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コロンバインの真実~エリック・ハリスのジャーナルの邦訳が完成しました。

    1999年4月20日に米国中西部コロラド州のコロンバイン高校で起った銃撃殺傷事件の犯人の一人、エリック・ハリスが書いた日誌(ジャーナル)『神の書[The Book of God]』を邦訳しました。

    『神の書』は、卑陋な語彙が多用されているにも関わらず、ティーンエイジャーが書いた哲学書とも称せられる傑作です。その思想をエリック・ハリス本人がどれだけ真面目に信じていたかはあやしいのですが、犯罪史上にのこる、恐るべきテロリズムの主犯である一介の少年が、計画と準備をほぼ一人で手掛けてついに実行するに至った、その背景にある特異なメンタリティが表現された一級資料として価値があり、その内容も他に類をみないものです。

    PDFには、コロンバイン事件の基本的な情報のまとめも記述しました。実際のコロンバイン高校でおきたことは、初期の報道がセンセーショナルに伝えた"粗暴な体育会系にいじめられた少年たちのグループの復讐"ではありませんでした。犯人の少年たちはイジメの被害者ではなく、個人的かつ身勝手な欲求にしたがって、必要のない殺人ゲームを実行しました。
    ただし、犯人のエリック・ハリスとディラン・クレボルドは、そのメンタリティにも殺人ゲームを推進する動機にも、相違があります。

    次は、狡猾なエリックと対照的にナイーブで不器用だった少年、ディラン・クレボルドのジャーナル『存在の書[The Book of Existence]』の邦訳をすすめます。




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