見出し画像

『四月大歌舞伎』が美しすぎた記(夜の部)

粋と美の祭典。
客席からの息をのむ声が・・・(わたしも「ひぃ」という音が喉に出かかりました)
仁左衛門さまも玉三郎さまも、時空を超えたところに生きていらっしゃるの?!?

惡の華

於染久松色読版。(おそめ ひさまつ うきなの よみうり。読めない・・)

セクシー!

なにって、擦れた玉三郎さまの役と仁左衛門さまの役。
あまり治安のよくないところ(葛西と聞こえた気が?)での暮らし、ずっと一緒に生活している自然な様子。啖呵や失敗して二人帰っていく様子。
どこを切り取っても無理なく自然にみえるのがまたすごい。お芝居だから、どこかに無理や不自然な力の入りがあってもおかしくないのに。

共演のお店の人たちや”田舎の人”もユーモラスで、くすくす笑えて。
「あー楽しかった!」とにっこりでした。

神田祭

すごいものを観てしまった・・・
これが人間国宝の力・・・・

開演前から劇場の熱量が上がって、幕が上がってそれぞれが出てきたところで、ため息のような感嘆のようなことばにならない想いがあふれて、劇場全体がピンク色の愛しさや、今日ここにいる喜びで埋め尽くされるような感じ。

お二人のちょっとしたしぐさから、舞台にいないはずの周りの人や様子・風景、それまでに二人にあった過去までみえるよう。
さらにとにもかくにも美しい。ラブラブ。こっちがすっかりあてられるのに、嫌味じゃない! もっとラブラブしてくださっていいんですよ!と、現実世界ではありえない歓声すらあげたくなる。

上演してくださってありがとうございます!に尽きました。。
オンデマンド配信されたら、また絶対観よう。繰り返し観たい。

歌舞伎に興味のない人をイチから誘ってみせるにはもったいなく(その席をほしい人が他にたくさんいるから)、でも、これをみて美しい・素晴らしいと思える感性の持ち主にはどうにかして観てほしい。
自分勝手にそんなことも思いました。

関係ないのですが、歌舞伎の世界に鳶・芸者さんがよく出てくるのって今でいう職業萌えみたいなもの??と思いました。

四季

きれいなものを切り取って集めた、パッチワークみたい。

お雛さまのお衣装で、国語の教科書に載っていた『お母さんの紙雛』を思い出して、少し悲しい気持ちに・・・幼少期の刷り込みが怖い。笑
愛之助さんがいらっしゃるから、こちらも上方風なのかな??
錦絵のような薄黄色と春の桜が描かれた舞台セットと、鮮やかなオレンジや赤青のお衣装の色彩が合ってきれいだなあと、ずーっと舞台全体を眺めていたい時間でした。

「秋ってさ、なんか精神的に不安定になるよね。勝手に涙が出てきたり(笑)
でも、来ない男より最後は仕事よ!手さえ動かしてれば成果物できるんだから、なんとか乗り切ろ!」というメッセージを受け取りました。(絶対違う)

木枯

コンテンポラリー日舞?!
空を飛び、地面を跳ね、舞い上がる木の葉に、精鋭揃い!と驚きばかりでした。歌舞伎役者さんって、本当に何でもできる人の集団・・・

尾上左近さんが、思春期から青年期に向かう人生のその年齢の美しさと、お顔だちと女形のふるまいの美しさが相まって、光り輝いていました。目が釘付け。


大満足の観劇でした!
ハードなお仕事だと思うので、演者さんも裏方さんも、どうかお身体に気をつけてお勤めくださいと祈るばかりです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?