見出し画像

出方は関係ない「英語のそこのところ」第126回


【前書き】

 今回、投稿するエッセイは7年前の2017年1月19日に水戸市の「文化問屋みかど商会」のファクシミリ配信誌に掲載されたものです。時節にそぐわない内容はご容赦ください。
 われわれNative Japanese Speakerは交渉ごとの際、相手がどういういい方をするかという点に意識が行きがちですが、Native English Speakerはそうでもないようでして。(著者)

拙著「英語の国の兵衛門」のkindle版を出版しました。

 2008年に株式会社メディア・ポートより上梓され、その後同社の解散により入手不可能になり、みなさんにはご迷惑をおかけしておりましたが(一時は、古本が2万3万ぐらいで取引されていたようで。いやはや、私には一銭も入りませんが_| ̄|○)、kindle という形で復活させることが出来ました。
これを機にぜひお手に取ってみてください。

映画や小説の台詞を英語にして英語力を鍛える「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル14」発売中!

 English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト(全10巻)で、英文法を網羅しましたので、「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル7」以降では、様々なコンテンツの名言、名台詞を英語するより実践的なトレーニングをやっています。
 この「ドリル14」ではQueen のWe are the champions を題材に英文を作っていきます。

何度も刑期を務めているさ。
宣告された刑罰をやってるさ。
でも、本当は何も悪いことはしてない。
そりゃ、1つ、2つ下手を撃ったことはある。
砂を蹴りつけられたことだってある。
でも、ついにやり遂げたんだ。
ああ、私たちは続けていくよ。
おれたちは、チャンピョンだろ? 友よ。
そうさ、最後の最後まで戦い続けるのさ。
敗者のための時間はない。
私たちは世界のチャンピョンなのだから(from We are the champions)
英語でどう言うのでしょうか? 
このテキストを使えば、きっちり身に付きます。お試しください。

大好評! Kindle で一日500ページビュー 「English Sentence Maker」シリーズ

 English Sentence Maker は、あなたの感情や意見、思っていることを伝えるためにはどの時制や助動詞、文法事項を選ぶべきかがわかる実践英語・英会話力養成テキストです。

 著者の主宰する英会話スクール「英語・直観力」の企業向けテキストから、契約企業様向けの問題文などを差し替え、一般向けに手直ししました。

 7年間で100名以上のビジネスピープルを単独での海外出張や海外赴任ができるスキルを持った国際ビジネスピープルにした実績があります。

 ぜひ、この実績あるテキストを完全マスターしていただき、世界を相手にビックディールを成し遂げ、人生を愉しんでください。このテキストはその扉を開くカギになります。

 実践英語・英会話力養成テキストEnglish Sentence Maker は、3つの特色を持っています。

 ひとつ目は、能動的な学習だということ。
 English Sentence Maker は書き込み式のテキストです。各Lesson ごとの解説を読み、そのあとに掲載されている日本文をご自身のノートもしくはkindle のノートブックなどに英語にして書き入れてください。その際に、知らない単語は調べたりせずに、日本語のまま英語の文の位置においてください。そうすることで、知っている単語、知らない単語を区別し、身に着けるべき単語を浮かび上がらせることが出来ます。

 ふたつ目は、どの文法事項を使うかの判断基準を身に着けられるということ。
 小・中・高校と長い間英語を学ぶために、多くに人々は英語の現在形、過去形などの文法事項を知っています。しかし、残念ながら、その文法事項をどういう場合に使えばよいかという判断基準を身に着けていません。

 たとえば、ここ何ヶ月かフットボールに夢中になっているということを伝えたい場合に使うべき時制は、現在形でしょうか? それとも現在進行形でしょうか? 迷われると思います。
 この知ってはいるけれども使い方に迷ってしまう文法事項を使う判断基準を各Lesson ごとの解説でくわしく説明しています。それを理解することで、英語を使う際に十全にあなたの感情や意見、思っていることを伝えることが出来るようになります。

 みっつ目は、英語を英語で考えることが出来るようになるということ。
 English Sentence Maker は日本語を英語にしていくことで、英語を習得していくテキストです。しかも、どういうときに、どういうことを言いたいときに、どの文法事項を使えばよいかという判断基準が出来ていくために、日本語の文字面を英語に移していくのではなく、日本語を読んでその内容をイメージして、そのイメージを英語にするというスキルを身に着けることが出来ます。頭の中のイメージから英語を作ることが出来るということは、そこに日本語は介在しません。つまり、英語を英語で考えることが出来るようになるのです。

具体的には、

私は彼が来るだろうことを知っていた。

という日本語を英語にする際には、日本語の文字面を英語に移していくと、

I knew that he will come.

