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幻の銘茶のこと

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宇治は茶所、茶は政所 秘境に残る在来種。幻の最高級銘茶です。
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#旅

幻の銘茶のこと(一)出逢い

お茶の発祥地と聞いて向かった滋賀県。(諸説あるそうです) 延々続く整然と植えられた茶畑を横に見ながら期待に胸が膨らみます。 各お茶農家から茶葉を直接仕入れて商品をつくっている専門店へ足を運びました。  お茶を頂きながら国外への発送も考えたい旨をつたえると 「それは難しいですな」 聞けば、現在国内で栽培されているお茶は農薬の使用があり、 基準値を超える日本のお茶は、基本EUなどへの輸出は規制があるためできないのです、とのこと。 無知でした…。 ほうじ茶を幾つか購入してお店を

幻の銘茶のこと(六)秘境政所の謎

政所の謎 永源寺の先では、日本最古級と言われている 母体 の 土偶が発見されています。 1万年ほど平和な暮らしが続いたと言われる、縄文時代草創期のものだそうです。 山の奥深い小さな集落に『政所』と名付けられた地名。 気を付けてみないと見落としてしまいそうな小さな神社に刻まれた紋。 そこにはたくさんのお能面と衣装がありました。 このあたりは惟喬親王開祖『木地師』発祥の地です。 かつて、一般に使用を許されなかった最も高貴な色とされた『紫色』 その原料となる絶滅危惧種『紫根』の栽

幻の銘茶のこと(七)政所のくらし

「お米もここ美味しいんよ」 近江米は有名ですが、山側で育つ竜王のお米は山からの水で育つので更に美味しいそうです。 「あっためたろか?」 「いえ、冷たいままで!」迷わず言いました。 美味しいお米は冷えた時にその味が出ます。 喜代美さんが朝炊いておひつに入れておいたというごはんを出してくださいました。 至福・・・ 何気なくされている政所の生活が、なんだか地に足がついていてホッとして そしてお洒落に見えます。 「金胡麻を乾かしてんねん」川上さんが栽培された無農薬の胡麻。 国産