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家出少女A

お芝居がしたくて家出、上京したのに、体を壊してお芝居をあきらめた。
とんでもないことをしでかさない限りそこそこちゃんとした大学に入れる高校に行っていたのを蹴り、お芝居の道に走った私は、芝居断念とともにやることがなくなった。
どうしよう・・。

掛け持ちアルバイトをしながら日々考えた。今さらお勉強でもない。
単細胞の私が考えたのは実技重視の美大受験。お勉強はしなかった。
きっとギリギリだったのだろうけど、受かった。

絵は上手ではなかった(当然だ)
デッサンの先生に「腕がスチール管みたいだ」と言われたのを、今も覚えている。

借りていたアパートの近くにあった喫茶店に、いつも集まっているお友達集団がいた。全員2つ年上。この子ほっといたらまずいんじゃないの?的なやさしさで、仲間に入れてもらえて、とっかえひっかえよくしてくれた。
家具を拾ってきてくれた。ありがたし。

Tちゃんは、すごくお酒が強くて、飲みすぎで、路上のごみ箱に捨てられて、朝起きたらゴミ箱の中だったという武勇伝持ちの女子。

Rくんは、いつも祭りに誘いにきた。「えーこちゃん祭りいこうぜ。」
??祭り??
車に警察無線を盗聴する何か?が付いていた。車中ずっと無線の声が流れてる。
無線を聞くとすぐコースを変える。そしてなかなか家に帰れない。
だから、誘いに来ても布団にくるまり居留守?(ばれるよね)
それでも毎週誘いにきた。
祭りってそんなにあるんだ・・。
(数年前病気で亡くなってしまい、ほんとに寂しい)

Kくんは、いつも同じ空気で、ぬーっと座っていた。でもいつも優しかった。(今は社長さん)

Sさんは、冗談か真面目かわからない話をしていた。(今は先生)

学校にはバスと地下鉄通学だったけど、たまに自転車で通った。作品を持参するため。
なぜかこっそり目撃された友達に、暴走自転車と名付けられた。
世の人のため、ぜったいに車の免許はとるな!
なんで自転車を見て車の話よ!
でも脳裏に深く刻まれた言葉を忠実に守り、私は免許をとらなかった。

家のそばには神田川が流れていた。
学校の近くにも神田川。そうだ。ここを歩けば家に帰れる!
歩いたら3時間かかった。
ぜーぜー言って、喫茶店にかけこみ話をすると「またやった」と言われる。

他にも他にも。漫画にできると思えるほどエピソードがいっぱい。

あのころの家出少女Aは、毎日、かばとうさぎに化ける社長Aになった。
もしかすると私の人生が漫画なのかもしれない・・。


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