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わかって楽しい!マハーバーラタ

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インドの叙事詩マハーバーラタ。 ここにはヨーガの叡智が詰まっています。 全部で18章からなり、 10万詩にも及ぶ膨大な内容ですが、 その中から ヨーガの知恵を学ぶのに役立つスト…
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2020年4月の記事一覧

7.蒼白王の誕生

7.蒼白王の誕生

目の見えない王子が生まれてくると聞いて、
がっかりの色が隠せないサッテャヴァティー。
ヴャーサの元に再び赴くと、
「お願いよ。今度はアンバーリカーとの間に世継ぎを生んで欲しいのだけど」
と頼みます。
ヴャーサはあっさりと承諾しました。

事情を聴いたアンバーリカーは、すでに姉の件を知っているわけですから、
震えながらも賢者の来訪を待ちます。
目だけは閉じてはならないと唾を飲み込み身構えましたが

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6.盲目王の誕生

6.盲目王の誕生

サッテャヴァティーは、その後、何度もビーシュマの説得を試みましたが、
頑なに断られ続け、ついに諦めました。

とはいえ、それで王位継承の問題が解決するわけではありません。

王国の一大事に憔悴したサッテャヴァティーの様子を見たビーシュマは、さすがに見かねて、
「お義母さん。僕に一つ提案があるんです」
と、サッテャヴァティーに話を持ち掛けました。

「クル一族の血筋を守るために、もう一つ

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5.サッテャヴァティーの苦悩

5.サッテャヴァティーの苦悩

一方。
ヴィチットラヴィーリャと残された二人の姫、
すなわちアンビカーとアンバーリカーの結婚式は、つつがなく執り行われました。
美しい二人の伴侶を得て、この幸せは未来永劫に続くように見えた、のも束の間。

若いヴィチットラヴィーリャは、重い病気にかかり、
二人の妻の献身や多くの医者の手当ても空しく、帰らぬ人となったのでした。

サッテャヴァティーは、王子の死に多大なる衝撃を受けました。

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