見出し画像

本格水冷の制御について

※Amazonのリンク先で送料詐欺が増えているので、リンク先の商品を購入する場合、商品価格と送料両方をしっかり確認してください。


仕事のバタバタで精神的に参ってしまって、しばらく更新が滞ってしまいましたが、ゆるりと再開していこうと思います。よろしくお願いします。

本格水冷は熱くなったものを冷ます方法の選択肢と、以前記事の中で書きました。
常に全力で冷やし続けるのも一つの手段なのですが、PCは負荷のかかる処理をしていない時はそれほど熱が出ないので、そういう時は全力で回転するファンやポンプは騒音を撒き散らすだけの存在になってしまうので制御が必要となります。

空冷で冷やす時もマザーボードに挿したCPUクーラーのファンの回転数を、CPUの温度なんかに併せてコントロールします。
グラボも熱くなったらファンが回転を始めたり、ケースファンも回転数を増やしてケース内の温度が上がらないようにしたりします。

じゃあ、本格水冷の場合、何を基準に回転数を制御したら良いのかという、自分なりの結論を紹介するのが今回の記事です。


自分の場合、
熱源はグラボとCPUとなっており、
ラジエーターに付いたファンが熱を逃す主な役割を果たす形になります。

ポンプの回転数は特別な制御はしません。理由は、回転数を上げ下げしても大きな影響がないからです。
ポンプが速ければ速いほど冷えるように思うと思いますが、水枕からクーラントへ移動する熱量に限界があるため、実際にはそうならないです。
また、ポンプ自体のパワーがかなり高いおかげで、相当長くて複雑なループを組まない限り充分な水流が得られるので、ポンプ音が気にならない範囲で一定速度に固定するのが良いと思います。
同じ音量音程で鳴り続けるより、上がり下がりがある方が気になりますしね。

ということは、主にファンの回転数を制御する形になるのですが、何を指標に回転数を決めるかという問題があります。

通常空冷や簡易水冷ではCPU温度やGPU温度、ケース内の温度に比例して回転数を制御するのが一般的です。
CPUやGPUが熱くなれば冷やし始める。これは空冷がその場で冷やすことが得意で、逆に温度を一定に保つ力が弱いからです。

逆に、本格水冷の場合は温度を抱え込める能力が、リザーバーがある分得意です。さらに言えば、水温が上がりきってしまった水冷というのは冷却性能のキャパを超えてしまって、冷却性能が低下している状態です。

ループ 温度解説


上の図の通りループを作成しているので、一番温度の変化に緩急がない部分は、リザーバーから出てくる部分になります。
そのため、ポンプの出口部分に温度計を仕込みます。

自作PCではこんな感じの2PINの温度計を使う場合があります。
共通の規格になっているので、メーカーを跨いで使えるのが良いですね。ちなみに高級なマザーボードにはセンサー繋げるところがついてるのも昔はありました(今も多分あるけど、最上位モデルとかOC競技向けとか?)。

画像2

左のがEKWBので、右のがBykskiのものです。
これをEKWBのT時になっているフィッティングに繋いで使っています。

最初はBykskiのものを使っていたのですが、その時のループが異常に水流が少なくて温度が下がらなかったのです。で、分解洗浄してどこが原因か調べたら、

画像3

こりゃ流れないわけですわ。と、慌てて追加で購入したのがEKWBの温度計です。

画像4

これなら大丈夫。全然違いますね。安物買いの銭失いということで、買う時は値段以外にセンサーの飛び出た部分も気にする必要がありそうです。

これでループにこれから入るぞ!というクーラント液の温度を計ることができるようになるわけです。


次にこれで計った温度を使って、ファンを制御する方法ですが、マザーボードのファンコントローラーが全てやってくれればいいのですが、特にそういった機能もないので、CorsairのiCUE COMMANDER CORE XTを使用しています。

これで行えるのが、主に
・4PIN、3PINファンの回転数制御
・Corsairの独自の規格ファンLEDのライティング制御
・温度サンプルの取得

が主な仕事なのですが、EKWBのポンプは4PINのPWMで回転数を決めて、SATA電源から電気をとります。つまり、このCommanderでポンプの回転数制御も行えるということです。

また、これを使うことで、5VRGBのLEDもiCueを使って制御できます
ちなみにこの商品を買う時、写真の右に写ってる四角い部分は別売りなので気をつけてください。入ってるのは左のケーブルだけです。
このケーブルをCommanderに刺すと、LEDポートが汎用の5VRGBのLEDストリップ等で使えるようになります。
つまり、EKWBの水枕付属のRGBのLEDもこれでiCueで制御できるようになるという画期的なアイテムです。

ちなみにケースファンは、もともとCorsairのLL120 Whiteを使っているので、Commanderで元々使えるので問題ありません。これが6基付いて、ケース内排気と、天面ラジエーターの冷却に使っています。

また、底面のラジエーターにはNoctuaのファンを、他のファンより高回転数で回しています。これで底面吸気になって、騒音低減と低回転時でも冷却性能アップさせています。

これで、
ポンプ、ファンの回転数制御
・ファンLEDのライティング制御
5VRGBコネクタのライティング制御
・温度サンプルの取得

これだけの仕事がCommander一つでできる状態になりました。
これらをCorsair iCueでソフトウェア制御する形になります。

Corsair iCueは以前はバグの多さやUIの複雑さで敬遠されてきましたが…バグはだいぶマシになりました、少なくとも動作に支障はなく、冷却を任せられると思っています…が、UIは相変わらず使いづらいかもですね。
こんな感じで、制御してます。ちなみにファンの数がCommanderのポート数より多いため、Commanderから3股になっているファンケーブルを繋いで、それぞれのファンを3つずつまとめて接続しています。ちなみに買うならできるだけ短いのがオススメです。

画像5

ファン1がポンプで60%に固定しています。それ以上回すと音がしはじめるので。
ファン2は天面のラジエーターのもの。
ファン3は側面の排気ファン。
ファン4は底面のラジエーターのものとなっています。
それぞれクーラントの温度が38℃を超えたあたりから回転数が徐々にあがって、45℃を超えて急激に上げて50℃で最高回転になる設定になっています。
これなら、温度の上がり下がりが緩やかになり、急にファン回転数が上がったり下がったりする事で発生する耳障りな音の変化が低減できます。
ちなみに普段の水温は室温に依存するので、部屋を冷やすのが一番PCが静かになる方法です。

これは一例にすぎないので、もっといい制御方法もあるかと思います。


デメリットとしては、制御させるためのパーツ自体も購入しないといけないので、追加でお金がかかること。
iCueの使いづらいUIを多少勉強しないといけないこと。
今のところ大丈夫だと思いますが、iCueのソフト制御が外れると、最悪ポンプが回転しなくてクーラントが沸騰する可能性がゼロじゃないこと(これはポンプだけマザボで制御すれば回避できます)。

メリットとしてはiCueでCorsairの綺麗に光るRGBファンを使っている場合に、本格水冷の制御も一元管理できることですね。


ではまた次の記事でお会いしましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?