本格水冷 #11.5


今回の記事は完成したあとのこぼれ話なので、ナンバリングを変えています。

前回の記事を書いているとき既に症状が出ていたのですが、

画像1

写真のように水枕や水路に白っぽい汚れが付着して、パイプ全体も白っぽく濁ってしまっていました。

電食を起こしているのだと思い色々調べましたが、見た目は似ているのですが、症状の進行が早かったり、電食を起こしている組み合わせがどこにあるのかなど、理由が分からず困っていました。

以前の記事でも紹介した『みかん食べながら Handmade PC Life(ㆁᴗㆁ✿)』の管理人さんのTwitterで写真を見ていただきご相談いただいたところ、「電食の可能性もあるけど、写真だけでは判断が難しい」ということで、取り敢えず休みの日に分解して詳細を確認することに。

分解しましたが、約1ヶ月でここまで汚れが溜まっているにもかかわらず、特にメッキの剥がれや明らかに金属が解けて減っている部分が見当たらない。

そこで再度、ご相談させていただき、他にもいくつか質問に答えたところ、「クーラント液の分離では?」という結論に。全く想定していなかったトラブルに目からうろこでした。


そこで、調べた所、クーラント液はEKWBのEK-CryoFuel Indigo Violetを使用していましたが、商品詳細には

Technical data:
Color: Indigo Violet (transparent)
Content: 100 mL
Electrical Conductivity (mS/cm): 1,04 ±10%
UV Reactive: No
Neutral pH: 6 - 8
Decomposition temperature: >65°C (>150°F)*
Recommended use temperature range: 5- to 60°C (40- to 140°F)

*Decomposition temperature is the temperature threshold at which the breakdown of individual components (dye, preservatives) in the solution may start to occur. Moreover, liquid vaporization starts to occur at this temperature.

太線部分、65°以上で溶液中の成分が分解するとのことで、おそらくグラボの水枕付近で、長時間限界に近い性能で稼働しているときにこの温度に達してしまい、分解が起こり分離を起こしてしまっていたのではないかと思われます。
このクーラント液は色が非常に綺麗に出て、精製水と混ぜることで使えるようになるので、保管や輸送に嵩張らないところも、価格が安いところも気に入っていたのですが残念。

画像3

クーラントはCorsairのXL8のクリアに買い替えました。

情報がまだほとんどないクーラントですが、着色料もなく、希釈も不要なので、多分大丈夫だろう!と。ボトルが無骨でかっこいい。PCアークさんで初めてビットコイン決済を利用してみたのですが、決済方法がいまいちわからず時間切れでキャンセルになってしまいご迷惑をかけてしまった。
参考記事


また、分解するときに、ケースを以前の記事で書いていた、現在と同じLian Li O11 Dynamicのシリーズのケースで、一回り大型のO11 Dynamic XLに買い替え。

大きいケースへ変えるにも関わらず、横挿しでは公表スペックの通りだと、数mm足らず入らない可能性が高いので、ついでにケース内に縦置きできるようにEZDIYという台湾のメーカー製のブラケットを購入しました。
Lian Liの公式から出ているブラケットでは縦挿ししたときの位置が奥過ぎて、結局チューブの配管がCPU水枕のチューブと干渉してしまう問題が解決できないので。

ちなみにEZDIYは電源の延長ケーブルやメモリのRGB LEDのついたヒートシンクなんかが有名な企業で、個人的には安くてそこそこ品質の良いものの印象です。

つまみネジはドレスアップで購入したので、特に必要で購入したものではないです。


また、以前のO11 Dynamicでは背面にファンが設置できなかったのですが、XLでしっかり背面ファンも設置できるようになっているので、Corsair LL120を追加。ケースの色と合わせてこちらはWhiteを購入。
余談ですが、このLL120はあとから追加でWhiteがリリースされたのですが、実はBlackよりWhiteのほうが回転数を高く設定できる、LEDが明るいの2点が改善版となっています。これロットによって変更されたわけではなく、単純に仕様変更みたいなので、混在してると発色が違って見えてしまうし、回転数の制御を単純に同じにできないので、僕のように混在させる場合気をつけた方が良いです。

そして、LED制御が既に6本まで埋まっているため、追加でLED制御パーツも購入しましたが、これにはCorsairの独自規格?の3Pinのケーブルが同梱されていないため、単品では単純に接続できません。購入する人はここでも注意が必要です。僕は経緯不明ですが、余ったケーブルがあったため、それを使用しています。

Corsair Comander Proに接続することで、Comanderから2chあるLEDポートからさらに6つのファンのLEDを制御できるようになります。


長くなりましたが、要するにクーラントがダメだったので別のを用意して、ケースを大きいのに買い換えたって話です。


画像2

で、各パーツの洗浄をして出来上がったのがこれってわけ。


前回の組み立てでは黒×紫の配色でしたが、黒×白のカラーに変更してグラボも縦さしになって、底面にも大型ラジエーターを増設し、チューブの配管も大幅にレイアウトを変更しました。

現在はこれで安定して動作しており、水温も負荷時でも室温+10〜20度前後で動作しているので大丈夫になったかと思います。
一週間以上経って色々ゲームもしていますが、成分が分離しているような汚れが浮いてくることもないので完成と呼んでいいかと思います。

後は、厚ラジエーターを余裕で抜ける高回転数までいけるLL120のWhiteに上下のケースファンを交換したり、ALI EXPRESSから輸入して、ハードウェアモニター用の内蔵ディスプレイを設置するか迷っていますが、今のところ予算を大幅に超えているので…。という感じです。

洗浄についてとかはまた別の記事で書こうかと思います。


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