見出し画像

”例の金具”を検証しました Vol.2

前回の記事の続きです。

前回はCore i3 12100での検証を行いましたが、今回はCore i9 12900Kの検証結果を見ていきたいと思います。

Core i9 + 例の金具なし + リテールクーラー(室温24.0度)

スコア22033pts 最大パッケージ温度100℃

冷えるわけない環境での検証だったので、大事な12900Kを壊してしまわないかハラハラしながらの検証でした。
Pコアは一瞬でサーマルスロットリングを起こし、Eコアもギリギリのところで持ちこたえた感じ(もしかしたらPコアのサーマルスロットリングの影響でEコアは100℃まで上がらないのかも?)。
テスト中はファンの回転が一瞬で最高速度まで上昇し、テストが終わってからも30秒くらいは全力で回りっぱなしに。部屋にファン音が鳴り響き、このPCではファン音が気になって全く作業ができないなってレベルでした。
こんな構成で使う人絶対いませんが、絶対やめたほうがいいということがわかりました。

Core i9 + 例の金具あり + リテールクーラー(室温22.0度)

スコア22766pts(+733pts) パッケージ温度74.0℃(±0℃)
カッコ内は金具なしとの比較

例の金具なら何とかしてくれる。そんなふうに考えていた時期が私にもありました。
いや、全然無理!だってどんなに歪みが直っても、リテールクーラーはCPUに面する面積がもともと狭いんだもん!それでもi3を20℃も冷却性能を向上させた例の金具ならちょっと影響出るかな?と思ったんですが…

スコアが微増してるのが、冷却性能の改善に影響があったのかも知れませんが、いずれにせよリテールクーラーでCore i9 12900Kを運用しようなんて思わないことですね

Core i9 + 例の金具なし + Peerless Assassin(室温22.0度)

スコア26659pts(+4626pts) パッケージ温度100℃(±0℃)
カッコ内は金具なしのリテールとの比較

Peerless Assassinこれ思いの外冷えてますね。最大温度こそ100℃に達してしまいましたが、Core i7 12700(F)あたりまでならいい感じに冷やせるのでは?という気になりました。
最大速度までファンが回転してるとそこそこ音はしますが(今回の検証環境の場合電源のファンがめちゃくちゃウルサイので、ほぼ気づかないレベル)、フル回転でもケースに入れたら、気になるほどの音はしないんじゃないかなって程度には静かでした。
電気周りに制限かけたり、高負荷が続かない使い方をするのであれば、このファンでも良さそうです。問題があるとしたら、Core i9 12900Kを買う人は制限かけたり、負荷のかからない用途でわざわざ選ばないと思う点くらいですね。
Core i9を選ぶロマン主義者は、素直に簡易水冷の360mm以上のを買ったほうが無難です。

Core i9 + 例の金具あり + Peerless Assassin(室温23.0度)

スコア26664pts(+5pts) パッケージ温度100℃(±0℃)
カッコ内は金具なしのPeerless Assassinとの比較

今回の検証で一番意外な数字が出たのがこの項目で、Peerless Assassin使用下では例の金具で冷却性能はほぼ変わらなかったという事がわかりました。

僕は「”例の金具”のおかげで歪みが解消してPeerless Assassinでも運用できるようになったぜ!」という結果を期待していました。この結果に納得がいかず3回計測し直したのは内緒です。

塗りたてのCPUグリスで歪みの接地面積の低下が免れたのか、それとも偶然このCPUクーラーがLGA1700と相性が良いのかは謎ですが、今回の検証結果では”例の金具”による冷却性能の向上は、CPUクーラーの種類によって影響の出方が大きく違うという事がわかりました。

Core i9 + 例の金具あり + Peerless Assassin + NF-A12×25 PWM(室温22.0度)

ちなみに余談ですが、この温度なら最強のファンにしたら、Peerless Assassinの冷却性能をさらに引き出せるのでは?と考えて、静音!静圧!超高級!で有名なNoctua NF-A12×25 PWMを2基と取り替えても検証しています。

スコア8403pts(-54pts) パッケージ温度100℃(±0℃)
カッコ内は金具ありのPeerless Assassinとの比較

もともと然程うるさくなかったのですが、さらに静音になり、明らかにCPUクーラーのフィンの隙間を通る空気の量が増えました。
しかし、スコアはほぼ変わらず、温度も相変わらず100℃をタッチ。
むしろ100℃に到達しているコアの数が増えているので、冷却性能で言えば落ちてしまっています。

空気を送る時の空気量が圧倒的に増えたため、フィンの横から漏れ出るように風が出ていました。
もしかしたら、綺麗に空気の流れが作れなくなり、冷却効率が落ちてしまったのかもしれないです。
あとはPeerless Assassinのヒートパイプ自体の、熱を移動させる性能の限界がこのあたりにあるのかも知れません。

そのあたりの検証もしたいと思ったのですが、Core i9をこれ以上メインPCから外している訳にもいかないので今回は見送りました。

”例の金具”への自分の感想

まずはじめに例の金具の加工精度が高くて、マザボにはじめて装着したときは、気持ちいいくらいぴったりハマって、全くガタつかないことに正直感動したくらいです。

冷却性能への劇的な変化はない、もしくはその人の構成によると思いますが、歪みが消えて安心できて、ついでに冷えるようになるかも?くらいの期待で購入するならアリじゃないかな?と思いました。

最後に、あくまで保証がなくなってしまい、自己責任のもとに導入するアイテムですので、購入は使う人の自己責任でお願いします
また、今回の検証が少しでもみなさんの参考になれば幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?