創作経緯『ロボットと優しさとぬくもり』

僕がリビングでうつぶせになってうとうとしていると、母が布団を掛けた。
そのとき、下はホットカーペットですでに暖かったけれど、掛けてもらった布団を暖かく感じた。

というところから、布団を掛けられたシーンを混ぜて小説を書くことにした。
でもそのまま書くのもおもしろみがないし、そのシーンが小説の肝にならなきゃいけないと考えていた。

このシーンは人間らしいシーンだから、ここをあえてロボットにしたら人間らしさが強調されていいんじゃないかということで、主人公をロボットにした。
ロボットの小説を書こうと思っていたときだったというのもある。

それで生まれたのが、短編小説『あおむけのロボゾー』だ。

文章に苦戦した。

ロボットの1人称をどうするべきなのか悩んだ。
そもそも、ロボットは自ら文章を書かないし、自ら語り始めることなんてないし、自分の様子を描写するなんてないんじゃないか?

結局、必ず自分の主語をつけるようにしたし、英語を訳した日本語のようにした。エネルギーが切れる1時間前に記録し始めるという設定はしたが、多少創作という面に甘えた。

「家族の一員として過ごしてきたロボットが、エネルギーが切れる1時間前に記録した文章」

我ながら悲しい設定である。


おわり

※ ※ ※

『あおむけのロボゾー』は
ショートショート集『希望抽象』
(15編¥300)
に含まれています。


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