わたしはスラム街に住んでいたのか―札幌市白石区の荒唐無稽な噂

なにげなく自分が住んでいる町のことをネットで調べたら、とんでもない記事が続々見つかった。極め付きがこれである。

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世界と日本のスラム街を紹介する記事で、わたしが三十年以上も住んでいる札幌市の白石区が「札幌でも有数のスラム街」であるかのように書かれていた。まったく気づいていなかったが…

まず写真は中央区のものである。白石区ではない。この時点で記事のレベルがしれる。

「犯罪率が高い」と書かれているが、ほかの区と微差しかない。三十年住んでいるわたしも、いまだかつて犯罪にあったことはない。個人の感想だが、白石区に危険を感じたことはない。これからもないだろう。

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「駅前がかなりさびれている」と書かれている。JR白石駅のことをいってるのだろうが、地下鉄白石駅前は、分相応に駅前らしく栄えている。この広い白石区で、JR白石駅ひとつがなんだというのだろうか。

「貧困層も多く、盗難も多発しています」←ここまで決めつけられると一個人の力で急に反駁するのは骨が折れるが、住民の口からいわせてもらうと、この白石区は札幌のほかのエリアとおなじ、普通の街である。モールもファミレスも居酒屋もあるし、ホームセンターもワークマンもトランクルームもある。札幌のほかの区と差はない。

ちょっと調べると、白石区については
ほかにも偏ったイメージを広める記事が散見される。

1956年の赤線防止法の施行まで、白石区内の菊水地区の一角に遊郭があったことと、豊平川の河岸に「サムライ部落」なるバラック群があったことが、懐古的に取りあげられている。

それは興味深い郷土の歴史だが、現代の菊水には遊郭もバラックもない。

菊水では古い木造の住居をときおり見かけるので、懐古的なイメージもまったく間違ってはいない。しかし、べつに危険な町ではないし、白石区全体がスラム街というのは盛りすぎだ!

好事家が訪ねてきたらどうする。びっくりするぞ。ふつうの町だから!



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