て食べたいものを食べて好きなものに囲まれていくらでも楽しくいられるのだ。MMDの中に【自分】が入り込めるというのは、バーチャルの無限の自由・無限の可能性という利益の享受、その極致と言えなくもない。

次は、どんな『見せたい自分』をMMDで見せてくれるのだろうか?

そんな所も期待して追っていくと、またひとつ今後の楽しみが増えるかもしれない。多分。おそらく。


 伸びも伸びたりという急上昇で嬉しい悲鳴の上がっていそうな、Vtuber・「金美館通りの藤村さん」。その登録者の伸びも納得のお姉さんである事がご理解いただけただろうか?今後もどうか心身健やかに、楽しいVtuber活動が続きますようファンとして応援しながら祈っています。



模ファン囚としてのご恩、これでちょっとでも返せるでしょうか。本当にありがとうございます……これからもなにとぞ。なにとぞよしなに。

えっサポートしていただけるんですか?ほんとぉ?いいの? いただいたサポートはものを書くための燃料として何かしらの物体になります。多分。