切ないマンガ・本(1)

夏休み前、小学6年生のなつるは、同じクラスの鈴村さんに、夜、ばったり会ってしまう。そこからなつるは鈴村さんと距離をちぢめていくが、彼女が抱えていた秘密も知ることになる。


秋を通り過ぎ、冬に近づいている季節ですが、ぼくはこの表紙を見て「絶対にいい話だろうなー」と思って買いました。

『神様がうそをつく。』(尾崎かおり)


ここで一話目読めます。


社会的には恵まれていない子どもたちが、懸命に、楽しげに、未来を探っていくお話です。



ぼくは、子ども~若者と呼ばれる人たちに起きる青春的なものが大好きなのですが、登場人物が小6にしてその要素は十分すぎるほどありました。
(笑える範囲の)スクールカースト、腹立つ大人、恋、親子ーー。

それらが小6なりの視点を通してちゃんと描かれていると感じました。
作中に、日常ではあり得ないようなことが起きるのですが、小学生がそんなことしないでしょ、というようなツッコミや矛盾を、ぼくは感じませんでした。
それは、作者がリアリティある世界をきちんとつくりあげていたから、なのかもしれません。

このお話は、一巻で完結してしまうのですが、もっとこの子たちを見ていたい、そう思わせてくれる内容でした。
彼らの笑顔はちゃんと子どもで、きらきら輝いています。

子どもたちは、無神経な大人の言葉や、感情に正直な同級生、社会のルールでぶつかるちょっとした理不尽さに傷つくこともあるのですが、まっすぐです。

誰かが決めたルールなんかを護るより、大切な人を護りたいのです。


不幸でも、幸せだ。

もう一回。
ここで一話目読めます。

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