と、しがちです。「知っていた」なのでknew、「来るだろう」なのでwill comeというわけです。
 しかし、よく考えてください。「彼が来るだろう」というのは、「私が知っていた」過去の時点のことです。であれば、「彼が来るだろう」と書いてあっても、過去から見た未来のwould を使って、would come としなければなりません。日本語をその字面のまま英語にしてはいけないのです。しかし、日本語を読んでその内容をイメージして、そのイメージを、判断基準をもって英語にすることが出来れば、問題はなくなります。頭の中に時の流れのイメージがあるために、

I knew that he would come.

という英文が難なく作れるようになります。 英文作成力や速読力を付けたいと思っておられる方ぜひ、手に取ってみてください。必ず、英語・英会話が出来るようになります。

☆「English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト」および「ESM Practice 実践英語・英会話力トレーニングドリル」で使っている英文はすべて、Native English Speakerと協同で製作したものです。安心して、Native English Speakerの自然な英語を知り、習得してください。

【本文】

 何度かお話したことがありますが、私は相手の姿かたちや社会的地位とか年齢とかを気にするところが少なくて、どんな人にも同じように対応してしまうところがあります。こう書いてみると、なんだか人によって態度を変えない芯の通ったやつみたいになっちゃいますけど、なんのことはない。態度を変えるための判断が遅いせいでして、ああ、この人はエラそうだから下手に出とけとか、ああ、こいつは大したことないやつだから高飛車に出てもいい、なんて判断をするのが遅いだけの話なんです。だから、もう判断するのはやめていて、いつも、ああ『人』がいるなと思うようにしています。

 なので、マンションの玄関で、幼稚園児にドアを開けてもらったりしても、ありがとうございます、と対等な言い方で対応したりしちゃう。いっしょにいるお母さんはちょっと怪訝な顔で、あ、しまったな、と思うけど、まぁ後の祭りで仕方がない、変人ですからと自分を慰める。どうしてこうなんだろうと反省しきりなんですが、どうしても繰り返しちゃう。ネズミを見るととびかかることをやめることができないネコみたいなもので、やめようがないんです。

 でも、こういうのはまだいい。
 こういう誰に対しても同じように対応するのがお気に召さない人たちが世の中には一定数いて、そういう人に遭遇するとだいたいにおいて酷い目に遭う。簡単に言ってしまうと、いつも媚びを売られている人たちなんですけど、こっちが普通の対応していても、もっと尊敬しなさい もっと褒めなさい という期待値に届かないんで、結局、あいつは生意気だと言われてしまう。で、そのコミュニティにおいては彼らは権力者であることが多いんで、冷遇されることになってしまいます。
 もうちょっと頭の回転が速くて、エライ人に気に入られる方法を知っていれば、もっと生きやすいだろうなぁっと思っていたこともありますが、まぁ仕方がないですね、持っているもので勝負するしかありません。

 でも、なかにはそういう私の変なところを気に入ってくれる偉い人もいて、捨てる神あれば拾う神ありではないですが、上の人に可愛がられる稀有なこともあります。大学の恩師の教授もそうでしたし、古いところでは小学校6年生の時の担任もそう。ああ、そう言えば、最初に就職した進学塾の社長もそうでしたね。
 入社していっしょに仕事をすることになった時に、社長からいきなり、
「おい、とく」
 って呼んでもらえて、有頂天
 子供のころから、あだ名らしいあだ名をつけてもらったことがないもんで(どんだけ周りに親しみを持ってもらえないんだか(笑))、しかも社長がそう呼んでくれたんで、男ぼれ。この会社に骨をうずめる覚悟で、なんて柄にもないことを考えちゃいました。

 ちょっとひねくれているところがある私ですけど、人並みに偉い人と仲良くなるというのは嬉しいもので、とてもトクしたような気持になってしまうところはきちんとある。まぁ、下世話な話をするとそのコミュニティでの身の安全がより図れるという気持が裏にはあるんでしょうけど、それでも嬉しいものは仕方がない。
 そういうわけで、力のある人とお近づきになりたがるというのは、普通のことなんだと思っていたんですが、Native English Speakerにとっては実はあまり重要なことではないようで、この前パブでNative English Speakerがニュースを観ていて、あきれ果てていました。

「え? 今のなんて言ってたの?」
 Didoがモニターに映し出されているニュースを観て傍らの徳田に言った。テレビがトランプ次期大統領と安倍首相の会談の情報を流している。
「トランプさんと安倍さんがどこで会うかで、トランプさんの安倍さんに対する気持が判るんだってさ」
「????」
 Didoが要領を得ない顔をする。
「う~んと、ちょっと訊いていいかな?」
「もちろん、何でも訊きたまえ。ワトソン君」
「トランプの気持が判ることと、米日の首脳会談とは何の関係があるの?」
「そりゃあるんじゃない? 今や世界にひとつしかない超大国のアメリカの次期大統領に気に入られるってのは、国際的な日本の立場の強化、安全につながるでしょ。実体として日本はアメリカの……」
「トランプの気持なんて、日本の国益につながらないって!」
 徳田の言ってはならない言葉をDidoの叫びがさえぎってくれる。Dido、ありがとう。

ここから先は

1,668字 / 1画像

¥ 220

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?